ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男のレビュー・感想・評価
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真のデモクラット(民主主義者)とは、デモクラシーの欠陥を知る者である
ナチス・ドイツとの徹底抗戦か和平交渉かの決断を迫られたとき、チャーチルは国王から「市民の声を聞け」と助言される。列車に乗り、そこに居合わせた乗客の意見に耳を傾け、抗戦を選ぶチャーチル。
彼の名言として、次のような言葉が有名だ。「民主主義は最悪の政治形態らしい。ただし、これまでに試されたすべての形態を別にすればの話であるが」。彼は民主主義の衆愚化のおそれをよく知っていた。それがわかっているからこそ、まともなデモクラットとして振る舞うことができたのだ。
難しい話です
どの視点から観れば良いのでしょうか。世界を救った英雄談、リーダーの苦悩談、戦争賛成派もしくは反対派、戦地で戦っている隊員とその家族。
おそらくはチャーチルは世界の緊急ボタンのような立ち位置なのでしょう。ヒトラーが出てきたから首相になった。ですから終戦後は選挙で負けているようです。役目は終わったということでしょうか。劇中彼も苦悩していますが、自分が首相になった理由について。それはやはりヒトラーを止めることなのでしょう。国民の意識が彼を首相に押し上げたわけですから彼の決断は国民の決断。大多数の国民もそれを求めていると理解して良いのでしょうね。もちろん電車に乗っている人の中にはダンケルクやカレー部隊に家族がいる人もいるでしょう。声が大きい人の意見だけが通るわけではないのでしょうが、自分に都合のいい意見だけが耳に入ったかも知れません。全員100%賛成などありえませんから仕方ないのでしょうが。でもやはり戦争は避けるべきですよね。あそこまで抜き差しならない状況になるまでに前首相が手を打つべきでした。ま、後からは何とでも言えますが。
私が話を遮っている時に邪魔しないでもらいたい!
『私が話を遮っている時に邪魔しないでもらいたい!』
イデオロギーなプロパガンダそのもの♥映画。本来はチャーチルもヒトラーも、どちらも過大評価すべきでは無い。邦題は大きく趣旨をそれている。
『彼は言葉と言う武器を戦場に送り込んだ』
ウィンストン・チャーチルは1953年にノーベル賞を授かっている。的確な受賞理由だ。
ネタバレあり。
ノーベル賞平和賞ではない。
ノーベル賞平和賞は偽善的な人が貰うもの。どうやら、彼が偽善者ではないのを皆知っていた。だから、なんとなんと、
『ノーベル文学賞』なのだ。
歴史だから、「たらねば」は許されない。そう言った意味合いで、この映画の台本は間違っている。しかし、チャーチルの独善的偏見を色々な仕草とセリフと行動でうまく表していると思う。
チャーチルはヒトラーから世界を救ったと邦題では語っているが、映画ではその微塵も無い。だから、ダンケルクで、その救出作戦をト書きとして挿入している。だが、チャーチルが秘密裏に考えた事?曖昧に処理している。
少なくとも、チャーチルはイギリスのユダヤ人々を救った事にはなる。それだけは良かったと思うが、多分、それは結果論。
彼の最後の演説の中に
『仮にこの大英帝国が侵略されても、新しい国が、この古い国に、救いの手を差し出してくれる。だから、戦おう』と言う台詞がある。新しい国とはアメリカの事を言っている。それは薄々分かるが、これが白人至上主義のイデオロギーの流れなのである。
さて、大日本帝國は、そんな事は何も知らずに。だいそれた愚行を遣りまくる。
それに対して僕は感じる。
あの50作続いた喜劇映画の中の台詞を引用する。勿論、僕はそんな事をダイレクトには思っていない。
『バ・カ・ダ・ネ。ほんとバ・カ・ダ・ヨ』
イギリス人だけでなく、西洋の人はチャーチルをこんな偉人だと思っているの?
