スパイダーマン スパイダーバースのレビュー・感想・評価
全46件中、1~20件目を表示
もう一歩先のセンス、が欲しい
字幕で1回目を観て、吹き替えで2回目を観た。最初の字幕の時もフツーに面白かったんだけど、吹き替えの方がノレたね。
もちろん、内容がわかってるっていう部分は加味しないといけないが。
アニメ的なテクニックの部分は詳しくないから、カッコ良かった、とだけ言っておく。
吹き替えの方が映画自体にノレた理由は、多分スピード感の問題だと思うね。
全体的にアップテンポだし、スパイダーマンという作品世界が持っている「ノリの軽さ」を味わうには、英語を聞きながら、字幕を追いながら、さらに映像を楽しむという三段階の鑑賞では間が追いつかない。
気楽な鑑賞姿勢がコメディを楽しむ下準備として最適だし、映像が感覚に直結する快感がアクションの醍醐味なんだな、としみじみ感じた。
ストーリー的にちょっと面白いな、と思ったのはマイルスがヒーローになる物語と、ピーター・B・パーカーが再び立ち上がる物語が平行して描かれたいるところ。
どう贔屓目に考えても腹の出た中年スパイダーマンの方が自分には近い存在だし、若い頃希望に満ちていると思っていた将来は、現実としては決して甘くない試練の連続。
ヒーローであっても逃れられないものという世知辛さが、アーティスティックなアニメの世界で絶妙な隠し味だ。
マーベルの中でも「スパイダーマン」はかなり好きなヒーローだけど、今作ちょっと物足りないのは上手くまとまりすぎてやや小粒感があるせいだと思う。
冒頭でのモノローグ風ナレーションがエンディングにも挿入される「出発点と帰結点が同じ」という構造が、この世界観の広がりを自ら閉じてしまったような印象なのだ。
キャンディの包みみたいな形を想像してもらえるとわかりやすいかな?両サイドがキュッっと絞られてるような、あんな感じだ。
クールなアニメ作品だった事に文句のつけようはないけど、奇抜で興味深い世界をを自ら閉じてしまう物語の作りに、ワクワク感を削がれてしまったのは私だけだろうか。
ひとりじゃないっていい。各マルチバースのスパイダーマンたちは孤独を...
ひとりじゃないっていい。各マルチバースのスパイダーマンたちは孤独を感じていたということか。敵ボスはキングピン。キングピンが妻と息子を他のマルチバースから呼び入れるため、世界の崩壊の危険性を無視して行動する。でも実は他のマルチバースから来た人は時間が経つと細胞が崩壊する。キングピンはそれ知らないんだろうね。2度までも妻と子をなくすところだった。スパイダーマンたちも戻らなければ死んでしまう。マイルスの成長とピーターBの心を取り戻すための2日間だった。
繰り返されるリブートを逆手にとってオリジナリティを確立した
2018年時点でこれがアニメの最前線だったのだろう。
なぜ過去形かというと本作の続編「アクロス・ザ・スパイダーバース」が完成したからだ。
ただ、続編は未見なので、今回は「スパイダーバース」の話をする。
テーマは「誰でもスパイダーマン=ヒーローになれる」という明確なもの。このメッセージは興味深い。ヒーローとは人気者のことだろうか。それとも、誰にも知られずに世界を救う人でもいいのだろうか。本作の中では定義はされない。ただ、昨今の世の中を見ていると、ヒーローは善意の人であり、人気者でもあるのだと思う。
主人公のマイルス・モラレスは大好きな叔父と一緒に路地の奥の壁にスプレーで絵を描いたりしていた。そんな彼が人気者になるのだから、「KAWS」のようなストリート・アーティストの姿が重なる。音楽もヒップホップだし、全体的にストリート・カルチャーを意識した作りになっている。アメリカでは十代の少年たちはみんなストリート・カルチャーを通過するのだろうか。
個人的には、先述の「KAWS」や「バンクシー」「インベーダー」など、ストリート出身のアーティストが増えていることから推測するに、本作はモダンアートを意識しているのではないかと思う。
最近の映画はマルチバースだらけだ。スパイダーマンも並行世界でいろいろな物語がある。もう飽和状態だったのだと思う。実写版のスパイダーマンも何度もリブートされているし、ほとんどやることがない。ただし、だからこそ、スパイダーマンをゼロから考え直したのではないだろうか。
もともとはアメコミで、そのあたりに住んでいる少年がスーパーパワーを手にいれる。それをもう一度かっこよく表現してみたらどうなるだろう、というのが本作なのだと思う。
制作陣は根本的な、大切なことを見つけるための考察を深める中で、人は誰でもヒーローになれる、というメッセージを見つけたのではないか。そして、ヒーローになるのは、他のスパイダーマンの真似をするのではなく、自分だけのスパイダーマンになることだし、町の人気者になるのもいいが、やはり家族が一番大切だ、というごくごく当たり前のところに立ち返った。
最前線のアニメーション表現をするとき、ストーリーはシンプルでよいのかもしれない。もしくは、シンプルなストーリーのほうが多くの人に響くのだろうか。
とにかく、本作はアニメーションの現在というものを見せてくれる素晴らしい作品だった。
よかった
2回目の視聴!1回目はどれで見たか忘れた、、
•主人公が少しずつ成長していくのがよかった!
