「寒々しい」ハッピーエンド マリエルさんの映画レビュー(感想・評価)
寒々しい
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愛の反対は憎しみではなく無関心だといいますが、少女エヴを取り巻く情況はまさにそれ。
父の実家に小さい頃、一度しか来たことがなかったエヴ。
もしかしてエヴの母はトマと離婚する以前から、このロラン家に受け入れられていなかったのでは?
肺炎で死んでしまったエヴの兄(お父さんは医師なのに)。
エヴはパーティで紹介されても、いとこのピエール以外に話しかけてくる人もいなくて、伯母のアンヌも表面的。
父のトマは、前妻が亡くなると、さっさとその住まいに不動産屋を呼ぶ、エヴがいる時に。
そして、極めつけが祖父のジョルジュ。13歳の孫娘にあのような告白を聞かせるなんて。
ラスト、ジョルジュはまったく自分勝手です。エヴのことを、これっぽっちも愛していないのですね。エヴにさらに深い傷を負わせることになるのだから。
距離をとった描き方なので、登場人物に感情移入しづらいし、共感もできませんでした。
ただ、エヴのしたことはいけないことだったけど、周囲を映した鏡だったのだと思いました。
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