アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダルのレビュー・感想・評価
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That wasn't my fault. スゴい人生。
いやー、強烈な作品でした。トーニャ・ハーディングの事は全く知らなかったのですが、当時は日本でもニュースになるぐらいの大事件だったんですね。全く知らなかったので何が起こるのかわからなくって、ドキドキしながら観てました。どうなるかわからないストーリーもさることながらトーニャのスケートの演技のシーンも秀逸ですね。引き込まれました。あれどうやって撮影してんでしょうね?
本作マーゴット・ロビーがスゴい演技をしているという評価を読んで観に行った訳なのですが、マーゴット・ロビーだけじゃなく全員凄かったです!皆さん完コピ!!特にアリソン・ジャニー演じた毒親ラヴォナのインパクトといったら。きっちり最後までロクでもないのは逆にアッパレですね!もってけ、アカデミー賞っ!て感じです。
セバスチャン・スタンも今まで「できる男」なイメージがあったので、今作のチョビヒゲダメ男がセバスチャン・スタンだってことスタッフ・ロール観るまで気が付きませんでした。あ、幼少期のトーニャを演じたマッケナ・グレースちゃんは相変わらず可愛がったですね。
これが実話をベースにしてあるって所がスゴいです。ホントにトーニャの周り頭おかしい人ばかり。ボディガード?のショーンとか本気でヤバいですしね。夫ジェフは何故ショーンと付き合ってたんだろう?もっと友達選べよ!まぁ、ジェフもDV野郎なんでロクでもない奴には変わりないんですけど。毒親といい俗にいうホワイト・トラッシュな人達ってホントにあんな人ばかりなのでしょうか?アメリカは怖い国やわ~。
トーニャ自身も全てを他人のせいにしてたりとか、すぐに楯突いたりとか、かなり問題ある性格なのですが、フィギュアスケートで頂点に立つ為にそれ相応の努力はしていたはず。本人が頑張っても上手くはいかないもんですね。う~ん、確かに多くの人がいうように環境と教育って大事ですね!何はともあれ重いストーリーでも第4の壁を越えたりとコメディっぽい演出で見易くなってる上手い作りの作品でした。面白かった~。
しょぼかった
メダリストもそのチンピラと変わらないみたいな描かれ方でしょぼかった。世界で一人しかできないトリプルアクセルも、私100万円もってるけどくらいの表現でなんとも残念だった。孤高の存在であっただろうからもっと光り輝く部分もそれなりに表現してほしかった。そして、もっととんでもないキチガイの悪人みたいな感じかと思っていたら、チンピラレベルの性格に難あり程度だった。今年の上半期一番の期待作だったので、期待しすぎたのかもしれない。
中毒性の高い上物のブラック・コメディ
映画の構造としては、こちらも実際の事件を扱い、ニコール・キッドマンが悪女の役を演じた「誘う女」のフォーマットを思い出す。ドキュメンタリー風のインタビューシーンを挟みながら、事件に行きつくまでの真相に迫っていく。そしてこちらの「アイ,トーニャ」はさらに中毒性を高めて、まるでドラッグのように頭にガツンガツンと響いてくるような仕上がり具合。ジャンルでいうなら「伝記映画」よりも「ブラック・コメディ」が圧倒的に近い。
ナンシー・ケリガン襲撃事件の真相と、トーニャ・ハーディングがそれにどのくらい関わっていたのか、の真実は実際のところ当人たちにしかわからないし、この映画がどのくらい正しいのかというのだって実際には分からない。あくまでもブラック・コメディとして私はこの映画の中毒性にしっかりハマってしまったし、この映画もその辺は重々承知で、トーニャに同情的な部分もありつつも、トーニャのことを厳しく突き放したようなところもあって、中立とまでは思わないにしても、うまくバランスはとれていたのでは?という風に思う。それ以上に、まだ存命中の人が過去に起こした実際の事件をこうして大々的に映画にしてしまうというのも相変わらずすごい国だなぁと思う。寝た子を起こすようなものだもの。