そんな人はいない。
その点に付いて、これ以上は言わないが。アメリカを担ぎ出したい心理がこの映画ではきちんと描かれていると思う。たからそれを評価したい。
自由という大義 〜 我々は戦争の只中にいる
戦時内閣において難しい決断を迫られるウィンストン・チャーチルをゲイリー・オールドマンが熱演。皆に愛される首相になって欲しいと妻クレメンティーン( クリスティン・スコット・トーマス )に諌められる姿が微笑ましい。
映画「 イングリッシュ・ペイシェント 」のキャサリン役もそうでしたが、クリスティン・スコット・トーマスは知的な役柄が似合う。
秘書のミス・レイトンをリリー・ジェームズがキュートに演じる。
チャーチルからの問いに答える市民の姿が、ロシアに抗戦するウクライナ国民の姿と重なって見えた。
ーいかなる犠牲を払っても守り抜く
ー勝利なくして生き残りはない!
ー決して諦めない 服従はない
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕)
ゲイリー チャーチルの凄味。
最初に書いておくが、邦題と、原題に差があり過ぎるが・・・、
これは実話を元に、可能な限り、状況を再現したヒューマン ドラマであり、
派手さもなく、大規模な戦争シーンがあるわけでもなく、
一人の首相が国を背負いながら、大きな決断をするまでのリアルな物語です。
私は世界史に詳しくない。
イギリスの凄い首相でしょ。ぐらいの感覚だった。
ダークナイトの大ファンとして、ゲイリー オールドマンの作品は外せず、
無料で配信されてるから観てみるかぐらいのノリだった。
そして心底、反省。
この作品を映画館で観なかったことに大変、後悔した。
皆さんは「言葉の力」を信じているだろうか。
私は常々、言葉には力があり、呪いであり、相手に影響を及ぼすと思っている。
そして、今回の映画を見て、改めて「言葉の力」を強く信じることが出来た。
想いは「言葉」になり、それが熟慮され、取捨選択され「文章」として組まれる。
話し方、話す時間、間の取り方、視線、ジェスチャー、言語以外の部分も取り込み、
結果として「魂の言霊」となる。
ゲイリー チャーチルが短いもの、長いもの、幾つかスピーチするシーンがあるが、
皆さん、感じてほしい。原稿を台においたその瞬間から、ガラッと変わって見える。
これが彼の演技の凄味だし、本作品の評価を受けるところだと思う。
ラスト 4 分の演説。までの積み重ねも素晴らしい。
戦争の概要を知らない人なら、ここからどうするんだ!?と、ドキドキすることだろう。
自分が戦争に行っているわけではないし、
イギリス人でもないけど、
なぜか、勇気が湧いてくる。
もっと頑張ろうと思えてくる。
Never !! と叫びたくなる。
そんな作品でした。
思ったよりポップに描いていて観終え感Good
イギリスの立ち位置からこの歴史を観るのは初めてだったので、新鮮に感じたしすごく勉強にもなった。
戦争映画独特の重さも、角度を変えることにより英国の誇り高さがクローズアップされ、爽快とも言えるラストシーンへ。Vサインも結構効いていた。
実は観るまでは、体格が全く違うゲイリー・オールドマンが演じることに少々抵抗があったが、観終えてみると評論は難しいが、この配役は素晴らしかったと思う。
時代の中で
歴史に名を残した偉人の生涯とは?
