「壁をぶち破り続ける親子の奮闘に爽やかな感動をもらった」ダンガル きっと、つよくなる ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
壁をぶち破り続ける親子の奮闘に爽やかな感動をもらった
クリックして本文を読む
インド映画のハズレなしの骨太さを改めて実感させられた。この親子は逆境を大きなチャンスに変えて前へ前へと突き進む。まずは「女の子がレスリングなんて」という固定観念をぶち破り、自分の限界を突き崩すためにそのまた先の壁を超える。だが、目の前に立ちはだかるどんな強靱な敵にも増して、この強烈な親子愛、あるいは姉妹愛そのものが、人生における最後の試練となって覆い被さってくるあたりは構成としてとても巧い。最後には自分との戦いとなり、この巣立ちの通過儀礼をどう越えられるかがポイントとなってくるのである。それに比べるとレスリング協会の代表監督なんて小物でしかない。幼かった小鳥が最後の戦いを迎える時、親は会場にはいない。設定としては強引な感じがしつつも、なんと爽やかな巣立ちの演出だろう。結果オーライ。作り手の情熱と根性に、観客である私たちもあれよあれよという間にうまく組み伏せられる。それがまた心地よい一作だ。
コメントする