「OK! もう一度だけ説明するね!」スパイダーマン スパイダーバース にょむさんの映画レビュー(感想・評価)
OK! もう一度だけ説明するね!
アメコミの自由度の高さには羨望しかない
今回のスパイダーバースに原作があるのかどうかすら知らないアメコミ無知勢ではあるけれど、スパイダーマン自体に関してはもう何回も同じストーリーラインが映像化されていてこれはもうある意味伝統芸能だとすら思える
それでいて今回の話がぱっと見では公式のパロディのようでありながらそういう事でもない
原作真理教の方々なら気になる時系列どこ?や、誰のタイムラインなのか?などもうそんな次元のハナシじゃなくてもうこういうハナシ( ^ω^ )
(OK! もう一度だけ説明するね!)
だから"みんな知ってるよね?スパイダーマンだよ"からの"スパイダーマンならこう立ち振る舞うよね?"が典型的にというか結果的に描写されていて、今回の主役も結果的に"それ"を踏襲する
別次元からの複数のスパイダーマンのキャラの掘り下げはいささか足りなかった気がするんだけど結局スパイダーマンはスパイダーマンなんだよね
(今回、タイミング的に吹き替えで見れなかったんだけど、クモロボに乗ってた日本人少女は字幕版でもちゃんと日本語で喋ってた)
で、その他のスパイダーマンを元の世界に返すわけだけど、焦点として当てられてるのはマイルスの奮起、そして成長
でもこれ不可抗力でわざわざ集まったスパイダーマンを結局戻す作業をしなくてはいけないのだから面倒くさい
複数のスパイダーマンが登場するアイデアは破天荒だけどそれ自体は奇をてらっただけで個人的には歓迎しない
ピーターBパーカーと、グウェンだけで良かったし、今回のマイルスの立ち位置からは今後の展開があまり見えない
つまり主役のようでいてスパイダーマンシリーズとしては脇役の立ち位置…というかやはり通常運転でスパイダーマンをするのならもうこれ切りのないハナシだな( ^ω^ )
(運命を受け入れろ)
でもこの切りのないハナシにゲンナリしてるわけではなくてほんとに伝統芸能として感じる事は、別に選ばれてスパイダーマンになったわけじゃないしクモに噛まれたのは偶然だけど、"親愛なる隣人"となり、"大いなるチカラに責任を持っちゃう"のは必然…そういう意味ではスパイダーマンのスポットライトって序盤なんだよねってとこ
だから今作で脇役として登場したくたびれた中年のスパイダーマンが、新米スパイダーマンのマイルスを指導するってのは合点がいく
スパイダーマンには
"可能性として未知数で、これからの成長を予感させる段階"
に強く魅力を感じる
それが脚本として確りと描写されていたのが最終的な満足感だったと思います
ちなみにアニメーション描写としてのクオリティは雰囲気こみで完璧な見応えでした( ^ω^ )
夢想ですが…
これ実写でやったとして、序盤で死んじゃうスパイダーマンをアンドリュー・ガーフィールドが演じて、その意思を継ぐのがトム・ホランドで、中盤出てくる中年のスパイダーマンをトビー・マグワイアがやるって画もみて見たかったり^^;