ラブレスのレビュー・感想・評価
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辛い救われない けど傑作
辛い、暗い、救いようがない
母親の性格は祖母のDNAと環境
①祖母宅に息子を探しにいく車中、夫のロック音楽が許せない妻。
妻の車中での喫煙が許せない夫。
②死体安置所で息子と思われる遺体
を見る夫婦。
でも、離婚して数年経ったと思わせるポスターの剥がれたテープ
離婚後の母の顔。
救われないが、流石 アンドレイ・ズビヤギンツエフ監督。
無関心という残酷さ
この映画をどう表現するか、と考えるとき、掲題のような言葉が一番しっくりくるだろうと思う。
映画に出てくる登場人物は皆、特別加虐的なことをするわけではない。一見ごく普通に見える。しかし、失踪した子供の両親を見てみても、自分たちの幸せを求めて悲観にくれるが肝心の子供に対する責任などこれっぽっちも考えてない。
衝撃的な展開が序盤にある。ある朝子供が小学校に向かい、夜両親は互いの浮気相手?の家に転がり込んで自分の世界にこもりっきりになる。それがたしか二日続く。
どういうことかわかるだろうか?この間、父親も母親も家にいるであろう子供のことをこれっぽっちも考えていないのだ。カメラも双方の浮気先での生活や自己憐憫を映すだけで、その間子供が家や小学校で何をしているかを全く映さない。
映されないことが逆に恐いのだ。その間子供がどうなっているかが全く分からない。
警察も他の事案で手一杯とかでなんなら民間のボランティアの捜索隊に電話をという始末で、いったいロシアの社会ってどうなっているんだと日本に住む自分なんかは驚きやら恐ろしいやらである。
さらに胸糞の悪いことに、捜索している間も夫婦は互いを攻撃するばかりで、結局自分のことしか考えていないことを見せつけられる。
まだある。学校の先生も、警察が失踪した子供の友達に教室で話を聞いた後、なんら不安や心配をするそぶりもなく、同僚と一緒に普通に帰宅するのだ。なんら捜索隊に協力を申し出るようなそぶりもなく、まるで関心がないかのようだ。
この他、捜索が行き詰まってチラシを街中に貼るシーンでは、バス停の待合ボックスの「外側」に貼るという始末。当然、中で休んでいる人は透明な仕切りの向こうにチラシを見つけるが、何が書いてあるのかわからず、そのうち興味を失ってただバスをじっと待つだけになるという、悪意のない無関心が社会に蔓延しているという制作者の怒りが見垣間見えるようなシーンもあった。
この映画はそういった直接的な表現の他にも暗喩があちこちにちりばめられている。捜索している森の中に突如として現れる巨大なアンテナ施設も使われずにそのままさび付いた廃墟であり、母親はずっとスマートフォンをいじっている。
最終的に子供は生死以前に発見されないまま映画は終わるが、母親が浮気相手との生活の中、ベランダのランニングマシーンでジョギングする姿が正面からクローズアップされる。来ているジャージの胸元には英語で「RUSSIA」と書かれている。そして室内のテレビではウクライナなどの近隣諸国との紛争で死傷者が絶えないという報道がされている。
寂れて使われなくなった建物、RUSSIAのジャージでランニングマシーン、無関心な母親のスマートフォン、ひっくるめて云えば、物質的に近現代へと変化していても、倫理道徳的にロシア社会は全く進歩していないじゃないか!という監督たちの叫び声にしか思えなかった。
さらに、私たち外国の人間はテレビの報道などでしか知ることが出来ないが、戦争など大変な状況と叫ばれるその裏で、平和に見える街でも無関心という静かな殺人や崩壊が進んでいるということを伝えようとしているのかもしれない。
個人的に、この映画は、よそ事として評論なんてしてはいけない映画に思える。自分のこととして見なければ、この映画の命は理解できないと思う。
胸糞の悪い人間ばかりを見せられたが、見ておいてよかったと思える1本だった。
暗くて重い
暗い、とにかく暗くて寒い映画です。映像的にも内容的にも。
登場人物の誰にも感情移入できなかった。
両親共に子どものことほったらかして恋人に夢中だし、産まなきゃ良かったとかそういう台詞にも嫌悪感が(そりゃ思うことはあっても口に出しちゃダメでしょ)。。。性描写も生々し過ぎ。あんな臨月の妊婦ととか気持ち悪い。こちらも嫌悪感が凄かった。
ラストも結局息子は見つからないまま。
ボランティアの人たちは結局いい人集団なの?裏はないの?淡々と探すだけのシーンあんなに必要?結構眠くなりました。寝なかったけど。
ロシア語も離婚したらクビとかもなんか現実と思えなかった。
やっぱりハリウッドのわかりやすい映画の方が好きです。
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