「キラキラして、切なくて、染みる感じ。」志乃ちゃんは自分の名前が言えない マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
キラキラして、切なくて、染みる感じ。
前から気になっていた作品で、公開があらかた終わってから、観なかった後悔と猛烈に観賞意欲が沸いて、ポスターの画像を観る度に“映画館で観たかったなぁ…”と思いが募り、他府県に遠出して観ようかと思っていた矢先に下北沢のトリウッドで上映される事を知り、観賞しました。
鑑賞前の期待値をかなり上げてましたので、少し肩透かしはありますが、それでも切なくてなんかキラキラして羨ましく思える。
それぞれの苦手な事にコンプレックスを抱くのは思春期の女の子なら当たり前で、志乃が心の底から泣くシーンはまさかの鼻水を出しての号泣。それが2回もあって、思春期の女の子にここまでやらすか!?のまさかの泣きの表現にビックリ。
志乃の吃音も加代の音痴も途中からまさかの合流の菊地の空気の読め無さからくる孤立もそれぞれが抱えているコンプレックスに悩んで葛藤しているけど、志乃がそれと真正面から向き合えなくて固く殻にこもってしまう。
しのかよの解散も個人的には志乃の頑固で多大なワガママが原因に映ります。
だから、余計に加代が男前に映って、加代が可哀想。
ただ、10代の頃の感情の爆発とコントロールが出来ない葛藤って、誰もが経験していると思うし、いろんな事が重なりあって、1つの理由では説明がつかない事の方が多々ある訳で、その気持ちは十二分に分かるんですよね。
勇気を出して取り組もうとしても、解決できないコンプレックスに自分でもどうしょうも出来なくて、落ち込んで、自ら孤立していく気持ちが切なくて、そんな青春の理不尽があるから、はつらつとした場面が対比してキラキラに見える。
この映画の陰日向がいとおしく感じます。
ちょっとした台詞の言い回しも好きだし、加代に“なんか面白い事を書いて”と言われて、まさかのお○ん○んと書く志乃の下ネタにもビックリw
でもクスッとしてしまう。
ただ、ラストは現実的にこういうもんだよなぁと思いながらも、個人的には志乃と加代の仲直りの場面を期待してたので、ちょっと残念。
それでも沼津の海辺の綺麗な風景や90年代の音楽シーンも良くて、加代と志乃の自転車を漕ぐシーンはやっぱり良いんですよね。
あと、ブルーハーツは偉大だなぁw
観たかった作品が観れたのと久しぶりに良い青春映画が観れて満足です。
CBさん
コメントありがとうございます。
この作品は鑑賞から時間が経っても凄く心に残ってる作品かと言うのが今更ながらに思います。
この間もいろんな作品を観てきましたが、やっぱり映画は観終わった後に幸せな余韻に浸りたいので、青臭い言い方ですが、登場人物も幸せであって欲しいと思います。
コメントを頂けて嬉しいです。
またお時間がありましたら、遊びに来て下さいね♪
なるほど。弱い自分から一歩進むための決意の涙か。なるほど(繰り返し)。それ、素晴らしいレビューですね。
それでも俺は今後もマツマルさんと同じような期待を持って、映画を観続けるだろうな。
bloodtrailさん
コメントありがとうございます。
成る程成る程。
自分はどうしてもハッピーエンドで幸せな方が良いなぁと思い、仲直りの方を期待しました。
様々な解釈や伏線があっても、それぞれのコンプレックスと向き合い、一歩踏み出せても、あのキラキラした共有の時だけで終わりなのが、切ないし、もっと彼女達には幸せな時間を過ごして欲しいと言う願望ですw
でも、いろんな事を解釈して思うのが映画の醍醐味ですよね。
ありがとうございます。
マツマルさんへ
あのラストはですね、仲直りしないから良い、と言うより、仲直りしちゃダメなんです。しのかよは、お互いの欠けたところを補う関係でしたが、それは同時に、お互いが逃げ込む場所を提供し合うと言う関係でもありました。
かよが歌った「魔法」など現実には起きない。だから一人で歩いて行くと言う、切ない別れの決意が、あの体育館の鼻水絶叫のシーンだと理解しています。
少女たちが自分の足で歩き始める自立の物語っす、これ。が、私の解釈でした。