劇場公開日 2018年7月7日

  • 予告編を見る

「あなたの住む部屋が事故物件だったら?」ルームロンダリング まめもやしさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5あなたの住む部屋が事故物件だったら?

2022年2月20日
iPhoneアプリから投稿

“ワケあり”物件に住むことで、事故の履歴を帳消しにしようというのが「マネーロンダリング」ならぬ“ルームロンダリング”だ。TCP(TSUTAYAクリエイターズプログラム)らしい独創的な着眼点で描かれる本作は、ほどよいゆるさのあるハートウォーミングコメディになっていた。孤独でコミュ障の主人公が、幽霊との交流を経て死者から生きる力を学んで成長していく様子は心が暖かくなる。ストーリーの抑揚はほとんどなく、やや退屈にも感じるが、オダギリジョー演じる叔父が陰ながら、めいの池田エライザを支えている様子が微笑ましく映る。色彩豊かな衣装や可愛らしい小道具など、ポップなアイテムも映画を彩るアイテムになっていた。殺人・自殺・孤独死などさまざまな事故物件があり、借りる側貸す側も敬遠しがちだが、本作を見た後はそんな気持ちも少しロンダリング(浄化)された気がした。ちなみに、「事故物件」という言葉は日本特有で、海外ではあまり気にされていないとか。

まめもやし