「親のありがたみ」未来のミライ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
親のありがたみ
「ひとりっ子」が「お兄ちゃん」になる話。
『おおかみこども~』『バケモノの子』から「家族ってなるものでなく、徐々に育っていく」ってテーマは底通してて。
これまでの作品同様に、細田守監督のフィルムから思わされたのが、「お母さんごめんなさい」だなぁ。
幼いときから迷惑をかけて生きてきたくせに、一人前の口をきき、長じて自らの至らなさと親のありがたさを思い返させてくれる感覚。
キャラが泣く作画など、子どもの感情変化がうまく表現されているわ、SF的タイムトリップの描き方が綺麗だわ。
作画も演出も表現的には難しく先鋭的で、アニメだから出来た作品という点も、自分的にはツボ。
かなりチャレンジングな意欲作に感じたんで、私は非常に楽しく思えたんだけど…
世間的な評価~特に興行成績はかなり難しいかもな、と。
本来的には全方位年齢・性別へ何かしら刺さるはずの題材ではあるが。 広すぎて引っかかりにくいというか。
表面的なパーツだけを拾ってしまうと、この話に共感できるのって、お母さん、おばあちゃんだと思う。
あと、育児に参加してるお父さん。
「こうやってこどもは育つんだ」と、体験からでも感情でも理屈でも理解してる方ね。
自分の赤ちゃん~幼児時代のことを棚に上げて、いま「泣いてる子供ってうるさい、うざい」としか思わない層には響かないはず。そういう不寛容な人のほうが、今の世の中には多いからなぁ。
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