「大人が観ても、誰かに自己投影できる」響 HIBIKI madelineさんの映画レビュー(感想・評価)
大人が観ても、誰かに自己投影できる
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レディースデイに時間があり、TV番宣で、平手さんを見かけた事、原作はさらっと読んでいたので、アイドル映画色が強いだろうなと、あまり期待せず観た。
スクリーンには、TVで見た自信なさ気な平手さんはおらず、響がいた。響が動いたら、こんな感じなんだろなのイメージは、全く壊れず、あっという間にエンドロールだった。
動物園のシーンや、リョータローをつんつん、憧れ小説家との握手、スナックでおつまみ口にしたりなど、正義とはいえ、安易に怒りにまかせ、暴力的なる異常な女子高生場面だけでなく、15歳らしい可愛いシーンもあり、響のリアルな高校生の表現もうまく散りばめられたと思う。
響が、ロリータ衣装を少しは、衣装を楽しんでる表情が2秒くらい欲しかったかな。(もう一度観たら、見つけられるかな。)
リカも、原作より表情豊かで、言葉にしない心の声の演技も本当に素晴らしかった!
小栗旬は、作品の錨のような重要な存在感。柳楽優弥も、鋭い視線が作品の中の流れ星のよう。
響の周りの大人の心情の変化、リョータローの響への想いなんかも、もう少し丁寧さがあってもなぁと思うが、作品の時間の事を考えると、満足度は高い。
エンドロール「角を曲がる」は必聴。平手さんが歌ってると言うより、響が歌っていると思った方が、すとんと心に入る。劇中、ズケズケ言いたい事を言っているようで、響本人の心の声が聞けない分、この曲で響の心の葛藤が表現され、この歌までが「映画 響」なんだと思う。
観客は、若い方が多くなるとは思うが、角が丸くなってしまった大人が観ても、出演者の中の誰かに自分を投影できるエンターテイメント映画だと思う。
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