•白黒のスパイダーマンが好きかな。
•叔父さんを失うのはやっぱり哀しい定めがあるのか、、
原点回帰
元がアメコミだからアニメ化はいわば原点回帰の趣き、キャラ設定も実にユニーク、新ヒーローは黒人の中学生、パラレルワールドはSF映画ではもはや当たり前になった感、5人ものスパイダーマンもどきが登場、年齢、性別、人種、さらにロボットや豚さんまでとまさに多様性のオンパレード。
原作者は全身タイツにしたのは人種性別を含め特定されないシンボライズをイメージしたといっているから多様性もいわば必然の流れ、悩み多き青春を描くのは原作由来のモチーフだからたっぷりウジウジさせてくれます。
宿敵は暗黒街の顔役キングピン、配下にドクター・オクトパス、スコーピオン、プラウラーなどを従えます。
発想も映像もぶっ飛んでいて文句なしではあるものの、主人公を新米に設定したのでヤキモキ感が拭えません、実写版も恋人すら守れずにウジウジするのには閉口しました。もっともバッドマンや007でも悩めるヒーロー像がはやりのようで爽快感が今一、困ったトレンドです・・。
革新的アニメーション
超絶素晴らしい作品だった
大量消費されるスパイダーマンを逆手に取ったような作品
いろんなテイストのスパイダーマンが登場する
青年スパイダーマン(中村悠一)
中年スパイダーマン(宮野真守)
スパイダーグウェン(悠木碧)
スパイダーノワール(大塚明夫)
ロボスパイダー(高橋李依)
ヒョウタンツギスパイダー(吉野裕行)
マイルズ・モラレス(小野賢章)
声優が豪華すぎるので日本語版がおすすめ
ほかのスパイダーマンが、ピーター・パーカーの捩りでネーミングされている中
マイルズ・モラレスって誰やねんお前という感想が浮かぶ。
そもそもマイルズ・モラレス漫画版はピーター・パーカー死亡という展開からの活躍で、
しかもマイノリティを扱ったキャラクターということで好き嫌いが分かれていた
しかし本作ではマルチバースというギミックをつかっており、
作中の中年スパイダーマンたちとのやり取りは
そうした批判を回避しつつ、スーパーヒーローとしての覚醒を描いていて非常にうまいと感じた
圧倒的なのはそのアニメーション
手書きで仕上げられた画面はどこを切り取っても神がかったクオリティだ
ストーリーも家族とのやり取り、学校から始まり
非日常のワクワクから、おなじみの蜘蛛に噛まれるシーン
そこからの能力覚醒で困るお約束
使命感からの失敗、そして仲間たちとの出会い
物語の構成がアップダウンを繰り返して盛り上げていく形で
最後まで楽しませてくれる。
笑いの加減も抜群
アニメーションならではの表現でアニメーションらしい展開
最高の作品だった。
(映画好きは)みんな大好きマルチバース
ベースは「ウォレスとグルミット」のようなアメリカンアニメーション。
そこに色んな絵柄のスパイディが出てもう大変面白い。
マイルス版のスパイディの生の活躍は初めて味わったが、
ボルト然り新世代の能力で、透明化・エレクトロ使いという丁度いいスパイスがある。
黒いコスチュームは、彼の人種自体のアティチュード、そして旧三部作へのトリビュート、
非常に完成度が高い作品であった。
MARVELのスパイダーバースだが、マルチバースのスタートには、
やはりスパイディがふさわしい。一番自由度が高い。
だって、彼らはいつの時代も、ティーンエイジャーだから。
スパイダーグウェンがかわいい
気になっていた映画だけど、絵柄があまり好きじゃないなーと思い
今日まで観なかった。
しかし、映像もかなりクオリティが高く想像していたものとはだいぶ違って
すごくよかった。ちょっとアーティスティックなのね。
マイルズのお父さんに感情移入しちゃったな。
父親って子供に期待しちゃって、でも期待が過剰だと気が付いて、
そんなお父さんが好きだな。
物語はマイルズの成長というよりも
ヒーローとしての覚悟が決まるまでの過程が描かれてる感じだったかな。
なんであれスパイダーマンがマーベルヒーローで一番カッコいいと思う。
平行世界のスパイダーマンがちょっと多い気もしたけど、
