「姉は多くは語らない」ファントム・スレッド カメさんの映画レビュー(感想・評価)
姉は多くは語らない
個人評価:4.2
双方の特性を理解した上で、多くは語らず中立でいる姉の存在が、物語をよりシックにしている。
独占欲と狂気を帯びたアルマの愛を、歪に受け止めるレイノルズ。身体のライン以外は全てにおいてダメ出ししかないアルマを何故身を呈して受け止めるのか。それはアルマへの贖罪と、向けられた愛の刃を飲み込める程の自身の気持ちを確認できたからなのか。ラストの食卓のシーン。言葉は無く2人の視線だけで、初めて本当の意味で愛を確かめ合ったのだろう。
まるでカズオ・イシグロが原作かのような、こんなにも気品漂いエレガントでシックな恋愛映画を見た事は無い。
コメントする