ザ・スクエア 思いやりの聖域のレビュー・感想・評価
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スクエアをつくった事がこの世にスクエアが欠けてる事を象徴してる
問題提起をして終わっても良かったかと思う。
主人公の考えが改まって更正?みたいな行動は付け足さず、あなたならどうしますか?で終わるのもありかと。
猿のアートのシーンで終わりとか。
ま、映画だから完結しないといけないのはわかるけれど。
あの場面、俺ならどうする?って何回も自分に問いかけた。ここで決めなきゃ事は進むし、待ってくれないし。
猿の後からが長かったよ。
考えて行動する事に関しては人それぞれだろうから
あえて行動を起こす前のマイナスの時点で終わってほしかった。
結果バッドエンドには変わりないんだけどね。
他には細かなとこにもスクエアが散りばめられて演出がみてて楽しかった。
最後らへんの物乞いのシーンは自動ドアが2つある間の仕切られた四角い空間。
あのホームレスに荷物番をお願いしたあたりは、娘に携帯をスクエアの中に置かせたのとリンクしたし、聖域としての形をつくり始めていたようにも見える。
もう一つ。
チアダンスの白線。
チアダンスでうまくいかなかったシーンを使ってるのは、スクエアでも、世の中という空間で、思いやりの聖域が形になっていない、聖域として成り立っていないところが、リンクさせている気がしてならなかった。
考えすぎかもしれないけど、考えすぎるくらいの価値と演出の面白さがあった。
この映画で皮肉に描かれた問題は当たり前にみんなが知っていることだけど、その当たり前は当たり前であるだけの、考えるだけの価値があると思う。
あと、セックスのくだり長くない?
あれなに?
かなり辛辣
作品『ザ・スクエア』の”信頼と思いやり(〜略)”
これを心に留めながら観ると、様々なシーン(つまりは我々の日常)において、信頼も思いやりも欠けている事が見て取れます。
それぞれの事情があり、何が正しいとも言い切れない。
その時の状況や、立場によっても変わってくる。
正直、観ていて”どうしろっていうんだ?”というような、悲観的な気分になってきます。
どういう反応があるのかは、観る人次第。
体験型の現代アートに近い印象です。
エンターテイメントとして観に行くと、これはちょっとしんどいですね。
決して好みの作品ではないですが、効果は十分。
そして猿パフォーマンスのシーンは、いろんな意味ですごかった。
これだけでも、観た甲斐がありました。
後日また観たくなるような、緊張感のあるシーンでした。
そういう意味で高めの評価です。
美術館の内ネタはまずまず面白かったです。
ユーモア部分がもっと理解できたら良かったのかな?とも思いました。
観ていてムカつく映画…多分監督の術中にはまりました。
非現実が現実になって気がついたら手がつけられない惨事になっていた
元気な時に見たらより楽しめたかも。
通勤途中に財布と携帯をスられた主人公のキュレーターのクリスティアンが、あれよあれよと楽しくない出来事に巻き込まれていく、多分ブラックコメディ。
現代アートを愛でる感性はあまり磨けていないですが、概念が強くて、思考しないと味わえないヤツってイメージです。
クリスティアンが展開しようとしているのは地面を四角く区切ったスペースで、その中では誰もが平等であるという縛りがある「スクエア」の展示です。
おそらく誰かと誰かが「スクエア」内に共存することでアートが生まれる的なヤツでしょう。
なんやら高尚というか、よーわからんやつです。
そんなんのキュレーターが、出来事に翻弄されることで、高尚さとは縁遠い姿を見せていくんです。
まぁ、大人気なくて、情けなくて、自己中で、ゲスな一面が、これでもか!と露呈するんですよ。
多分世に提供しようとしている高尚さと、暴かれる器の小ささの対比を皮肉ってるんです。
そこまではなんとなーくわけるんです。
でも、この映画を見た頃の自分の状態があまり良くなくてね、すご〜く考えながらみるのに疲れたんです。
もっと良い状態で見たかったなーと思う次第。
美術館のレセプションパーティーに登場したゴリラかサルを演じた演者の暴走シーンが長くて、かなりこちらもHPを削られました。
あのパフォーマンスは一体どう解釈すれば良いの?