あまりチャーチルの事を詳しくないのでどこまで事実で脚本によるものなか分かりませんが素晴らしいなと感じた。
ドイツ軍を率いるヒトラーに対して最後まで屈する姿勢を見せず、最終的に守りきった。
人間的な魅力が溢れる人物だったのかなと想起しました。
時代の中で奔走し、色んなことに巻き込まれた。
それでも気持ちの中で折れずに続けることの大切さを感じた。
役者の演技が素晴らしかった
国王も巻き込むチャーチルのチャンバレン等ナチスとの宥和派との対決、歴史的事実の面白さ
ジョー・ライト監督(アンナ・カレーニナ等)による2017年製作の英国映画
チャーチルをバットマン・シリーズ等で有名なゲイリー・オールドマンが演じていた。自分は彼と分からず老政治家そのものに見え、その特殊メイクの巧みさに驚愕。担当の辻一弘氏に大拍手。
英国近代史に詳しくなく、チャーチルが首相に就任後にも、政治的に強力なナチスとの交渉推進派(ハリファックス外務大臣等)が閣内に存在していたことには驚き。歴史的にはヒトラーを増長させた主犯とされるチャンバレン前首相も閣内に入れていたことも、始めて知った。日本でもウクライナに早期交渉妥結すべき論を展開する方がいるが、英国でも事実として同様に考える人間がいたのだ。ミュンヘン協議を無視し侵略進めるヒトラーと、あの時点で交渉などあり得ないと思うのだが。インテリ人種特有の、相手も自分と同様な人間と考えてしまう致命的欠陥を見せつけられた思いがした。
国王ジョージ6世は、最初チャーチルが苦手であったが、危機状況下チャーチルと連携しサポートする姿がしっかりと描かれていた。史実通りであるが、首相が毎週王に会って説明するという英国の仕組みに、民主主義の長い英国の叡智を感じた。
チャーチルが迷ったあまり単身で地下鉄に乗ってみて庶民の意見を聞くシーンがあり、それが対独戦争の決意表明の重要な転機となった様に描かれている。だが調べた限り、その様な事実は無い。アンソニー・マッカーテンはボヘミアン・ラプソディでも事実を変えて、盛り上がりを策していたが、チャーチルに関する研究書も読んだが、こういった決め方をする考え方とは思えず良くない脚色と思った。また映画全体のリアリティ感を落とした様にも思われた。
チャーチルの秘書役リリー・ジェームズは美しく可愛いかったし、応援的に思わず力こもってチャーチルの演説を聴く演技もとても良かった。奥様役クリスティン・スコット・トーマスの手慣れた夫操縦感もなかなか良かった。
脚本はアンソニー・マッカーテン(ボヘミアン・ラプソディ等)、撮影はブリュノ・デルボネル(ハリー・ポッターと謎のプリンス等)、美術はサラ・グリーンウッド、衣装はジャクリーン・デュラン、編集はバレリオ・ボネッリ、音楽はダリオ・マリアネッリ、特殊メイク/ヘア&メイクデザイン(ゲイリー・オールドマン)を辻一弘(スキャンダル等)。
ウィンストン・チャーチル:ゲイリー・オールドマン(ダークナイト ライジング等)、クレメンティーン・チャーチル:クリスティン・スコット・トーマス、エリザベス・レイトン:リリー・ジェームズ(シンデレラ(2015)等)、ハリファックス子爵:スティーヴン・ディレイン、ネヴィル・チェンバレン:ロナルド・ピックアップ、国王ジョージ6世:ベン・メンデルソーン。
わかりやすい歴史もの…の、はず。(良作です。)
まずはゲイリー・オールドマンの役作りに拍手を送りたい。
個人的に近代歴史ものでは「おお、記録写真の通りだ!」と感じるとテンションが上がるので、そういった意味では上がりっぱなしであった。
物語的にもダンケルク前後を切り取ることによって難解(であろう)国際情勢や戦局をわかりやすく整理してくれたのはありがたいし、これによってラストの盛り上がりへの道筋もちゃんとついていた。
戦場の悲惨さを1シーンに込めるセンスは好きだなー
さて、べた褒めした割に奥歯にものが挟まったようなレビュータイトルだが、これは近代歴史もののの宿命かとも思うが…「自国だったら」「自国では」と、どうしても考えてしまうのだ。
特に地下鉄のシーン。
虚心に見ればいたいけな少女の「NO!」と言うひたむきな表情に心打たれ、勇気づけられるのだろうが…もし、これ、日本、だったら…と、(映画鑑賞には)余計な感情がむくむくしてしまったのですよ(笑)
