ゲティ家の身代金のレビュー・感想・評価
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金の多さと人間性は比例しない
面白かった〜 次の展開が見えず、ワクワクドキドキしながら観た作品だった イタリアのローマで、世界一の富豪 ゲティ家の孫ポールが誘拐されてしまう 母は、息子を取り戻すために義父に身代金の支払いをお願いするが、あっさりと断られてしまう… しかし、犯人グループから身代金の要求は続き… イタリアは、コロッセオのような建造物や、ミケランジェロのような芸術家を生んだ優雅さの裏で、パパラッチやマフィアを生み出す下劣さを併せ持つ二面性のある国である この映画は、そんなイタリアを舞台に 世界中の金を握ると言われる富豪ゲティと、なんとか彼から金を引き出したい貧困層の人々が、孫を間に駆け引きをするサスペンスである ところが、観客を含めた多くの人々にとって、ゲティは全く予測できない行動をする 大富豪の思いがけない行動にあっけにとられ、口をあんぐりと開けてしまうことが度々あった この映画は、その「ゲティの予測できなさ」が非常に面白いのだ そんなゲティの行動は、ポール曰く「他の星からやってきた人間」であって、庶民が理解できると思ったら大間違いなのだ なぜなら、彼はそうやって人がしないような行動をして、富を築き上げた人間だからだ 世界でも1%の富豪に属するゲティが、99%の庶民と同じ価値観で行動するはずもなく 私たちが、彼の行動が理解できないように、彼も、私たちの行動を理解できないのだ そこに気付いたポールの母ゲイルは、ゲティの心を動かす大一番を打つ これは、実際にあった話をベースにして、映画化されたもので イタリアという国の二面性と、この誘拐事件の富裕層と貧困層の対立軸が、見事にマッチした作品だった 富豪のゲティよりも、誘拐犯の方に人情や温かみを感じるところに、なんとも言えない皮肉を感じた
to me, money is not happiness at all
日本でも大きく報じられた有名な誘拐事件をもとにつくられた映画で、監督は「エイリアン」「ブレードランナー」などを手がけたリドリー・スコット監督。御年80歳なのね…!
グロいのが苦手な私は正直目を覆いたくなる(というか覆った)残酷なシーンの尺が気持ち長め。ただ、悲惨な事件でありながらも、人間の愚かさ、不完全さに思わずくすっとしてしまうシーンも多数あった。
1973年に誘拐されたジョン・ポール・ゲティ三世の息子で、俳優のバルサザール・ゲティは「to me, money is not happiness at all(自分にとって、金は幸せをもたらさない)」と言い放った。
「愛はお金では買えない」「お金は手段であり目的ではない」とはよく言ったものだが
愛とは?お金とは?家族とは?人生の目的とは?
と、ひたすら問いかけられ考えにふける二時間だった。
しかし、観た後に気になって実際の事件の流れや三世のその後を調べたけど、事実の方がより残酷…。
((( ;゚Д゚)))
アカデミー助演男優賞ノミネートも納得
試写会に当選し、よみうりホールにて鑑賞。リドリー・スコット監督が実際に起こった誘拐事件を元に映画に。 なんと言ってもケヴィン・スペイシー降板に伴いこの話の肝である「ジャン・ポール・ゲティ」を急遽演じることになったクリストファー・プラマーの名演が光ります。今となってはこの役は彼以外絶対に考えられないとすら思います。彼が出てるシーンは本当にどこも良かったですね。ミシェル・ウィリアムズ、マーク・ウォルバーグももちろん良いです。 特にマーク・ウォルバーグ演じるチェイスが冒頭で交渉ごとの極意として「金は彼らにとって"何か"だ。その"何か"を理解せずに交渉は出来ない」と言った台詞を言いますが、それがこの作品のテーマの一つなのではないかと思います。 大富豪にとって、子を誘拐された母にとって、我々にとって金は何なんのか。 あと「え?ここ笑っていいとこ??」と思うところがいくつかあってそこは笑えますww
これが真実だというのだから驚き!
