「誰もがスパイダーマンになれる!」スパイダーマン スパイダーバース カミツレさんの映画レビュー(感想・評価)
誰もがスパイダーマンになれる!
原作は未読。予告編を見ただけではどんなストーリーになるのか全く想像できず、「別の次元から来た」だとか「時空を歪める」といったワードから、「形而上学SF?」と不安を胸に抱きながら劇場に足を運びましたが、ストーリーの大筋はいたって王道の成長物語で、シンプルにとても楽しめました。
そして、本作は何と言っても映像が凄すぎます! 2019年の2月、3月は『アクアマン』、『アリータ』、『移動都市』と映像面で目を見張るような作品が相次いで公開されましたが、映像の衝撃度でいうと、本作は頭一つ抜けているのではないでしょうか。とにかく最初から最後まで“生まれてはじめて見るような”映像のオンパレードなのです。
ただし、映像面での凄さについては、他のレビューでもみなさんが書いておられますし、文章であれこれと説明するよりも、実際の映像をご覧いただくのが一番だと思いますので、割愛させていただきます。本レビューでは、本作のテーマに沿いながら「実はストーリーもちゃんとよくできていて面白い!」ということを述べたいと思います。
1.王道の成長物語──「誰もがスパイダーマンになれる」
本作のあらすじをまとめると「放射性のクモに噛まれ、スパイダーマンの力を発現しながらも上手く能力をコントロールできずにいたマイルスが、別の次元から来たスパイダーマンたちと出会い、ともに戦っていく中で、真のヒーローとして目覚めていく」(100字)という王道の成長物語です。
途中、挫折や悲しみを味わいながらも、何度でも立ち上がり、マイルスが真のスパイダーマンになっていく姿からは、「誰だってスパイダーマンになれるんだ!」という熱いメッセージを読み取ることができます。
また、別の次元からやって来たスパイダーマンたちが、➀うだつの上がらない中年のおっさん ➁マイルスと同年代の女の子 ➂白黒の時代からやって来たハードボイルド風の探偵 ➃遥かな未来からやって来た萌え系(?)美少女 ➄カートゥーン風のブタのキャラクター……と、大変個性豊かなのですが、これだけいろんなタイプのスパイダーマンが登場することからも、「誰もがスパイダーマンになれる」というテーマを感じ取ることができると思います。
2.大切な人の死を乗り越える──「大いなる力には、大いなる責任が伴う」
しかし、その一方で本作は「誰もが簡単にヒーローになれる訳ではない」という厳しい現実も描いています。クモに噛まれたマイルスは“力”を発現しますが、はじめは思うように能力を制御することができません。しかも、一応の師匠にあたるピーター・B・パーカーからは、スパイダーマンとしての心得も戦闘の技術も何も教えてもらえず、終盤までマイルスはほとんど成長する機会に恵まれません。
では、なぜマイルスは最後にスパイダーマンとして覚醒することができたのでしょうか? 実はここでシリーズを通してくり返し描かれてきた大きなテーマが浮かび上がってきます。
個性豊かなスパイダーマンたちですが、彼らにはある共通点があります。それは、「大切な人を亡くした経験がある」ということです。ベンおじさん、親友のピーター、ベンジャミンおじさん、実の父親……彼らは大切な人を亡くした経験から自らの力に伴う責任を自覚し、ヒーローとして目覚めました。そして、本作のマイルスもまた、物語の終盤である大切な人を喪うことになるのです。
「誰もがスパイダーマンになれる」という希望にあふれたテーマを掲げながら、シリーズを通して語ってきた「大いなる力には、大いなる責任が伴う」というテーマをも組み込んで、夢物語としてではなく、マイルスの成長をきちんと描いている──だからこそ、本作は紛れもなく『スパイダーマン』なのであり、マイルスという新しいスパイダーマンの誕生に心から喝采を送りたくなるのだと思います。
カミツレさん、ご無沙汰しております、
きびなごです。返信ありがとうございます!
GW明けになっても相変わらずお仕事お忙しいとのことですので、重ね重ねですが体調にはお気を付けくださいね。そんな中でも丁寧に返信いただけるのでほんとに多謝多謝、です。
『心配かけて申し訳無い』と思われる必要も全然無いですよ! そんなに気苦労されんでください。
コメント返信もお気になさらず!
