「リア充が楽しむ映画」未来のミライ ふっきーさんの映画レビュー(感想・評価)
リア充が楽しむ映画
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この映画、主人公が過去に何回か行き、素敵なご先祖様に会い、自分のルーツを知り、成長するって話だと思うんだけど、世の中、こんな素敵な過去を持ってる人間だけではない、と思った。両親から愛されなかった、とか。自分は避妊に失敗したから生まれただけ、とか。自分の親や祖父母に、犯罪者が混じっている、とか。振り返りたくない過去を持ってる人間も、この世には少数でも、いるはずだ。そういう人間からすると、くんちゃんは、素敵な過去、ルーツがあって、すごいね。うらやましいね。という感じである。この映画を面白いと感じるのは、自分の過去を振り返っても、明るい気持ちになれる、幸せな人間、リア充だけだと思った。また、この映画には、過去から未来に、自分のルーツをつなげて行こう、みたいな描写があったと思うが、LGBTの人がこの映画を観たら、どう思うだろうな、と思った。別に自分のルーツ、血縁をつなげる、子供を残す事だけがこの世にある幸せではあるまい。他の生き方だってあって良いはずだ。もし、くんんちゃんが、自分の血縁を残す、子供を作る、以外の人生を選んだら、例えば仕事が楽しいので、子供を作り育てる時間がもったいない、とか。そうなったら、この映画に登場する両親は、くんちゃんに、自身のルーツはつなげなければいけない。子供は作らなきゃいけない。と言って、無理矢理、そういう人生を強要するのだろうか。世の中、もっと多様な生き方とかがあっても良いのではないか。何だか、ものすごい古い倫理観、家族観、で作られた映画だなって思った。
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