『オデッセイ』のリドリースコット。 『グレイテストショーマン 』のウィリアムズ。 『カールじいさんの、空飛ぶ家』のクリストファープラマー。 『トランスフォーマー』のマークウォールバーグ。 映画通には知る人ぞ知る、錚々たる映画監督の方々! そんな凄腕の監督がお届けするのは、スキャンダラスな誘拐ミステリー。 SF映画、ヒューマン映画が中心の彼らが、まさかのサスペンスを手がけるとは驚きです! この映画は、実話を元にしている誘拐事件。 1971年のとある繁華街で、一人の少年が拉致られてしまいます。 18歳の少年ポールを誘拐するは、共産主義の過激派組織。 彼らは、金を存分に蓄えたゲティ家の資産を奪おうと壮大な犯罪計画を企てるのです! その身代金の総額はは、な、なんと! 1.4兆円という壮大な金額。 ポールの母親は、なんとしても息子を助けようと、ゲティおじいさんに助けを求めます…。 しかし、このおじいさんがとんでもない曲者! 自分の稼いだお金はびた一文他人なんかに払いたくないと、孫の誘拐に関わらず、援助金を突っぱねてしまうのです。 唯一、金を出す所は、税金対策のための骨董品収集代という…。 お金だけが友達という、孤独な老人の姿が腹立たしくもあり、哀れでもあります。 母親の必死の助けにも頑なに金を払わず、豪邸に引きこもる姿はまさに金の亡者。 こんな爺さん、金はあっで誰も同情したいと思わないのではないでしょうか。 ポールの残虐な虐待シーンは、思わず目を覆いたくなるような殺伐としたものばかり。 脱走しては捕まり、脱党しては捕まり、どこまでも追いかけてくる犯人の魔の手から必死に逃げる様子に、心臓のバクバクが止まりませんでした。 ようやく母の手に抱かれた瞬間は、「安堵」という二文字しか浮かびません…! これが本当に実話だとしたら、まさに20世紀最大の誘拐事件だと思います。 正直、よくもまあ助かったものだと、感心させられました。 今回は、大好きなクリストファープラマー氏が、大悪党を演出していたことにショックでした! しかし、迫真の演技に最後の最後まで目は釘付けでした。 最後まで孤独に骨董品を愛しながら一人死んでいった老人にとって、愛する人は誰もいなかったのでしょうか…。 孤独に一人命を絶った姿に、切なさと虚しさで胸がいっぱいになりました。 今回は、初めて旦那様と一緒に試写会に参加しました。 この作品は、記念すべき作品として、印象残るものとなりそうです(o^^o)
母は強し!
試写会に行ってきました。 母親の底知れぬ深い強さと愛情には脱帽です。 ・・・とある焼死体を直視し「これは息子じゃないわ」って安堵の表情を浮かべる姿 凄かったし泣きそうになりました😭 世界一の大富豪 ゲティ氏の 人でなし でなければ財産は築けない! 守銭奴だけど孫への愛もある😩 お金持ち故の悲しい見解なのかもしれません。 本当に大切な家族の絆や信頼はお金では買えない! 色々勉強になる作品でした。 #金儲けはバカでもできるが、本当の金持にはなれない! #すごい考え方
世界一の富豪にして世界一のケチ!!
なるほど、”人でなし”でなければ財産は築けない!! 孫の誘拐事件で身代金を払わない以上に、値切ろうとするところがリアル守銭奴の面目躍如のところ。 これが喜劇なら相当ブラックだが、史実なのが本当の恐ろしさ。 更に貧乏人では思いつかないある理由で、少し位なら払ってもよいと考えるところが、”人でなし” の面目躍如のところ!! 繰り返すが、ブラック喜劇ではなく史実なのだ。 結局、仲間・家族を大事にしているのは犯罪者側という皮肉。 それゆえ資産家の祖父は、家族に見守られるのではなく骨董品・美術品に見守られて最後は… 被害者側の母親と加害者側の実行犯が、それぞれのボスがガンコで板挟みに苦しむ。敵対した立場なのに、互いに「ウチのボスのガンコさには手を焼いてる」と電話で共感した様子。シンパシーを感じていて面白い。これは重要な伏線で、後で人質の運命に関わってくる。 「金儲けはバカでもできるが、本当の金持ちにはなれない」 これが祖父の資産に対する哲学だ。彼は本当は守銭奴でも、孫への愛がないわけでもない。人と金の見方が決定的に違うのだ。 ”人でなし”でなければ財産は築けない。と書いたが、本当は金の見方が違うのである。逆に言えば、僕らは金に対しての見方・考え方を変えなければ彼のような資産家には一生なれない。それが良いのかは、各々が考えるところだろう。お金に少しでも興味のある人は、”金の哲学”を学ぶためにも必見の映画だと思う。
母の底知れぬ強さと愛情を感じる。
試写会に行ってきました。 面白かったです。 息子を救う為、闘う母は強かった。そして、世界一の大富豪はとても孤独で不幸な老人に見えました。 あるシーンでの母親の「生きている」というセリフに母の底知れぬ強さと愛情を感じ泣きそうになりました。 実話を元にフィクションに仕上げているようですが…凄い話です。 映画評論家の町山智浩さんのトークショー付きで映画の裏側の話がとても面白かった。 公開1ヶ月前に、大富豪ゲティ役を演じたケビン・スペイシーの不祥事降板のせいで撮り直しに10億円かかったそう。現在も行方不明のケビンに「もし会ったらブン殴りたい」と発言していたそうです。 それにしても、とても1ヶ月で撮り直したとは思えない作品です。 YouTubeで原題検索するとケビン・スペイシー版のトレーラーが観れます。比べてみるのも面白いですよ。 私はクリストファー・プラマー演じるゲティの方が好きです。
お金で買えるものは?