地獄なんやけど?と思いました。
不快アトラクション
ただタイトルだけで、前知識なしで観に行ったので余計に仰天した。
人は、何かをしてあげたら何か返ってくるとどこかで見返りを求めている、それを認めたくないと思っていても。
その当たり前のように人間の奥底に根付いている深層心理がここで引っぺがされ、その状態で罵声を浴びせられ、触れられたくないところをまさぐられ、毛を1本1本抜かれていくような嫌な嫌な状況に追い詰めてくる。
観るものがどこまで受け入れられるか、耐えられるのかのサディスティックで不愉快な実験をされている、まさに体感型のアトラクション。
むしろ訓練?
劇中、不幸にもたった1人の男性、クリスティアンが受け止めることとなってしまったのは、なにがアートで、なにがヒステリーで、なにが思いやりで、なにが非人道的で、どこまでが言論の自由というもので守られて、どこまで寛容すべきなのか、すべてにおいて確実な答えなんかない、だから皆がこうしてあーだこーだ言って面倒なことになっていく現代社会の縮図。
たたみかけるような不愉快な出来事の襲来に、こちらはひたすら耐え、我々の先頭に立つクリスティアンの選択を見守る。
そして、自分だったらこうするけどな…と異を唱えてみたりする。
これはそういう訓練?だとしたら効果的だとおもいます。
観客10人弱のうち、少なくとも2人が途中退場…。
サラッと流れたけど、唯一クリスティアンの思い通りに動いてくれたのは、物乞いの男性。道行く、一見普通の人々は、誰もクリスティアンを助けてくれなかった。
社会の底辺で生き、無視される毎日を送るホームレスは、小銭を乞うていてもクリスティアンの荷物を盗むなんてことはせず、きちんと言われたとおりに待った(はず)。
普通に普通の生活を営み、親切だとか寛容だとかを声高に叫ぶ人間よりも、何も主張せずただただ必死で生きている人間が、本当の意味で普通であるという、ものすごく控えめなメッセージに見えた。
加えて、大炎上した展覧会のプロモーションビデオのおかげで、異教徒同士がタッグを組んで美術館に対し抗議…ここは誰の思惑の通りでもない、意外すぎる展開。
結局共通の敵がいる者同士なら同盟を組めてしまうということですね。
しばらく混乱して疲れたら、つべこべ主張ばっかりしてないで、目の前の人が困ってたら助けるとか、自分なりの良いやり方でやってくしかない、と腹をくくる事となりました。
ちょいちょい、「スクエア」が象徴的に現れる。
この映画の象徴を視覚的に紛れさせてて、面白い。
好きな人はどうぞ好きとおっしゃってください。自分は極めて不愉快ですが。
タイトルなし(ネタバレ)
「フレンチアルプスで〜」のオストルント監督作品第二弾。
スウェーデンにある前衛美術館が舞台。
大事な所で鳴る携帯だったり、響き続けるヘルプの声…。不快のオンパレードが続いたかと思いきや、貧困問題や群衆心理を風刺したハッとさせられるメタファーなメッセージが出てきたりもする。見て見ぬ振りをする『傍観者効果』をテーマにしたエピソードが次から次へと起こって実に痛い所を突いてくるのだ。
こういった構成も意味があるようで、よく練り上げられた脚本だからこそ伝わってくる。脚色だけでなく監督始め関係者が実体験したエピソードも色々、脚本に盛り込んで製作した作品だとのこと。
何だかすごい151分でした。
(´-`).。oO
映画冒頭で、主人公であるクリスティアンが街中で騒動に巻き込まれる。最初は傍観していたのだが、勇気を出して助けることにした。その結果、気付くと財布と携帯をすられてしまう。人助けをした仕打ちがこれじゃあんまりで、他人と関わるのが辛くなってしまうなぁ…なんて思ってたら、そしたら後のシーンで、「新しい美術館の企画なんだ」と、入り口が『人を信じる』『信じない』の2ヶ所に分かれた企画展のシーンが出てくるではないか!ウィット過ぎて思わず笑ってしまいました。
何か目の前で事件が起こった時に保守的になるのは防衛本能だから当然だと思う。「関わりたくない」「恥ずかしい」「怖い」といった感情は実に人間らしい。でも、その感情に勇気を出して勝ち越えられるのもまた人間の良いところ。『正義』なんて恥ずかしくて使いたくないけど、私は元々、正義なんてのは備わってるものじゃなくて、何かの目的が発生して初めて沸き上がってくるものなんだと思う。理想どおりに生きるよりも、人に寛容な生き方の方が難しい。だからこそ、それを意識するきっかけが必要なわけで、それをこの作品は教えてくれている。
正直、151分集中するのは辛い作品ですが、観終わった後の安堵感やシナリオの秀逸さ、そしてメッセージ性の深さは、是非、体験して欲しいです。シネフィルなら絶対、共有したい感情です(笑)。。
槓子!!
