劇場公開日 2019年5月31日

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「痘痕は靨?(あばたはえくぼ?)」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5痘痕は靨?(あばたはえくぼ?)

2019年6月14日
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鑑賞方法:映画館

「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」という言葉がある。好きならば相手の欠点も良く見えることの例えだが、本作は正にそれだ。

前作のシリアスな雰囲気を一蹴し、怪獣プロレスに舵を切った思いきりの良さは潔い。キングギドラとの光線の撃ち合い、ビル群を破壊しながらの死闘、Gフォースの活躍、そして、あのテーマ曲にお囃子を加えて聴かせる見事すぎるアレンジに否が応でもテンションは上がってしまう。所謂"VSシリーズ"で育った世代には垂涎もののシーン満載で興奮必至であるし、ゴジラファンじゃなくても十分満足のいく迫力の怪獣プロレスを拝むことができる。この迫力は是非劇場で味わって頂きたい!!!

しかし、怪獣プロレスとしては80点付けても惜しくないレベルなのに、ストーリーが10点止まり。環境テロリストの動機が理解に苦しむし、核兵器の使い方の乱雑さは看過できない。更にはファンへの目配せであろう"あの兵器"や"あの双子"も登場こそするが、そこに特別な意味はなく肩透かし。シリーズのツボを抑えたつもりが痒いところに手が届いていないというお粗末さ。

はっきり言って、これは観客のゴジラ愛を計る試金石のような一作。怪獣映画なんだから、難しいことは気にするな!と割り切れるのであれば本作はきっと楽しめる。私もゴジラで育った世代であるが故に、この懐かしくて、新しい怪獣プロレスにこそ心底満足したものの、痘痕はやはり痘痕にしか見えなかった。

Ao-aO