「作家性」未来のミライ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
作家性
もっとシンプルでも良いのではないかと思う。
なんとなーくメッセージは分かる。
紡がれていく命だとか、育児だとか…それらが全て連続していく時間の中の断片ではあるのだけれど、当事者たちには「全て」なわけで、少なくとも過去ではなく、今なのは間違いない。
俯瞰なんかでは見れないし、一時的なものと平静も決めこめない。頭では分かっていても。
とまあ、そんな事を感じながら、それでもタイムトラベルって切り口はどおなんだ?と。
色々と小難しいあるようなないような理論をふりかざさねばならないわけで…こんな世界観を引っ張りだしてきた事に驚いた。
とってもとっても良く分からない。
片付けた覚えもない雛人形が綺麗に整頓され片付けられてたら、それはもはやホラーだよ。
あった事もない爺さんの写真を見て、思い出を語り出したらホラーだよ。
やりたい放題のくせに、妙なルールなんかも感じ…そんなだから「まぁ、アニメだしな」的は諦めと「作家性」などという至極無意味な単語にぶち当たる。
とまあ、そんな事を思いつつも、大人目線の子供と子供目線の子供の違いなんてものには感心したり…酷く厄介な子供に病名なんてものを付けて区分けしたのも「大人」なわけで。
隣の誰かと比べて形に嵌めるのも「大人」なわけで。
子供にしてみりゃ、なるほどいい迷惑だなとも反省したりもした。
彼らには彼らの世界があるのだ。
野放しにするのは良くないが、まずは「親」っていう概念は捨てた方がいいように思ったし、実際問題、自分が親である事の定義は子供が与えてくれているのだ。
一緒に成長していけば良い。
そんな事を帰省の荷物を積み込んでいる夫婦の会話に垣間見たりもしたかな。
と。
そうは言っても、この作品の「子供」も子供を観察してる「大人」なわけなので…多数の共感はあったとしても、子供が見てる世界とは程遠いのだろうなと思えてしまう。
そんなこんなで多くのしこりと、「??」が大部分を占めた作品だった。
もうこの1作だけで脱皮してくんないかなぁ。