因果応報
自業自得
身から出た錆
上記の諺はスェーデンでもあるのだろうか?
前回パルムドール受賞作なので、勿論審査員が違うから単純に比較はできないが、どうしても『万引き家族』と比べてしまうのだが…。
実際、今作は極めて観方が難しい、観る人に読解力を要求される作品であると思えた。なにせ、ラストシーンの娘の表情一つとっても、これが一体どんな気持を思い描いているのか、観客一人一人の想像力の相違の隔たりが大きいと感じる。呆れているのか、憐憫の気持が顔にでているのか、観客の思考や感情を複雑にさせる、一言で、『優しくない』作りなのである。
欧米映画にある、日常のコミカルでユーモアさの隠れ蓑にした、シニカルと皮肉、そして人生の辛さを表現してると、言ってしまえばあるパターン内の一つなのだけど、その主軸に引っ付いている細かい小話も又かなり考えさせられるので、それが関連性があるのかないのかなんて細微なことまで思考を張り巡らせてしまうのが疲労感も強い。
現代社会の経済格差とそこに求められる本来備えている『親切心』の確認、そして誰もが持つ崇高な『プライド』。そのプライドは、決して犯すことをしてはならない、例え立場や年齢が違っていてもだ、というメッセージなのであろう。只、編集の毒気が強烈すぎて
戸惑う事もしばしばであるのが最大の特徴なのかもしれない。ゴリラやチンパンジーの暗喩的メッセージ、バイラル効果を狙った、今流行りのバズ広告企画がそれを物語っている。監督は余程の天才なのかもしれないが、果たして今作品、ついて行ける観客はどれだけいるのだろうか、もしかしたら自分だけついて行けていないんじゃないかと、恐く情けなくなる、と別の感情も沸々と湧き出るカオスに堕とし込まれる異質作であった。
社会を見る眼
人間はズルくて、自己中心的で、不完全な生き物です。どんな人でも、そういう部分を持つのが人間です。そんな人間が安定した社会を作るには、「平等」という概念が必要なんですね。それが例え建前であっても宗教的であっても。
リューベン・オストルド監督にかかれば、成功者だろうが、インテリだろうが、リベラルだろうが、人間に完璧なんていないのが分かります。完璧な人間がいないなら、完璧な家族や完璧な社会もない。男女の平等率や再分配率が高いと言われる民主主義国家の北欧ですら、差別や偏見は大いにあるのでしょう。ただ、この作品の監督の視点や批判めいた描写から、公平な社会を目指す努力をまだまだしていきたいというポジティブなメッセージを感じます。
比較的公平と言われる北欧だからこそ、こんなユーモアに富んでいて、毒のある意地悪な作品が評価されるのだと思いますし、パルムドールを受賞できるのですね。映画監督が映し出す視点が辛辣であればあるほど、ある意味成熟した社会と言えるのではないでしょうか。
今年のパルムドールは是枝監督が受賞しましたが、果たして日本社会は成熟しているのかどうか、日本政府や日本国民の反応に興味が尽きません。
「全ての人に平等な権利と義務が与えられる」ことを理想に掲げた場所「スクエア」は、小さな小さな四角形です。逆にこんな小さな四角の中でしか、理想郷は作れないのかもしれません。でも、いつの日か大きな「スクエア」になり広がることになるのだと信じたいですね(建前ではありません)。
それぞれのトラブルは苦笑い。
考えさせられる
爆笑ではなくクスリと笑えるシーンが散りばめられているが、鑑賞後は思いやりとは何ぞやと考えさせられる。
記者会見のシーンは正義のもと思いやりを失って拳を振り回すマスコミの怖さを見せられた感じがして思わず主人公に同情してしまった。
わけわからん映画だった
いやあ、わけわからん映画だった。これだけわけわからん映画見せられたけれど、最後はハッピーエンドなんかい、と思った矢先にそれもやはり現実路線で裏切られる、という二段落としみたいなことまでくらって、心底疲れました。