豚と子供とモノクロは活躍しなかったから無理に出さなくて
いいのかなとは思った。
CG×マンガ×実写のハイブリッド映像
まずはなんといっても映像が斬新で、これまでに見たことがない映像を体験できるだけでこの映画の価値はあると思いました。
実写に近いCGながらもマンガチックな要素は残しつつ、テンポの良いストーリー展開で全く中だるみがありませんでした。
それぞれの次元で描かれるスパイダーマンも個性が際立っていて、マンガ寄りのキャラクターとCG寄りキャラクターの共演はなんか新しい時代を感じさせました。
異種混合の世界って感じで。
物語はTheスパイダーマンのピーターパーカーが死ぬという展開になるわけですが、誰もが良く知るピーターがいない場合の展開も新しくて面白かったです。
とりあえず新しさがハマった作品だなと思ったので評価は4としました。
映像の表現ってこういうのもあるんだなぁ。
とにかく素晴らしかったです。
僕はスパイダーマン、でも1人じゃない、仲間がいる
映画「スパイダーマン スパイダーバース」
(ボブ・ペルシケッティ ピーター・ラムジー ロドニー・ロスマン監督)から。
恥ずかしい話、アニメとは知らずに観てしまった。(笑)
しかし、主人公の少年マイルスがスパイダーマンとして成長していく姿には、
共感する部分が多くあり、またアニメならではの魅力が出ていたと思う。
一番印象出来だったのは、ヒーローならではの「孤独感」。
自分が「スパイダーマン」だったことを誰にも言わず、知られず、
正義感をもって、1人で悪と戦うことの辛さは、なるほどなぁ、と感じた。
それが今回、何者かによって時空が歪めらる事態が発生したことにより、
全く異なる次元で活躍する、さまざまなスパイダーマンたちが集まった。
この場面設定は、とても新鮮だった。
ラスト近く「不可能だと思ってたことが今はできる。
誰でもマスクをかぶれる。君にもかぶれるんだ。
この物語でそれが伝わったらいいな」と言い切った後、
「僕はスパイダーマン。でも1人じゃない、仲間がいる」と主人公。
事件が解決し、それぞれの異なる次元へ帰っていくが、
彼たちの心には、同じ想いが根付いたはずである。
「1人じゃないってわかってよかった」
それが今回の作品のテーマなんだろうな、きっと。
全てのアニメーションを過去にする、狂気に満ちたスパイダーアニメ!🕸️
”親愛なる隣人”スパイダーマンたちが活躍するアメコミヒーロー・アニメ映画『スパイダーバース』シリーズの第1作。
様々な次元〈スパイダーバース〉から集結したスパイダーマンたちが、キングピン率いるヴィランズに立ち向かう…。
女性版スパイダーマン、グウェン・ステイシー/スパイダーグウェンを演じるのは『はじまりのうた』『ピッチ・パーフェクト』シリーズのヘイリー・スタインフェルド。
主人公マイルス・モラレスの叔父、アーロン・デイヴィスを演じるのは『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『グリーンブック』の、オスカー俳優マハーシャラ・アリ。
モノクロの世界からやってきたスパイダーマン、ピーター・パーカー/スパイダーマン・ノワールを演じるのは『ナショナル・トレジャー』シリーズや『キック・アス』の、オスカー俳優ニコラス・ケイジ。
マイルスの世界線で活躍するピーター・パーカー/スパイダーマンを演じるのは『スター・トレック』シリーズや『ワンダーウーマン』のクリス・パイン。
グッズショップの店主、スタンを演じるのは『スパイダーマン』シリーズや「MCU」シリーズの、原作者スタン・リー。なおスタンは本作の製作総指揮も担当している。
謎に包まれたスパイダーマン、ミゲル・オハラ/スパイダーマン2099を演じるのは『ドライヴ』『スター・ウォーズ』シリーズの、名優オスカー・アイザック。
中年スパイダーマン、ピーター・B・パーカーの日本語吹き替えを担当しているのは『バケモノの子』『亜人』の宮野真守。
👑受賞歴👑
第91回 アカデミー賞…長編アニメ映画賞!