ブラックコメディとしての中毒性の高い演出・脚本もさることながら、この映画はマーゴット・ロビーはじめ、オスカー受賞のアリソン・ジャニー含めた演者たちの怪演がまた見応えがあった。熱演とか名演とかではなくて全員が「怪演」しているのがポイント。ポッと出の美人女優扱いで終わる可能性だってあったマーゴット・ロビーが、自身も製作に名を連ねるだけあって鬼気迫る怪演を見せる。女優としての腹が決まったというか肝が据わったのがビシビシ伝わってくるようなパフォーマンスに感服。それに加えて名バイプレイヤーのアリソン・ジャニーがベテランの貫禄と技で場面をかき乱していく。ジャニーが一たびセリフを放つともうなんだか黙って聞くしかないという気分にさせられる。登場していないシーンでもなんとなくジャニー演じるラヴォナの顔がチラついてくるような圧倒的な存在感。役者たちの怪演がまた映画の中毒性を更に高めていたなぁと思う。
こういう映画を見ると、本当に人間にとって「環境」って大事って思う。それは家庭環境だけじゃなくって(寧ろ思春期を過ぎてからは家庭で出来ることは知れているし、家の外の環境の方が影響力が大きい)、付き合う男とか、友人関係なんかが違えば、こうはならなかったのかな?と思ったり。でも家の外で築く環境って、結局は自分で選ぶものだからやっぱり自己責任なんだけどね。
トーニャは、この事件を起こさなくても、別の事件を起こしていただろう
トーニャ・ハーディングによるナンシー・ケリガンの襲撃と言う衝撃的な事件の映画化。主演で、プロデューサーも兼ねたマーゴット・ロビーは猛練習を行い、トーニャ・ハーディングのスケートシーンも演じています。
“関係者へのインタビュー映像”を模した再現映像を挟みながら、ナンシー・ケリガン襲撃事件について迫っていきます。見ていて思ったのが、「アメリカの社会って、昔から分断されていたんだな」と言う事。この映画を見るまで知らなかったのですが、トーニャ・ハーディングって、労働者階級の出身なんですね。子供にスケートを習わせるのにお金がかかるのは、古今東西変わらないと思うのですが、ああ言う生活でスケートを続けるのは、中々大変だったのではないでしょうか?だからと言って、事件が許されるわけでは無いんですが。
本当にあんな“自分は諜報機関の工作員だ”と主張する人がいて、それを何とも思わずにいる人たちがいると言う事に驚きです。エンドロールで、実際の画像が流れていましたが、本当に映画の中で主張している様な荒唐無稽な主張をしていましたからね。ビックリです。
それと思ったのは、個人攻撃のつもりは無いんですが、起きている事は全て他責のトーニャ・ハーディング(の再現)を見ていて、もし仮に、こういう事件を起こしていなかったとしても、いつの日かの将来に、何らかの問題や事件を起こしていただろうなぁと言う事。まぁ、成功した起業家やトップのアスリートは、常人には理解できない何かがあるとは思いますが、なんかマイナスな方の“何か”でしたけどね。ナンシー・ケリガンには気の毒ですが、起きるべくして起きた出来事でしたね。
1994年のナンシー・ケリガン襲撃事件で有名なトーニャ・ハーディン...
1994年のナンシー・ケリガン襲撃事件で有名なトーニャ・ハーディングの半生を描いた実録ドラマ風コメディ。ドラマの合間にトーニャ、元夫のジェフ、トーニャの母ラヴォナ他当事者に対するフェイク・インタビューを挟むという構成ですが、トーニャが否定している行動も描いているし、登場人物がカメラに向かってボケるし、シカゴ、スーパートランプ他70's〜80's前半のヒット曲で彩られたサントラも時代背景に全くシンクロしておらず、まるでトーニャに対して観客が漠然と持っている邪なイメージを全部白紙にするかのごとくデタラメ。それが功を奏してトーニャのトリプルアクセルを物凄い至近距離でカメラが捉えた瞬間に観客は完全にトーニャに感情移入してしまいます。DV夫ジェフ、幼少期からトーニャを徹底的にしごく母ラヴォナ他自分勝手な人間達に翻弄されたあげくにトーニャが辿り着く顛末とその後のトーニャが描かれるクライマックスは、エミネムの『8 Mile』やミッキー・ロークの『レスラー』に通じるドン底に堕ちた人間がぶち撒けるヤケクソに満ちていて感動しました。
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