現代美術や広告業界の「コンセプト」とか「モチーフ」とかいった抽象的横文字大好きな点をおちょくった映画で、もっと大声で笑うべき映画なのかなと思ったりもしたが、こりゃパンフ読まなきゃわからないなと買いました。ギブアップです。
「スクエア」という4m四方の場所に入ったら博愛主義になろう」という企画を考えた館長自身が、自分の財布をすられた件でスラムの少年に依怙地になり、博愛とは正反対の行動をとり続け、結果として自身も破滅する、という話だったそうです。ああ、そうですか。
カンヌパルムドゥール受賞作だが、自分には難しかったよ。
監督からの問題提起
現代アートって意味不明〜。。と思っても、それが言えない事ってありません?アートを理解できる自分でいたい、の自尊心かな。でも現代アートに、「これなんだろう」って純粋に興味をそそられたり、刺激を受ける事も確か。
実際に飯を食える芸術家は、ほんの一握りだと言う事、売れる為の手段や、「それダメでしょ」って事に声を上げる事、好きな物を好きと言える事、自分に過ちがあれば、認めて謝る事、名声を持つ人間との恋愛や結婚、などなど、この監督さんが問題提起している事って、とてもリアルだけどなんとなくタブーだったり。
ゴミを漁ってメモを見つけるシーン、記者会見、彼の良心が見れて良かったです。
そして、打ち上げ的なパーティのシーン、年配のおばさまもみんな踊ってて、スウェーデンって、こんな感じなのかな、素敵。
興味深い映画でした
感想 メモ
ザ・スクエア 感想
(データ保存、メモの為のレビュー。文章にまとまりはありません。)
クリスティアン、こいつなんっっっも思いやれてねぇ。笑
何1つ。いや1つぐらい?
思いやり、思いやりに欠ける行動、プライド、それらにまつわる行為、結果、ないがしろ…ほぼ全ての「思いやり」要素がこれでもかと詰め込まれた作品だった。
美術館の階段前に佇むクリスティアン、その背中を写すショット。アンに声かけられてやたらと驚くシーン。
それと子供の居るマンションの螺旋階段のシーン。
とか、映像的な面白さもわりとあって流石だと思った。まだよく理解はしてないけど。
でも螺旋階段のは、酔うって!笑
プロゴリラーやり過ぎ!誰か止めろよ!
でも。初めはショーとして見世物として楽しまれた物が、度を越して、一線を越え、文字通り暴力的になり最終的に視聴者からフルボッコ(これも文字通り)にされるとか、どっちも怖い。だし、本当に怖いのはどちらか?
アンがコンドームもらおうとする意味はよくわからなかったけど、渡す渡さないの引っ張り合いは笑えた。
美術館に入りかけた観光客を止め、城はあっちだって言うシーンが何か気になった。
空からの引きの美術館のシーンは綺麗だった。夜の。
痛いところをグサグサと突かれてる気分
ザ・スクエア、鑑賞いたしました。
「人の振り見て、我が振りなおせてる?」
上映中、ずっと脳裏をよぎっていました。
痛いところをグサグサと突かれ、自分自身の日頃の行いを省みなさいと問われているようで、なかなかにパンチの効いた映画で
した。
大枠ではもちろんですが、シーンごとの細かな工夫も見事で(赤ちゃんの泣き声に対する反応、障害者への配慮、相手が話しているときに笑う奴ら、記者陣も!)、
細かく「あなたは周りのことを思いやっていますか?思いやれてますか?」と問うてきます。
(終盤、「もうやめてー!」と思ってました...笑)
スマホの画面(スクエア)では、声を荒げるのに、現実では見て見ぬふりで何も行動に移さ(せ)ない人間よ、少しでも良いからたまには周りに目を向け、他人を思いやってみるのはどう?それも悪くないよ、といった気持ちにさせてくれた映画です。
ぜひご鑑賞ください!
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