あと、自分のマインドセットが「痛快逆転劇」を見るつもりで固まってたのもマイナスだった。
鑑賞は虚心におこないたいものですなぁ。(反省)
政治決断
ドイツと和平か交戦継続かを当時の英国首相のチャーチルが政治決断をする実話ベースの作品。
日本史専攻していた自分はダンケルクの戦いも最近同名の映画を観て知ったくらい。その頃英国もドイツとの和平に傾いていたらしい。直後に英国の首相に就任したチャーチルは和平をせずに戦争継続を宣言。ダンケルクに残された兵士を救うダイナモ作戦を実行する。といった内容だが変わりものだが言葉のひとつひとつに重みがあるそんなチャーチルをゲイリーオールドマンが特殊メイクで演じます。世界史疎い私も楽しめたし勉強になりました。政治決断と言葉の重み。誰かにも観てもらいたい。
ゲーリー・オールドマンはいない
メイクが凄く、ゲーリーとは分からない。粗暴で荒い息遣い、太った老人がそこにいる。ナチスドイツにフランスが劣勢で、いよいよイギリスにも脅威が迫る中、組閣で側近にした政敵からはイギリス主権を条件のもと、和平交渉を勧められる。一度屈してしまったら二度と立ち上がれない、最後まで戦うべきと信じるチャーチルだが、内閣では誰も同意しない。しかし、今まであまり友好的でなかった国王陛下が和平交渉には反対、戦うべきと同意してから、一気に物語も進みだす。チャーチルが公用車を降り、電車で国民の声に耳を傾けるシーンは寓話だろうが、政治家はこれが必要なのではと思う。家族に関しては犠牲にしてきたなど妻から指摘されるシーンはあるものの、そこまで妻が苦労しているなどの描写はなく、妻の苦悩?シーンは深みがない。物語の前半はほとんど抑揚がなく、間延びした。タイプライターの女子のキャラクター演出が中途半端だった。
何のためにこの椅子に座ってる!
映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」
(ジョー・ライト監督)から。
確かに、第2次世界大戦初期の歴史ドラマであったが、
メモした台詞たちを眺めると、今の時代にも通じる
「リーダー論」みたいなものが頭に浮かんだ。
首相の座になった時、妻はW.チャーチルにこう話かけてる。
「権力者は思いやりを持たないと、できれば穏やかさもね
皆に尊敬される首相になって」
そして、いろいろな決断をし、指示を出すシーン。
「肝心なのはナチスにイギリスは征服できないとわからせることだ。
私が全責任を負う」と言い切り「本当に?」と半信半疑の部下に、
「もちろんだとも! 何のためにこの椅子に座ってる!」と怒鳴る。
私は、このシーンが一番お気に入りとなった。
また、戦いに対して「和平交渉は及び腰に映る。
戦争に負けるより戦いを諦めた方が恥だ」と持論を展開し、
和平交渉に対しては、
「頭を食われてながら虎に道理を説くことはできん」とピシャリ。
「勇敢に戦って破れた国はまた起き上がれるが、
逃げ出した国は未来はない」と、断固戦う意志を貫いた。
そして、英国王ジョージ6世が「私は君を支持する」と
彼の背中を押してくれ、1つの助言を伝えるシーンも良かった。
「今度は私が君に助言する番だ。町に出て人々の声を聞け。
声なき大衆の声を聞くんだ。彼らにありのままの真実を話せ」
彼は助言どおりに行動し、自分の思いが確信に変わった瞬間、
「彼らの気持ちを代弁し続けることが私に課せられた義務だ」と
自信に満ち溢れた表情に変わっていた。
いつの世も、国民は強いリーダーを望んでいるだよなぁ。
映画ダンケルクを思い出した。 あの船の船団を命じた背景が描かれてい...
映画ダンケルクを思い出した。
あの船の船団を命じた背景が描かれていた。
国王は、英国王のスピーチのジョージ6世らしい。
色んな観点から観るのも面白い。
地下鉄に乗って、市民に意見を聞きに行くシーンは流石にフィクションらしい。
ゲイリーのマスクが素晴らしかった。
表情や演技を邪魔しないくらいナチュラルな肌質。
ほんとリアルで凄い。
特殊メイクアーティスト・辻一弘さん。
日本人として誇らしい。
英国首相のVサイン
ゲーリー・オールドマンが英国首相ウィンストン・チャーチルを演じ、本年度アカデミー賞主演男優賞を受賞した話題作。
日本人にとってそれ以上の話題はやはり、メイクアップアーティスト・辻一弘の同ヘアメイク賞受賞!
