ウォーキング・ウィズ・エネミー ナチスになりすました男のレビュー・感想・評価
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ハンガリーの事情がよく伝わってきた。
勉強不足のため、矢十字党というのも知らなかったし、スイス保護状というものも知らなかった。それまでの摂政ホルティ(ベン・キングズレー)はソ連軍との休戦を画策するが、それがナチスに知られることとなり、矢十字党のサーラシがクーデターで政権を掌握することになった。親ナチスの矢十字党。どことなくハーケンクロイツにも似ているマークは不気味だ。
それにしても『シンドラーのリスト』以降、ユダヤ人を救ったという実話がどんどん出てきたものだと驚きの連続。この映画もかなりの残酷描写があり、随所でのユダヤ人の虐殺も描かれている。特に胸が苦しくなったのはヒロイン・ハンナの妹が銃殺されるシーン。壁に手をつき、一人ずつ銃殺されていき、次は自分か、次なのか・・・と、辛さをこらえる苦悶の表情は涙無しでは直視できない。
最初にSSの制服を着て友人のフェレンツを助けたエレク。「失うものはない」と言ったエレクは次から次へと無謀なまでの作戦でユダヤ人を救出していく。さらに行方不明となった自分の家族の消息をつかもうとナチスのパーティにまで参加したりする。結局ポーランド・アウシュビッツをはじめとする収容所に送られるユダヤ人を全ては助けられない。スイス保護状(偽造したものも含む)にしても7千枚ほどしか作れなかったようだ。
矢十字党の幹部と数度に渡り対峙したエレク。終盤の銃撃戦は凄まじいものがあった。さらにはソ連軍侵攻。そんな国の危機が迫る中でも矢十字党はユダヤ人を銃殺しようとしているのだ。
痛快さもある終盤だったが、それにも増して自分の英雄行為の多くを語ろうとしなかったところが偉い。同じ状況に置かれたら、こんな行動を自分がとれるかどうか。やはり何もかも失い、ヤケクソにならなきゃ出来ない行為だな・・・
思っていた内容と違って。胸に来た
「ナチスになりすました男」というサブタイトルの邦題から。
潜入捜査のような話かなと思って、録画したままでした。
違いました。
ユダヤ人の労働収容所=アウシュビッツ行きから、仲間を匿ったり逃がそうと奔走する主人公の話。実話に基づくというのだから驚き。
最初は「銃では戦えない、外交条約なら戦える」と、スイスが発行する保護状を印刷し。それが免罪符となり逃がしていたものの。
保護状は7,800枚、でもユダヤ人は20万人・・・。
先が見えない中、戦争が終わってよかった~。杉原千畝さんと同じような人がいたのだな。が前半。
???。
主人公は前半途中から、ナチス親衛隊の軍服を着て「ナチスになりすまし」。
いかにもな顔をして、ユダヤ人を逃がしていくんだけど。
制服だけでは救えないと、酒場で情報収集したり危険な橋をわたっていくのがもうドキドキハラハラ。
「お前の上官は?」って、答えられないよね。
ヒトラー、アウシュビッツ、スターリン。アイヒマンによる一掃作戦。何となくしか知らない話だけど。銃一発や毒ガスで奪われる命の悲しさが十分伝わってきました。
「運命を他人に決められたくない」。主人公の言葉が印象的。
それが当たり前じゃなかった時代を、忘れてはいけないと感じました。
ハンガリーのユダヤ人
ナチスドイツに侵攻されたハンガリー、殺されてしまうユダヤ人を救った男がいた。
ハンガリーはドイツに対抗するため、ソ連に降伏宣言をして連合国側につこうとするが、更なる悲劇に見舞われる。
自国民が銃を向けあう悲劇だけは避けたいものだ。
制服
第2次大戦中ナチス親衛隊になりすまし、沢山のユダヤ人を救った実在のハンガリー出身ユダヤ人の話。
主にブダペストを舞台にした、ナチスと矢十字党によるユダヤ人隔離~ソ連侵攻までの間でユダヤ人を救った事実に基づく話とのこと。
知識も学も持たない自分は、スイス人外交官による保護状の件すら知らなかったし、ましてやこんな助け方をしたユダヤ人がいたことが衝撃的。
ホロコーストの凄惨さをみせる描写はかなり控え目ながら、徐々に酷くなる弾圧や困難になっていくユダヤ人救出の様子等、なかなか見応えがあった。
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