劇場公開日 2019年5月31日

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「出来が良いだけにハリウッドテンプレが鼻につく」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ くりあさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5出来が良いだけにハリウッドテンプレが鼻につく

2019年6月8日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

この背景世界でのゴジラ2作目、モンスターシリーズ3作目にして、モンスター全員集合回。
ゴジラとキングギドラの対決を軸に、世界中での怪獣の復活を描く。

ゴジラとキングギドラの怪獣プロレス、ラドンとモスラが加わっての大乱闘は迫力があり、監督制作サイドの「これが作りたかったんだよ」が伝わってくる。

メイン二体の戦いに加わるモスラとラドン以外は実質顔見せで、名前しか出てこないやつもいるが、以降の単体作品の導入的位置付けとして今後の展開に期待。

さて。

ゴジラ1作目(対ムートゥー)の無駄な家族家族は整理されてはいるが、今作でも人間側の行動の端々にその手のハリウッドテンプレが色濃く残っている。

話は変わるけど、アメリカで対テロを題材にした作品のテロリストは、最近はこういう主張するのをしばしば見かける。
「戦争で身内を失った。犠牲者や遺族の悲しみは癒えない。戦争は無くさねばならない。偽りの平和を享受する国民は何もしようとしない。国民の目を覚まさねばならない。そのためには脅威は身近にあると知らしめる必要がある。身内に犠牲者が出れば悲惨さを国民も思い知るだろう。そのためのテロだ。俺は愛国者だ」
動機としての身勝手な正義という奴である。アベンジャーズのサノスもこの系統だ。

また話は変わるけど、決死の作戦に挑む兵士がもう戻れないことが確定した後に、(長距離通信であったり、隔壁越しであったりで)別れの会話をするのは感動の演出であるので、情感たっぷりに(SE消して静かな心象音楽をBGMにするとかして、また、スローにしてみたり本当に長い間その場にとどまったりして)盛り上げるのは定番シーンである。

また話は変わるけど。なにか未知の存在がやってきたときの巨大感壮大感を出す演出として、「機械で検知したあと、建物から外に出て肉眼で確認、ほかのみんなも続けて外に出て全員で呆然と見上げる」というのがある。空にできた空間の裂け目から宇宙人の軍勢が来たとか、月が開いて魔界の勢力が現れたとか、あるいは単に天変地異が起きてるとか。

……なあ、わざとか?わざとなのか?
人間側の話は怪獣に興味のない奴にもわかりやすく作ってやるから、怪獣プロレスは好きに作らせろ、ってことか?

シリーズ序盤の一旦集合回として、人間側がこうなってるのは今後展開の都合もありそうで、その辺りも考慮すると4〜4.5相当ではあるのだが、それは次回作以降を含めたシリーズ全体の評価に依存するので保留。

というわけで、単体作品としての評価は抑え気味の3.5。

エンドロールで、ゴジラなど怪獣のクレジットがHIMSELFなの笑う。

くりぽん