第76回 ゴールデングローブ賞…アニメ映画賞!
第46回 アニー賞…脚本賞、長編アニメ映画賞!✨
第44回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…アニメ映画賞!
第24回 放送映画批評家協会賞…最優秀アニメーション作品賞!
第14回 オースティン映画批評家協会賞…アニメ映画賞!
第72回 英国アカデミー賞…アニメ映画賞!
まず断っておきたいのは、私はスパイダーマンの知識がほとんどないスパイダー初心者であるということです。
映画の『スパイダーマン』はサム・ライミ監督作の『1』〜『3』までしか観ていませんし、正直スパイダーマンにほとんど興味ありませんでした。
近くの映画館でリバイバル上映されていたので、なんとなく鑑賞。
元々スーパーヒーローものがちょっと苦手で、本作もあまり期待していなかったのですが、完璧に予想を裏切ってくれました。
結論から言えば、これは最高のアニメーション、いや、最高の映画!!
あまりの衝撃に劇場から立ち去ることが出来ず、チケットをもう一枚購入し速攻で2度目の鑑賞。こんなこと生まれて初めての経験…❤️
本作はまるで遊園地のアトラクション。
映画の始まりから終わりまで、一瞬たりとも退屈させない完璧なエンターテイメント。映画的快楽の極致がここにはある!!
とにかくこの映画のアニメーション技術は常軌を逸している。一体どうやって作ったのか素人では想像もできない、2Dと3Dが混ざり合う混沌の坩堝。
各々全く別のアートデザインによって描かれたスパイダーマンたちが一堂に会した時の異様さは凄まじいのだが、それが決して違和感には繋がっておらず、ある種の調和すら感じさせるのはなぜなのだろう?おそらく、超絶細かい調整によって全体のバランスを維持しているのだろう。
とにかくこの異様さは観てもらわないことには伝わらない。とにかく観るべし観るべし!
アクションの作画/演出も素晴らしく、コミックの紙面に描かれているスパイダーマンの躍動感がそのままアニメーションとして表現されているかのよう。
外連味あるアニメのアクションは日本のお家芸だと思っていましたが、これは完全にその先を行っています。
いやまさか、アニメがここまで進化していたとは…。驚きしかないっす、、。
登場キャラクターの描写も最高。
マイルス、ピーター、グウェンなどのスパイダーメンは皆キャラが立っていて最高!いつまでも彼らの活躍を見ていたい!2時間じゃ全く足りない!!あと10時間くらい見せてくれい!
サブキャラクターで割とお気に入りなのはメイおばさん。サム・ライミ版しか知らないので、まさかメイおばさんがあんなにアクティブな人だとは思いもしませんでした😅話が早くて助かるわ〜。
ビジュアルやキャラクターだけではなく、脚本に関しても見事の一言。
冒頭から終わりまで、少しも捨てるところのない美しいほどに洗練された物語だったと思います。
マイルス・モラレスというひ弱な少年の成長譚。このシンプルすぎるストーリーだからこそ、鋼鉄のような軸が一本、映画の中心にドーンと仁王立ちしている。そんな印象を受けた。
マイルスが本当の意味でスパイダーマンになるシーンの高揚感たるや、映画史上最高ではないかと思えるほど。あまりの熱さになぜか涙が…😭
そしてクライマックスの「肩ポン」にはもう拍手喝采👏完璧です最高です!!!
…まぁ覚醒してからのマイルス、ちょっと強くなりすぎじゃない?とか思ったけど、こういう映画は勢いが何より大事だからね。そこんところは全然OK🙆♀️
シリアスなストーリーではあるのですが、決して深刻な映画ではない。スパイダーマンらしいコメディやメタネタが満載で非常に楽しい♪
コミコンで聞け!とか何処から風吹いてんの?とかね。もう最高!
やっぱりアメコミ映画は楽しくてなんぼだな、とこの映画を観て改めて思いました。
小ネタは大量にあるのですが、決してマニアやオタク向けの作品ではありません。スパイダーマンの知識がほとんど無くても十分に楽しめます。現に自分がそうだし。
「MCU」なんかはもはや一見さんお断りみたいな空気があるけど、これは一切の予習無しで大丈夫。やっぱ映画はこうでなくっちゃね。
過去全てのアニメーションを凌駕した、極上の映画体験を与えてくれる一本!!映画館で観れて本当に良かった✨
今後はこの映画を超えるアニメを作ることこそが、アニメーション制作に関わる全ての人間の目標になることでしょう。
”親愛なる隣人”に最大級の愛を!❤️
※字幕版と吹き替え版、両方で鑑賞。
ちゃんと本職の声優が声を当てており、吹き替えのクオリティは高い。特にエンドクレジットシーンのコントは吹き替え版の方がより面白さに磨きがかかっていたように思う。これは一見の価値あり!