作品自体も興味深いが、まずはこの両名について語りたい。
全編ほぼ出ずっぱり、さながらゲーリー・オールドマン・ショー!
生のチャーチルや肉声は知らないが、相当な役作りやリサーチを重ね、クセのある言動など完コピなのだろう。
幾度も奮う熱弁シーンは圧巻!
変わり者で、ユーモラスで、人間味たっぷりに。
この名優が遂にオスカー俳優になったのはとても嬉しい。
でも個人的には、本作での大熱演も素晴らしいが、『裏切りのサーカス』での渋い抑えた名演が捨て難い。
そんなオールドマンをチャーチルに変貌させた辻氏の驚異的なメイクアップ技術!
安西先生を彷彿させるような頬や顎やお腹のたぷたぷプルプル具合は、とてもとても作り物とは思えない!
実際のチャーチルの画像と比較しても、その再現度の高さに驚き!
日本人の技術がハリウッドの栄えある賞を受賞したのは本当に誇らしい。
独学でメイクアップ技術を学び、ハリウッド映画で手腕を奮ったものの、そのほとんどがSFやコメディばかりで、本当に自分がやりたいものとは違うと苦悩し、一時ハリウッドから距離を置いたという辻氏。
そんな辻氏に直々にオファーしたオールドマン。彼が引き受けてくれなければ、自分もこの役を降りると言ったほどのたっての願いで。
辻氏を信頼したオールドマン。オールドマンの願いに応えた辻氏。
オスカー受賞は、2人の固い絆へのご褒美。
さて、作品の方は、実在の政治家の実録政治劇。
…と聞くと小難しそうに感じるが、思いの外分かり易く、エンタメ性もあった。
言うなれば、苦難に立ち向かった一人の男の物語。
前首相の辞任により、新たに就任したチャーチル。
それは、マイナスからのスタート。
戦局真っ只中。ナチスの脅威が英国にも迫り、侵略の危機すらも。
有事の際の首相就任なんてつまりは全責任を負わされる事になる。
変わり者の性格故、与野党から毛嫌いされている。
さらには、国王からもあまりよく思われていない。
欠点や失策も多々。
国家の窮地に彼のような異端児で務まるのか…?
チャーチルと周りの政治家連中との大きな溝は、考え方の違い。
周りは、ナチスとの和平交渉を主張。
和平交渉と言うと聞こえはいいが、言うなればそれは、人類史上最悪の独裁者に頭を下げ、膝を屈するという事。
英国を侵略と危機から救うには、それが最善策。仕方ないかもしれない。
が、チャーチルの考えは、徹底抗戦。
絶対にあの独裁者とナチスには屈しない。
例え和平案が英国にとって良きものであっても。どんな犠牲を払ってでも。
実際、ダンケルクでは30万人の兵士が追い詰められている。
彼らの救出も無理難題。
国の外にはナチス、国の中には対立する政治家たちという内外に敵だらけ。
立場はダンケルクの兵士たち同様、孤立無援。
こんな苦境に、チャーチルはどう立ち向かったのか…?
こんな苦境だからこそ、強靭なリーダーシップを発揮すべきだが、チャーチルは決してそうではなかった。
苦悩、葛藤の連続。
抗戦か、和平交渉か。
迫られる究極の選択。
抗戦を訴えたが、果たしてそれで正しかったのか…?
ブツブツブツブツ、自分でも何を言ってるのか分からなくなり始める。
あまりにも悩みに悩み、周りに押され、和平交渉案を受け入れようとも…。
そんな揺れに揺れていた時、彼に味方が。
国王。
当初はチャーチルを嫌い、ソリが合わなかったが、何より英国と民の為にナチスに屈しない考えは同意。これまでの微妙な関係が嘘のように信頼で結ばれ、全面的に支持。
そして、チャーチルが最も耳を傾けなければならない者たち。英国市民。
彼らのほとんどの考えも、ナチスには屈しない!戦うべき!
