「どうしたらあの頃の彼女を救えたか。」アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
どうしたらあの頃の彼女を救えたか。
2000年位からのゆるいフィギュアファンです。
トーニャハーディングはもちろん知ってます。
ナンシーケリガン襲撃事件も知ってました。
リアルタイムではあんまり覚えてないんですけども、
トーニャがオリンピックで泣きながら途中で演技をやめて、
もう一度演技させてもらったシーンは子どもながらに記憶しています。
あの後ルールが変わって、順番後回しにするとかは認められなくなってると思います。
減点付だけど5分くらいの中断が認められるんだったような。
さて映画の話ですが、面白かったです。
マーゴットロビーがスタントなしで演じているように見えるフィギュアの演技パートがすごいなーと思いました。
トリプルアクセルとかどやって撮ったんだ?と興味しんしんになります。
後、衣装、メイクとかの再現ね、懐かしかった。
2回目のオリンピックでのどぎついチークが練りチークだったんだー!ってことに、へえーってなりました。
ナンシーケリガン襲撃事件へと繋がるトーニャの半生を、関係者のインタビューを元に再現する方式です。
よって描かれる事柄はトーニャの主観的な物語であり、元夫や、母の主観も混じります。元夫の友達?のショーンとか。
だから語り手は自分の都合の悪いことは語らないのです。そこがミソです。
その点を踏まえてみても、トーニャはありがちですけど悲しい生い立ちを背負っています。
どえらいポイズンマザーに、逃げたファーザー。
ポイズンマザーのポイズンがきつすぎてまともなお友達もいない。
寄ってきたのは似た者同士な夫。
殴っては愛を囁く典型的なdvヤローから離れたくても他にいなくて…
八方塞りです。
もちろんトーニャの素行もよくないけれどもね。
幼少期の境遇を少しマシにできたら、彼女はフィギュアスケートを奪われなくて済んだのでは?
その答えを探しながら見ましたが、わたしにはわからない。
たぶんちゃんとトーニャが自分を好きでいられたら、と思うけどあの境遇では難しかったと思う。
スケート協会の偏見も強いしね。
今でも差別的なジャッジは多少あるしね。
大好きなフィギュアスケートが、誰かを傷つけるのは見たくないわーとかも思いました。
映画には関係ないですが、
トーニャは今、たぶん幸せです。
母と離れ、自分を見つめ、愛する人を得て子供も設けた。
今でも嫌われてることを受け入れて生きてる。
ナンシーには申し訳ないけど、私は遠くでトーニャに頑張れって思ってる。