まぁ個人的にはピーター・B・パーカーに宮野真守というのはちょっと違うと思ったのだが、ここは許容範囲かな。
声優は良いのです。問題は映画の余韻をぶち壊す「凛として時雨」の日本限定主題歌。
最近よくある日本限定主題歌って最悪の慣習だと思うのですが…。これマジで誰が得してんの?
"何か"になるには"誰か"なんて関係無い。
"スパイダーマン:スパイダーバース" シリーズ第1作。
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
原作コミックは未読です。
アニメならではの映像表現と、平行世界をテーマにした斬新なビジュアルが目を惹き、めちゃくちゃ楽しかったです。
それぞれのユニバースのスパイダーマンを絵のタッチを変えて表現する手の込みように圧倒され、斬新だと思いました。
手に汗握るアクション・シーンが満載ながら、主人公マイルスの成長ドラマとしての見どころもあり、それがクライマックスまで見事に機能していて大興奮・大満足でした。
本作が強く訴えるメッセージ―誰もがスパイダーマンになれる。つまり、何かになるには誰であろうと関係無い。特別である必要も無い。自分は自分なんだし、こうだと決めた道を胸を張って進んでいけばいい。多様化していく今の世界にいちばん必要なものが籠められているようで、グッと来ました。
※修正(2023/06/14)
新たな高みへ! スパイダーマンズ&ウーマンズ!
スパイダーマン初のアニメ映画化。
でも、最初の印象は決していいもんではなかった。
サム・ライミ版、アメイジング版、MCU版と製作側の事情や都合で何度も仕切り直され、今度はアニメかよ…。
昨年の『ヴェノム』のエンディング後のオマケ映像の際、蛇足感が…。
ところがところが、
スマッシュヒットとなり、何よりアカデミー長編アニメ映画賞を受賞するほど評判上々。
そうなってくると…ハイ、そうですよ、いつもながらのミーハー心。
で、実際に見てみたら、
別次元の斬新さと面白さ!
我らの親愛なる隣人、スパイダーマンが守るNY。
冴えない少年マイルスは、ある日例のクモに噛まれ、スパイダーマンの能力を手に入れる…いや、もう一人の“スパイダーマン”となる!
さらにスパイダーマンとヴィランの闘いの場に居合わせ、スパイダーマン/ピーターの死を目撃してしまう…。
ピーターがクモに噛まれスパイダーマンになって…なんて設定はもう古い、古い。
別の主人公。
2人のスパイダーマン。
スパイダーマン/ピーターの死…。
これだけでも今までとは違うスパイダーマンなのに、本作はまだまだ新たな設定・展開が続く。
突然受け継がれたヒーローの座に戸惑うマイルスの前に現れたのは…
ス、スパイダーマン…!? ピ、ピーター…!?
でも、何だかちょっと違う。髪や目の色も違うし、お腹もちょいぽっこり、やさぐれている。
ピーターはピーターでも、ピーター・B・パーカー。
彼は別次元からやって来た、別次元のスパイダーマン/ピーターだった…!
何故こんなパラレルワールド的な事が…?
先のこの次元でのスパイダーマンとヴィランの闘いの際、ヴィランが発動させた装置によって時空が歪んだ事が原因だった。
ヴィランの野望阻止とピーターBを元の次元に帰す。
異色のスパイダーマン・タッグを組む事になったんだけど、片やヒーロー見習いどころかヒーロー素人の少年、片やいい加減で人生にもヒーローにも疲れた大人。
ヴィランの秘密施設でピンチに次ぐピンチ。
そんな彼らの前に現れたのは…
またスパイダーマン…!? しかも今度は、女の子…!?
彼女は、スパイダー・グウェン。
マイルスの通う学校の同級生と思っていたら、彼女もまた別次元から来た別次元のスパイダーマン…いや、スパイダーウーマンだった。
一つの次元に3人のスパイダーマン!
おっと、驚くのはまだ早い。彼らの他に、すでにもう先客スパイダーマンが居たのだ…!
