「悪い大人に利用される少女がただただ不快」ルームロンダリング サカモトさんの映画レビュー(感想・評価)
悪い大人に利用される少女がただただ不快
まず、タイトルの「ルームロンダリング」とは、事故物件に住むことで次の告知義務を無くすことを指しています。そして、主人公は霊が見えるので、その部屋にいる霊を認識し、話すことができます。ただ、話す以上の関わりはできません。年端もいかない少女が、風呂を覗いてくるようなしつこいおっさん(下心でという描写ではありませんでしたが)や、不幸を嘆く殺人被害者の霊に絡まれますが、どうすることもできずに疎ましがっています。これがまず不快です。作中では流されましたが、以前は餓死した被虐待児と暮らしたこともあったそうです。地獄です。餓死した被虐待児をどう救うこともできず、ただ一緒に暮らす日々。想像するだに地獄です。
当然、主人公が、このルームロンダリングを好意的に受け止めている描写はありません。主人公にこのルームロンダリングをさせているのが叔父なのですが、主人公に対して無遠慮で無関心な言動が多く、汚い大人が弱者である主人公を利用しているように見えてしまいます。これが本当に不快です。
映画を観た限りでは非常に不愉快な設定で成り立っている作品、もしくはそう誤解させるような描写不足が目立つ作品という印象を最後まで拭えませんでした。
観る価値の低い映画であると思います。
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