むしろGW中のハイテンションで早く返信し過ぎてプレッシャーかけてしまったかも、とこちらが申し訳無く思っております……。
毎回しっかりコメント返していただけるのは嬉しい反面、そちらの負担になっていないかとも思いますので、こちらのコメントはサッと読み流してもらっても良いですし、気分に余裕があるときにでもふらりとコメントいただけるならそれで十二分です。
しっかしMCU関連作の復習はキツイですね(笑)。
自分はゴジラシリーズの復習の真っ最中です! さすがに今週末までに全作品制覇は難しいですが。
ちなみに先週は『貞子』鑑賞前に『リング』『リング2』も復習したので、まとめてレビュー執筆中ですが、書きたい内容がありすぎて発散中。いつ書き上がるのか……。
そうそう、『判決、ふたつの希望』も拝見しました。
紹介してくださって感謝。非常に良かったです。仰る通り、重いテーマをしっかりエンタメに仕上げている作品でしたね。
周囲がやかましく騒ぎ立てる中、主人公2人だけは視線で微笑み合っているラストが素敵。人種のしがらみを少しずつ取っ払い、いち人間として尊敬し合える間柄に変わっていく流れが清々しい。レビュー書くつもりですがこれまたいつになるやら(苦笑)。
とまあ、こう長々書くので『返信しなきゃ』という強迫観念に駆られるかもですが、文が長いのは僕の悪癖ですので、先述通り返信お気になさらず。
レビューも楽しみにしてますよ! むしろ僕へのコメントなど気にせず、また素敵なレビューを書いてくださいな。僕の他にも楽しみにされてる方が沢山おられる筈ですよ。
とはいえレビューもコメントも書きたい時に書くのが一番と思います。まずはご自分の健康第一、精神衛生第一でいてくださいね。また気が向いた時にでもコメントいただければ嬉しい限りです。
ではでは!
カミツレさん、きびなごです。
しばらくぶりです!
『アベンジャーズ/エンドゲーム』への
共感票とコメントありがとうございました!
ここのところカミツレさんから音沙汰が無かったので、体調崩されたりしていないかと少し心配しておりました。あるいは前コメントで余計なことを書いたかもとか……。
共感票いただいて生存は確認できたので(爆)、実を言うとちょうど今(23:30)、忙しくされてませんかとコメント打ってる最中でした。
年度初めからお忙しかったとのことで、ひとまずお疲れ様でした! GWのお休み等はいただけてるんでしょうか? 頑張らないといけない時はしようがないかもですが、くれぐれも頑張り過ぎないようにしてくださいね。
>私がコメントしない方が、共感数が伸びる
>ようなので……(スパイダーバース!)
いやいやどんなジンクスですか(笑)。
僕は基本長い、時期が遅い、そしてそれこそ盛り上がってる所に水を差すような空気の読めないレビューが得意なのでこんなもんです。
もちろん共感票は嬉しいですが、あんまりそれを狙うのも不誠実だし、正直にレビュー書いて、それでカミツレさん等の気の合う方から1,2票貰えれば御の字!くらいで書いてますよ。
『~エンドゲーム』も結構ヤなこと書いてると思ってはいるんですが、不満点を含めても満足してるのならそこをきちんと書けば良いだろうと。なので「モヤモヤを整理してくれた」というのは、書いた身として非常に嬉しい言葉です。
ま、早く投稿した方が共感票も多くなるので今回急いで書きましたけどね!(最終的に不純)
自分は現在GWで、故郷・鹿児島のド田舎に帰省中。
映画館もレンタル店も遠い……狸と猪と鹿が頻繁に出没……
紹介していただいた『判決、ふたつの希望』は、勤務地(静岡)のレンタル店を3つ巡っても見つからなかったのに、なぜか鹿児島の山奥の小さなレンタル店にあるのを今夜発見してレンタル。レビューもそのうち書いてみます。
あ……あらら……書いてる間に
平成→令和を跨いでしまいましたが……
新元号初コメントッ!(開き直り)
今後ともよろしくです。それではまた!
カミツレさん、きびなごです。
早速の共感&コメントありがとうございました!
色収差云々の用語はたまたま聞きかじっていたので
ラッキーパンチみたいなもんです。一方で某長寿漫画
の言い回しを完全にパクったくだりもあるんですが……
そこは気付いていてもいなくてもご了承ください……。
映像表現のみならず、マイルスの挫折と成長を
しっかり描き、「誰もがスパイダーマンになれる」
=ヒーローになるのに決まった力や道なんて必要ない、
という勇気をもらえる、素敵な映画でしたね。
いつもお気遣い感謝に堪えません。
コメント返信はお気になさらず!
それよりもカミツレさんの
次回レビュー、楽しみにおりますよ!
お互い頑張りすぎず頑張りましょう。では!