別次元の過去からやって来た、スパイダーマン・ノワール。
別次元の未来からやって来たペニー・パーカーは、ロボット“SP//dr”とシンクロして戦う。
極め付けは、ギャグアニメの世界からやって来た、豚が擬人化したスパイダーハム。
一つの次元に集った、6人のスパイダーマン!
本作の最大の注目点は、やはりこれ!
原作コミックにもある設定らしいが、斬新で大胆で野心的!
実写版で言ったら、トビー・スパイダーマン、アンドリュー・スパイダーマン、トムホ・スパイダーマンが集うようなもの。
そう考えると、ワクワク!
面白いのは、それぞれのスパイダーマンの描かれ方。
一人一人、性格も性別も個性も違うのは当然として、
マイルスとピーターBとグウェンは普通のCGアニメキャラ。
スパイダーマン・ノワールは、モノクロで劇画タッチ。
ペニーは、日本アニメのようなセル画風タッチ。
スパイダーハムは、マスコットみたいなSDキャラ。
タッチが違うキャラたちが一堂に集って、それでちゃんとバランスや成り立つの?…なんて心配無用。
しっかりと成り立ち、キャラ立ちにも発揮されている。
スパイダーマンたちに負けず劣らず、作品の方も斬新。
とにかくクールでスタイリッシュで、何よりあのスピード感!
よくレビューを書く時に用いる“快テンポ”“疾走感”“ラストまで飽きさせない展開”とは、まさにこの事!
アクションもアニメーションならではの表現とダイナミックさ。
まるで漫画のような擬音や台詞の吹き出し、圧巻の色彩とビジュアルは、アニメーションだからこそ出来るユニークさ。
それらが融合したクライマックス・バトルの興奮は、神がかりレベル!
監督トリオのセンスがスゲェ…!
さらにさらに、随所に散りばめられたたっぷりの遊び心、小ネタ、オマージュ/パロディーの数々。
実写シリーズの名シーンの再現はすぐ分かったが、ディープネタはコミックファンにこそ堪らないだろう。
あのお馴染みのテーマソング、あの名台詞、あの方のカメオ出演も勿論。
個人的にニヤリとさせられたのが、
ロボットに搭乗して戦う日本アニメ風のペニー。これは知る人ぞ知る“東映版スパイダーマン”へのオマージュ…?
以上の斬新さやビジュアルの影に隠されがちだが、本作はストーリーもしっかりしている。それが一番の魅力かも。
スパイダーマンと言えば、少年の成長や青春の物語でもある。
これまでは専ら、MJやグウェンとの青春ラブストーリーが描かれてきたが、本作は家族のドラマ。
冴えない主人公と真面目な警官の父。ちょっとぎこちない関係の父子ドラマにも注目。
ヴィランのキングピンの野望には、ある過去の悲劇が。憎々しさの中に、悲哀も。
キングピンの部下のプラウラー。まさかのその正体は…!?
スパイダーマンとしての能力を受け継いだのに、全然使いこなせないマイルス。
何故、自分が…?
自問自答を繰り返しながら、ヒーローとして、少年から一歩大人へ。これはもう、スパイダーマン必須要素。
影響を与えてくれた人、先輩や導いてくれる者、欠けがえのない存在…。
成長、再起、絆…。
倒れても何度でも立ち上がる。
そして、君はもう一人じゃない。
抜群のエンタメ性とストレートに響くメッセージ性で、当初の関心の低さから一転、本ッ当に面白かった!
実写版計7本と、このアニメ版1本で、スパイダーマンの映画も8本目。
見る順番が逆になってしまったが、本作を『~ファー・フロム・ホーム』の後にみれて良かったと思う。『~ファー・フロム・ホーム』も勿論面白かったが、本作の後に見てたらちょっと物足りなさを感じてしまったと思う。それくらい本作は、全く新しい!
実写版も大好きだが、スパイダーマン映画最高傑作の声も確かに頷ける。
斬新さや魅力や面白さを新たに兼ね備えて、スパイダーマンはまだまだ大スイング!
