「小説ではなく物語」15時17分、パリ行き 2638さんの映画レビュー(感想・評価)
小説ではなく物語
小説は人生の中のクライマックスを象徴化して劇的に描くものだが、物語は人生の全て(時にはストーリー展開には無関係に見えるものも)を描くものである。この映画は後者であったと思う。だから「単純」で「怖く」て「幸せ」な印象を持った。これまでの人生の、挫折や妥協やささやかな幸せ、そうした平凡なことを体験していなければ、テロの理不尽さは分からない。
★3.5なのは、主人公側の視点(非常にキリスト教的)しかないから。主人公とテロリスト、二人を動かしているものが畑は違うがともに「信仰」であるならば、イーストウッド監督による両者の視点から作ったものを是非見たいと思った。
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