「見守られる人、見守りたい人」ルームロンダリング 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
見守られる人、見守りたい人
半年に一度くらい出会う『思わぬ拾い物』という作品。
幽霊に化体した人たちとの出逢いを通して心を開いたり、成長していくというプロットはさておき、家族の中における『おじさん』という存在の重要性が分かりやすく描かれています。
少年少女の成長過程においてはオジという立ち位置の存在が不可欠です。本当の血筋上のおじさんかどうかは問いません。
世の中には表もあれば裏もあるわけですが、親としては建前上、表側の真っ当な事しか教えられない。世の中には要領良く、場合によっては抜け道を通って進むことがある事は親だって大人なので知っている。しかし、自分の子どもと向き合って道を説かなければならない時、正攻法で努力するように諭すのが、一般的だと思います。勉強でも部活でも友人との人間関係などでも。恋愛関係などはもし親がそもそも勉強や受験の阻害要因だと、つまり真っ当な事だと思ってくれなければ聞く耳すら持ちません。そこで登場するのがオジ、もしくはオジ的立場の大人です。ミツオにとっての寅さんやハリーポッターにとってのシリウスブラックやハグリッドのような人たちです。
彼等はマトモな常識人からすれば反面教師的な部分がありますが『見守る』事に関しては親と変わらぬ情を持ち合わせています。成長途上の若者にとって、親には聞けない、聞きたくないことを大人扱いで受け止めてくれる『オジ』という存在の有難さ。
そしてまた、『オジ』の方にも『見守ってあげたい』存在は自分よりも愛おしく、自分が経験し得たものを惜しみなく与えたくなる。親子とは違った形の家族の絆かもしれません。
嬉しいコメントありがとうございます。
私も甥っ子、姪っ子がいるのでどこかで役に立てればいいな、と思っているのですが、寅さんには到底及ばず、といったところです。
あー、わかります!
僕も影に日向に《おじ》に支えられてここまで生きてきた実感があるもので。琥珀さんのレビュー見て膝をたたきました。
「ボクのおじさん」や「リトル・ミス・サンシャイン」にも素敵なおじさんが登場しますよね。