「くんちゃんの成長日記。」未来のミライ 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
くんちゃんの成長日記。
主人公 お兄ちゃんになったくんちゃんが妹の未来ちゃんが生まれたのをきっかけに、不思議な経験をし大人になっていく話しである。
まずは周りの色々な不評を自分自身にて確認・検証。
・くんちゃんの声が合わない
4歳児の声では無いのは確かだが、私は15分で慣れた。
「サザエさん」のタラちゃんあたり声質だと逆につまらないと思う。
・くんちゃんがワガママ過ぎる
このくらいなら4歳児は当たり前だと思う。
幼児ならではの嫉妬やこだわり等によって正直に発言や行動をしているだけであって、これを度が過ぎると言うなら(高校生以上の人間なら)ば一度親に聞いてみるといい。
自分が4歳くらいの事を。
自分が覚えていないだけであって、凄いエピソードを聞けるかもよ?。
また、将来的に自分の子が「こんなに手のかかる子供にはならない。ワガママにならない。」と思っているならば将来を軽く見すぎていると思う。そういう人は大人になって下手したら幼児虐待までいきそうな予感がします。
モンスターペアレントもしそう。
・くんちゃんが体験する不思議な世界がわかりづらい
私的には全然分かった。分かりやすかった。
家にある樫の木がキーワードになり、不思議な世界に連れて行ってくれる。昔からの家には側に大きな庭木があり、大家族の家の人間を世代を通して見守っている。
核家族が多い&ましてや庭が少ない世の中には分かりづらいだろう。多分あの木はおじいちゃんが植木として持って来たのだろう。
あえてそんな木を不思議な世界への窓口にしてファンタジー表現している監督の手腕は面白い。
(冒頭、山下達郎の歌の際、くんちゃんの家上空を二度写すシーンもこの事か!と理解出来る。)
事前にくんちゃんにも行動がある。行き先にも意味がある。行き先の相手のセリフにも意味がある。
(例:自転車乗れない→父が教えてくれず嫌になる。→後々誰だか分かる青年が居る世界へ飛ぶ→バイクに抱っこ乗せしてもらう。→自転車に乗るコツ、遠くを観る事、速さに慣れる事を教えてもらう。→怖さ克服くんちゃん自転車乗れる様になる。)
だから意味もきちんと隠されている。
・タイトル意味不明
タイトルの裏に隠しタイトルや続きそうな文章がある様なタイトル。そんな映画タイトルは他数知れず。
この映画だったら私は「未来のミライ(それはくんちゃんの物語でもある。)」かな。くんちゃんが良くならなければ、未来ちゃんのミライにも影響が全然無いと言えない訳であり、実際あの兄弟の未来の姿をも描かれている訳であり。(なんだかんだでも妹想いのお兄さん)
全体的に私は観て正解だった。
私は細田監督作品にアクションやバトルを求めていない。作品とすれば「サマーウォーズ」や「バケモノの子」よりかは「おおかみこども」の方が好きであるからでもある。
ファンタジーでありながら、大人じみていて考えさせてくれる作品の方が好きだ。
行動、表現、家族の内面なんかはしっかりされていると思う。内面に秘めている描写を理解出来なく低評価にされているのが無念である。
映像的にも東京駅なんか細田監督らしいし。
(孤独を表現していると思われる列車のデザインは怖かったが。)
なんだかんだワガママ言っても最終的には未来ちゃんにも親にも良いお兄ちゃんになっているのだから。
成長なんてそんなもん。
「未来のミライ」は「おおかみこども」寄りの作品。
くんちゃんの血筋・ペット含む家族をファンタジーを通じて成長して行く物語。
低評価の未結婚の若い方々は結婚し、子供を持ち、少し養育してからこの作品を再鑑賞してもらいたい。
「言いたかったのはこの事だったんだなぁ」と思うかも。
中学生以下にはまだ理解は厳しいかもね。
(家族連れで鑑賞し、親が理解し子供が理解出来なかったのなら、子に対し説明する優しさが出来る作品です。)
keiko様再コメントありがとうございました。わかりづらい人の理由もしょうがない。私は観た後パンフレット買ってみました。細田監督はこの事を予測していたかの様にパンフレットの中にミライ〜ストーリーブック2018〜なるものを挟んでおります。是非これだけでも観る機会があれば幸いです。
酷評、なぜ?と全く理解ができなかったのですが 巫女雷男さまのレビューをみて、そうだったのか、、と思い、すっきりしました。わたしも不思議な世界、すごく理解できました。
はじめまして!コメント、とても共感できました。改めて観て、くんちゃんのわがままさが可愛くて、少しずつたくさんの大人たちの後ろ姿をみて 成長していくくんちゃん。黄色のズボンがいい!も 叩くつもりは本当は無かったのに、自分のイライラをどうしようもなくなり大好きなおもちゃを振り上げちゃったくんちゃんも。
まだまだ4歳児は子供だし、妹ができても子供だからたくさん抱きしめてあげなくちゃと思いました。いい映画でした。
見られましたか~。
子供が居る居ない、子育ての経験アリナシで評価が分かれる作品なんだろうと思いました。
自分も子供が出来れば、作品を再発見出来るかもしれません(笑)