犯罪は嫌いですがクライム・ムービーは面白くて好きです。今回は「お金で何か買えるのか?」について考えさせられました。「儲けること」と「リッチになること」は違う、というゲッティの言葉が特に印象的でした。とても意味深い作品です!
濃密な極上サスペンス
終止不穏な空気が流れているが、見ているうちにその雰囲気がとても好きになり、居心地が良いとさえ思ってしまう。常に観客の一歩先を行く展開がとにかく面白い! 誘拐事件について、義理の父が身代金を払わないおまけ付きで淡々と描くのではなくしっかり面白く作っている点がリドリースコットの安定感を示している。 主人公で、誘拐犯と義理の父の二人に立ち向かうこととなった女性を演じたミシェルウィリアムズ。彼女は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』に出演していたが、その時の演技がとにかく印象的だった。この作品でもやはり素晴らしい。強さの中にある弱さや人間性が垣間見えるのがよかった。マークウォールバーグの安定感はもはやいつも通りすぎて映画を見ている!という感覚になる笑 そして、特筆すべきはクリストファープラマーが演じたゲティ家の大富豪。セクハラでケビンスペイシーが降板したが、むしろこちらのバージョンの方がいいのでは?とはえ思えてくる役。ラストでより一層彼の演技の上手さが分かる。 あと、全く注目してなかったがチンクアンタ役を演じたロマンデュリスが好きになった。見てもらえれば分かる良さ。
孫の命も投資の対象
1973年のローマの夜を再現した冒頭のモノクロ映像に私は感銘を受けた。観光客で賑わうトレビの泉や車でいっぱいの繁華街を映したわずか30~40秒足らずのシーンはきらびやかでゴージャス。そのロマンティックなローマの夜を映したフィルムの色は銀色。人も車も遺跡も空気さえも凛として美しく映し出す魔法の色。昔の人が映画のことを銀幕と形容した由来(銀色の映写幕=スクリーン)とは違い、本編の映像は本当に銀色に輝いている。監督の意図は解らないが粋な演出に敬意を表します。その冒頭シーンは銀色から徐々にセピア色へ、そしてフルカラーへと変調しながら身代金誘拐事件へのカウントダウンが始まる。黒澤明監督の代表作『天国と地獄』に代表される身代金誘拐事件を題材とした映画は世界中で制作されて来た。しかし本作ほど喜劇じみた作品はないだろう。それも実話だからなおさらである。石油王で大富豪のゲティは身の回りに起こった現象全てを投資の対象とする。自分を決して裏切らない美術品だけが唯一の家族である。可愛い孫が誘拐され身代金を要求されても投資の対象物とみなす。息子の母親はそんな大富豪の義理父から身代金を出させようと知恵を絞る。その駆け引きにフォーカスした本作は喜劇作品である。決して刑事捜査の類やサスペンスの類ではない。エイリアンシリーズを完結させたリドリー・スコット監督の真骨頂をお見逃しなく。※母親が暮らす自宅の部屋にクリント・イーストウッドのポスターが貼ってあります。たぶんマカロニ・ウエスタン時代のポスターです。母親はイーストウッドのファンだったんですね。
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