二度見に行った作品
このスパイダーマンを第一印象で語ると不思議な魅力のある作品と感じました。
とにかくいろんなスパイダーマンが出てきますが、みんなご存知のピーター・パーカーが主役…ではないというそこから新しい感じでした。
とにかくサウンド、映像に引き込まれる作品で主人公マイルスの歌うフレーズもノリノリです。
今回の主人公であるマイルスはまだまだ子供なんですが、彼の成長を見ていくようなストーリーで、最後まで面白いと感じました。
そしてスパイダーマンたちの活躍も必見です。
次回作があったら、また見に行ってしまうんだろうなとそう思える良い作品でした。
これぞアメコミ
スタイリッシュでかっこいいの。笑いを取る軽い台詞のやり取りも滑らなくて笑えて、アメコミってこうだよねって感じ。実写になるとなんで滑んだろ。
各世界のスパイダーマンが自己紹介するお約束もあるんだけどね、これ好きだった。最後に主人公がやってビシッと締まんの。こういうお約束って、決まらないことが多いけど、これは決まってんの。
少年の成長物語と恋愛もきちんと入ってきて、別世界のピーター・パーカーが立ち直る話も入れて、ストーリーもよくできてた。
エンドロール前に流れる映像がまたかっこいいんだよね。アンディ・ウォーホルとロイ・リキテンシュタインを逆輸入した感じで、さすがポップアートの国って感じなの。美術館で観てもいけると思った。
激上がり最高映画
もう凄く面白いだけの映画
やってる事はロッキーだったり
ベストキッドだったりという
シンプルな挫折と成長モノなんだけど
コレが嫌いな映画好きはいないはず!
だとしたら100%面白いし、それを超える何かが
この映画にはある。観てよかった
異次元レベルの映像密度! 自分の技(アート)を見つけ出せ
2019年アカデミー賞で個人的に一番のサプライズ
だったのが、『インクレディブル・ファミリー』
『シュガーラッシュ:オンライン』を抑えて
本作が長編アニメ部門を受賞したことだった。
昨年11月公開『ヴェノム』のエンドロール後に本作
のフッテージが流れたが、実を言うとそれを観て
僕は「期待できないな」と考えていたんである。
以下は当時の自分のレビューから引用――
“僕がアニメに関心が薄いというのもあるのだろう
けど、 本編とテイストが違いすぎるしCGアニメ
のクオリティもイマイチだったので正直ガッカリ
したというのが本音。”
あ、書いてますね。書いちゃってますね、ハイ。
”クオリティがイマイチ、正直ガッカリ”って。
あいた、痛い、ごめんなさい、投石しないで。
言い訳だが、画もノリも『ヴェノム』と違い過ぎたし
妙にフレームレート(言うなれば動画の滑らかさ)
の低い映像が見辛いと感じたり、スパイダーセンス
(スパイディの第六感)を ww線で表現してるのも、
実写スパイディしか知らない向きからすると
なんや格好悪くないかねこれと感じてた訳です。
けどやっぱり、最初から最後まできちんと観ないと
映画って分からないものだと改めて戒めました。
ナメてかかって本当に申し訳ない。本作、
目を回すほど野心的なアイデア満載の快作でした。
...
超人的な力に目覚めたもののそれを使いこなせず、
ヒーローとなる覚悟が定まらない主人公マイルスの
成長譚が物語の軸だが、それだけでなく中年ピーター
を中心とした各キャラの成長も描いた密度の濃さ。
そして思考をブッ飛ばす勢いで炸裂するビジュアル!
開幕から終幕までノンストップの映像体験である。
コミックのように心の声や擬音を文字で表現したり、
画面分割で引き/寄りの画を同居させたりは序の口。
陰影をインク印刷のドットのような柄で表現したり、
実写映画的な密度の画の中に一瞬アメコミ的な極端化
された画(輪郭を強調した画やビビッドな色合いで
ベタ塗りした画)を挟み込んでインパクトを強めたり。
他にもメイキング映像等によると、背景のピンぼけを
色収差(赤/青/緑の光学的な色ズレ)で表現したとか、
映画は通常24コマ/秒で投射される所をわざと12コマ
に落としてパラパラ漫画のような効果を狙っただとか
(冒頭で書いた低フレームレートの理由ですね)、
1シーン1シーンに一体どれだけのアイデアを
ぶちこむのかと目眩を覚えるほどの濃さ。なのに、
そこにそのまま猛速チェイスやカメラワーク自在
の格闘アクションまで大量投入されているのである。
次元を越えたスパイディ達が登場する本作だが、
本作自体が印刷物とアニメと実写という3つの次元を
目まぐるしく行き来している。こんなとんでもない
芸当、およそ3DCGアニメでしか表現不可能だろう。
クライマックスはもう驚異的としか言い様がない!
重力方向無視で展開される5つ巴の連弾アクション!
躍動するスプラッシュアートの如く画面を埋め尽くす極彩!
その5つの次元の間に生じる真空状態の圧倒的映像空間
はまさに色彩的砂嵐の小宇宙とちょっと何言ってるか
よく分からなくなるほどの映像トリップ体験!!
