「ゴジラは爬虫類のはずだが」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ KAZさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラは爬虫類のはずだが
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ハリウッド版のGODZILLAに感じていた違和感の理由がようやく分かった。
顔の動きが哺乳類なのだ。
最初のGODZILLAは、もろに恐竜だった。イグアナが怪獣化してティラノみたいに走り回ってた。
で、前作のGODZILLAでは体型が恐竜から熊(グリズリー?)になり、今作では猿になったような気がする。表情が細やか過ぎて、猿の惑星かキングコングを見ているようだった。
爬虫類は哺乳類ほど表情が豊かではないため何を考えているのか分からない不気味さがある。その不気味さと怖さを最大限に表現したのがシン・ゴジラだ。
確かに迫力は凄い。さすがハリウッド。だが、ゴジラは爬虫類が怪獣化したものであって、決して哺乳類ではないはず。
ギドラを倒した後、怪獣の王座に君臨するシーンは、まさにボス猿の交代を連想させる。
見る側の感情移入を考えれば、ある程度は顔に表情がある方が分かりやすいのだろう。だが、その顔の表情が、猿と熊のミックスみたいになっている。今作ではさらに人間臭さを増した感がある。
原作へのリスペクトは十分に感じた。
エンターテイメントとしては楽しめる映画である。映像技術といい、怪獣の対決シーンの見せ方といい、本当によく出来た作品だ。
だから評価は高くした。
だが、ゴジラはやはり得体の知れない生物であり、内面に激しい怒りをはらみ人類とは決して心を通わせることなく、コントロール不可能な怪獣であって欲しい。
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