「現代社会への痛烈な皮肉」ザ・スクエア 思いやりの聖域 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
現代社会への痛烈な皮肉
前編にわたって、現代社会に対する痛烈な皮肉に満ちたブラックコメディ。現代アートの美術館を巡る物語だが、そこだけにとどまらず、インターネットの発展によって、社会の全てがメディア化した現代社会の闇を見事に浮かび上がらせている。
本作に登場する広告代理店の炎上商法は、今日では毎日のようにネット上で繰り広げられているものだ。そして主人公のような、高い理想を掲げてことを言う一方で、全く正反対のことを現実では行動している人もたくさんいる。
この映画で描かれていることは、全てムチャクチャだと感じるが、たしかに我々の生きる社会は今、こうなってしまっている。そのことの説得力がものすごい。
もとは監督が手がけたアートプロジェクトが発端だそうだが、小さな街で行ったので、映画のような結果にはならず、とても意義深いものになったそうだ。社会は構成員が増えれば増えるほど、コントロールが難しくなるとのだなということも考えさせられた。
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