劇場公開日 2018年3月1日

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「物語には欠ける。“素人”を使った限界なのかも」15時17分、パリ行き 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5物語には欠ける。“素人”を使った限界なのかも

2018年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

実話を下にした作品。

2015年8月21日に発生した、アムステルダム発パリ行きタリス内で発生したイスラム過激派の男による無差別殺傷事件に遭遇したアメリカ人の3人の青年が、事件を防ごうと活躍した姿を描ている。主人公のアンソニー、アレク、スペンサーの三人を、本人たち自身が演じている。またその他、乗客の一部も、事件に遭遇した当事者たちが演じている。

“素人”のアンソニー、アレク、スペンサーの三人を、堂々とメインに据えて作品を作り上げた、クリント・イーストウッド監督に敬意以外の何物も無いですね。いやぁ、よく怖くなかったなと。最初は、カイル・ガルナー、ジェレミー・ハリス、アレクサンダー・ルドウィグの3人のプロ俳優を使っての作品を検討していたそうなのですが、最終的に、当事者本人を使うと言う決断をイーストウッド監督が下しています。

イーストウッド監督の英断で起用された、アンソニー、アレク、スペンサーの三人は、素人ながらに“まぁまぁの演技”も見せています。中でもアンソニーは、少年時代のエピソードでも明らかにされていましたが、“口が上手い”と言う人物らしいので、三人の中では一番演技が出来ていたように見えました。アレクとスペンサーは、何とかなっていましたが、少しぎこちないところも感じました。そういう意味では、プロの俳優の演技の凄さも感じました。

素人を起用したがゆえになのか、クライマックスのタリスでのシーンは、短いです。作品の多くは、そこに至るまでの三人の姿を描いています。プロ俳優を使った作品だったら、もっと違う感じになっていたでしょうね。

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勝手な評論家