「僕にはたくさんの家族がいます。」かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発 くりさんの映画レビュー(感想・評価)
僕にはたくさんの家族がいます。
家族の再生を通じて、
心が成長してました。
それには、
穏やかな時の流れと、
お互いの思いやりが必要でした。
その流れに、
作品の家族と一緒に
ずっと浸ることができました。
そして、
どうしようもない環境で
傷つき、もがきながらも、
自ら乗り越えていく
彼らの葛藤が伝わってきて、
知らぬ間に、うっすら
ずっと泣いてました。
何故、
こんなに、出演者の思いが
刺さるんだろうと
思いかえしてみました。
全編を通して、
登場人物は、相手に対して
こうしろ と言わないのです。
もちろん、
自分の気持ちは伝えるのですが
こうしたほうがいいという
ことは、一切言わない。
晶は、
担任の教師の望まない妊娠を
知っても、
待ってるよ と
お腹の子に囁いても
産んだ方がいいとは彼女に言わない。
節夫は、
東京に戻ってしまった晶に
会いにいった際に、
もし、あなたが戻らなくても、
駿也は自分が育てるから
これからのことは、
自分の気持ちで決めたらいいと
彼女を気遣う。
こうしなさいとは言わない。
駿也は、
晶に対して、暴言を吐いたあと、
親としての思いが届かず、
いたたまらなくなって、
東京に帰ってしまった彼女に
ごめんなさいと謝るが、
そばにいてほしいとは言わない。
本当に、
相手のことを思いやったら
相手の気持ちを一番に尊重し、
その行動を決めるのを待つ、ということ。
あたりまえで
なかなかできないことを、
本作では、
あたりまえに、
みんながしていました。
ストーリーは、
血のつながらない息子を
抱えたシングルマザーが
義理の親元で暮らす。
そして、
本当の家族をつくっていく
という、よくあるお話でしたが、
触れ合う気持ちの
やりとりがせつなくて、
温かくて。
誰もが相手の立場にたって、
その人が自分の気持ちに
向き合えるように
言葉が選ばれてました。
これは、なかなか
できないです。
だからこそ、
最愛の人を亡くした状況を
前向きに
やさしく包み込んで
進んでいける。
そんな、生き方を
知ることができました。
だから、
最後に駿也が
自分には、役割の違う家族が
いつもいて、
自分を守っていると
理解した時は、
すごく、共感し、みたされました。
たくさんの家族がいるんだと。
人は、
相手に喜んでもらえる
やりがいのために
生涯を捧げる。
やりがいを見つけるために
生まれる。
その、
命のリレーが
素朴にしみてきて、どっぷり。
私は、
親父が鉄道の車掌を
やってたことや、
田舎では
昔、ジーゼル車両が運行してたり
したことを思いだし、
ノスタルジーになり、
高ぶってしまいました。
年末は、
田舎に帰ろうかな。
おすすめです。
私、くりさんのレビュー好きなんです。
特に、この映画のレビューが好きです。
くりさんのレビューって、登場人物達に寄り添う様な優しさを感じるんです。
だから、素敵な映画を観た後にくりさんのレビューを読むと、心が温かくなるんですよね。
突然のコメントで、すみませんでした。
くり様
「最愛の人を亡くした状況を前向きに
やさしく包み込んで
進んでいける」ヒロインの姿が清々しくて、応援してしまう映画でした。
薩摩おれんじ鉄道に乗ってみたいです。
景色がホントに綺麗でした。