...
5次元から集結したスパイディ達も、個性豊かなだけで
なく、アニメのスタイル自体が異なるという凝りよう。
ハードボイルドな雰囲気のスパイダーマン・ノワールは
往年の犯罪サスペンス映画のような白黒リアル調。
未来世界の女子高生ペニー&スパイダーロボは
ジャパニメーションチックにお目々キラキラ!
親愛なるブタさんことピーター・ポーカーは
カートゥーン調でもはやネタとしか思えないが、
実はカートゥーン世界だけに許された質量保存則
ガン無視の反則技を敵に叩き込む隠れ猛者である。
唯一無二のスパイダーガール・グウェンもクール!
だが彼女も大切な人を失くし、他人に正体を明かせず、
独りで闘い続けなければならない重責に耐えている。
そんな彼女にとって、同じ運命を背負ったマイルズや
他の仲間との出会いはきっと新たな希望だったろう。
自分の痛みを理解してくれる人が傍にいると思える
だけで、痛みに立ち向かう勇気が湧いてくるものだ。
自身の人生にうんざりしていた中年ピーターも、
マイルスの師として彼の成長を目の当たりにする内、
ヒーローとして、そして人間として再起してゆく。
二度と愛する人に会えないかもしれないという境遇に
陥ったことで彼は過去の選択を後悔したのだろうし、
マイルスが最後に見せた、責任から逃げずに
闘い抜く勇気も彼の背中を押したんだと思う。
”大いなる力には大いなる責任が伴う”という言葉は
これまでのスパイダーマン作品で幾度も語られたが、
この作品ではその責任を理解してくれる仲間と出逢い、
また一歩成長する彼らが描かれている。
そして主人公マイルス。
力を手に入れたばかりの彼はまだ十分に力を扱えない。
既にヒーローとしての経験を積んだ先輩スパイディ達と
自分を比較して自信を得られず、戦う決意が固まらない。
だが彼には、透明化や電流を操るなど、
他のスパイディにはないユニークな能力がある。
「輝いてるおまえに期待を寄せすぎてた。
おまえはどんな道を進んでもいいんだ。」
父の言葉でマイルスは、他の先輩の真似は出来ずとも、
自分には自分のアート(技)があると気付いたんだろう。
黒地のスーツに赤い蜘蛛のスプレーアート。
大好きだった叔父が認めてくれた”自分”を胸に闘い
へと向かうクライマックス手前の場面は猛烈に熱い。
誰もが自分にしかない力を持っていて、
誰もが自分にしかない責任を負っている。
避けられない難事を前にして必要なのは、
自分に何が出来るか考える知恵と逃げない勇気。
...
最後に不満点やら気になった点やら。
攻めまくった映像表現+詰め込みまくった内容
ゆえ、と・に・か・く目まぐるしい(特に前半)。
前述の12コマ/秒という凝った表現も、ずっと
観続けてるとけっこう目にしんどいものがある……。
まあこれは不満点というよりは僕の動体視力の限界か。
不満点というより個人差と捉えていただきたい。
(アカデミー賞選考員の方々って平均年齢50代以上と
思うが、よくこんなアグレッシヴなの選んだね……)
あとはマイルス・ピーター・グウェンを除いた他の
スパイディたちの活躍やキャラはもっと観たかったし
(内容詰め込んでるにしては描けてる方とは思うが)、
仇敵プロウラーがどういう経緯でキングピンに与する
ようになったのかももっと描いてほしかったかな。
マイルスの決意にも大きく関わる部分だと思うし。
...
だけど、いやはや、度肝を抜かれる出来でした。
大ヒット&評判を受けて続編製作も決定だそうな。
あの5次元スパイディにさらに新メンバーってこと?
まあね、今回みたいな映像&メンバーと、超タフな
メイおばさんがまた出るんなら、観に行きますとも!
<2019.03.03鑑賞>
期待ほどでは…
ここのレビューを見て、見に言ったのですが、個人手には期待ハズレ。もう少し重厚なストーリー展開を期待していましたが、不完全燃焼。画像も期待してたけど…そんなにいいかな??ドットが多用されてましたが、目が疲れました。
89点
内容は普通やけど
スパイダーマンファンには最高やったかと。
あとスパイダーマン知らん人にもわかりやすく
説明して、オシャレで迫力あって。
こりゃあアカデミー取るわ作品。
ただ3D用なのか、近い距離と遠い距離の描写が2.3重にボケてて目おかしなった!
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