「なかなかのものでした。」響 HIBIKI abukoさんの映画レビュー(感想・評価)
なかなかのものでした。
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先入観無しにみた。AKB系のアイドルのための映画だとか、どうせ大した映画ではないだろうとか、主演が好きとか嫌いとかいったフィルターを外してまっさらな気持ちで観ての感想。
なかなか興味深い。15歳の高校生が芥川と直木賞を同時に受賞とか現実にはあり得ない話だろう。ゆえに映画は面白いのである。響は自分は曲げないし妥協はしない。興味のあることには柔軟に入り込み熱中する、が、自分が納得すればそれで満足し欲がない。どんなにすごい賞でもそれに頓着しない。響が自分の作品に満足すれば周りの評価などどうでも良い。相手がどんな有名作家であろうと面白いと思えば面白かった、つまらないものはつまらない、とはっきり言える強さを持っている。 大事な人がいじめられていれば相手に向かって飛び蹴りもしてしまうというエキセントリックな少女でもある。
心の動きをヒロインの平手は台詞だけでなく目の動きや表情の微妙な変化でうまく演じている。はっきり言って驚いた。彼女はまさしく響だ。 これは映画で見て初めてわかる。短いCMで激しいシーンや少しばかりの台詞ではわかり得ない。観て初めて感じることだと思う。主演が嫌いだとか最初からそんな見方をするとこの映画の真価はわからない、そしてその逆もまた然り。
もう一度見に行きたい、最後に流れる平手の語るような歌。 私は好きな映画だ。
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