「オムニバスのような作りだが、新鮮味にかけ厳しい」未来のミライ 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)
オムニバスのような作りだが、新鮮味にかけ厳しい
タイトルから、「時をかける少女」のようなタイムリープによるドラマが展開されるのかな・・?ワンパターンな気もするけれど、面白いのならばそれもまた良し・・という気持ちで見てきました。
結論から言うと、未来とか過去とかのギミックは、両親を始めとする家族累代と「くんちゃん」を引き合わせるための都合の良い"からくり"に過ぎず、タイトルにあるミライちゃん自身もこれと言って重要な役割でもないので拍子抜けしました。
作風としてはファミリー万歳的な、「サマーウォーズ」以来続いている細田監督作の枠組を踏襲してはいるのですが、過去作ではストーリーの起伏を作り、起承転結の構成を成して、どうにか「映画」としての体裁を保っていたのに比べて、今作では遂にその辺を放り出して、見せたいシーンありきで作ってきたな・・という印象。
何の脈絡も因果もなく、「くんちゃん」が過去や未来の親族との邂逅を繰り返すだけ。短いショートストーリーを繋ぎ合わせたような作りですし、テーマもありきたりのため、映画としての満足感は薄い。とは言え細田監督ですし、映像的には面白いカットもあるので、どうにか最後まで(寝ずに)見られた・・という感じです。
本当ならもっと低評価でもいいくらいですが、劇場内のお子さんや一部お母様がたには割と受けていたので、「子持ちあるある」ネタを楽しむ、くらいのスタンスなら、ちょうど良いのかもしれないと思い直しての☆3です。
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