チャーチルが公用車を突然降り、一人で地下鉄に乗り、市民と直に話をし、耳を傾けるシーンはおそらく脚色だろうが、非常に印象的。
安直な和平交渉なんて、結局は政治家連中の身の保全にしか過ぎない。
そしてチャーチルは、決意を固める…。
以前『ローマンという名の男 信念の行方』のレビューでも書いたが、確固な信念など無い。
苦悩し、葛藤し、培われたものが、確かな信念となる。
そして下した決意、選択。
我々と同じ一人の人間としての脆さや芯の強さが、チャーチルを伝説のリーダーとした。
邦題は“ヒトラーから世界を救った男”だが、“ヒトラーと闘った男”の方がいいと思う。
手の平を裏返したVサイン(=クソくらえ)と共に。
チャーチルじゃない!
チャーチルを全く描けていない!
これでは、ただの頑固者の老害として映ってしまう。
チャーチルの言葉に、「10のうち9を譲っても、欲しい1は勝ち取る」というものがある。彼は基本、妥協を良しとする人物だ。
では何故、ナチスとの交戦を選んだのか?
それは、彼が未来を見据える力を持っていたからだ。
驚くことに彼はコンピュータ、そしてAIの存在も予見していた。その神眼は、ナチスを野放しにした人類の未来を見据えていた。彼にとってナチスを打倒することは、譲れない1/10だったのだ。
柔軟でありながら秘めた真を持つ、そうした人物像と真逆の描き方がされている。故人に対する侮辱的作品
緊迫感‼︎
映画ハシゴの3本目‼︎
眠気がヤバかったのですが
のめり込んで見れました‼︎
ネバーサレンダー‼︎
地下鉄のシーン好きだなぁ
庶民のブレない思いに涙し
子どもに「泣いてるの?」って聞かれて
「私は泣き虫なんだよ」
こんな私を宜しくねっみたいな事言っちゃうなんて
可愛らしかったです。
特殊メイクもアッパレでした。
V for victory. やっぱりゲイリー・オールドマンは凄かった
歴史物として見るとかなりの脚色はありそうですが、フィクションと割り切って観るとチャーチルを演じたゲイリー・オールドマンの妙技に魅了され楽しく観る事ができました。時代が時代ですし、もっと重い感じで作ってあるかと思いきや意外とユーモア多めでしたね。
第二次世界大戦の時のイギリスってアメリカの参戦のお陰で助かったイメージがあって、個人的にはイマイチ影が薄いんですよね。まぁ、それでもイギリス国内では色んな意見があって、それを乗り越えるチャーチルをゲイリー・オールドマンが熱演してました。就任当時66歳だったチャーチルをゲイリー・オールドマンが演じるには若すぎるんじゃないかなっと思ってたのですが、ゲイリーももう60歳なんですね!
タイピストのレイトン役のリリー・ジェームズが相変わらず美しかったですね。奥さんのクレメンティーン役のクリスティン・スコット・トーマスも良く見る女優さんです。チャーチルと奥さんとの掛け合いが良かった!
まぁ、歴史的事実としてこれを鵜呑みにして「英国カッケェー!」っとなると大問題でしょうけど(逆にこれを機会に英国の悪どさを調べてみるのは一興)、単純に映画として面白かったです。ともすれば退屈な政治劇になりそうな所をエンターテイメント性を高く作り上げてるジョー・ライト監督ってやっぱ上手い監督だなぁっと思いました。
事の良し悪しは判断できないけれども。
特段、出てきた人たちに共感しませんでしたが、そっかーそんなことがあってんやねーという感じではたのしめました。
歴史のあらすじをおいしくいただきましたという。
しかし裏を返せばそれだけとも言えます。
が、知りたい歴史のあらすじだったので見れてよかったです。
日の名残りを見た時期と近かったこともあり、歴史のあらすじ理解がより深まったように思います。
クリスティンスコットトーマスとリリージェイムスが出ています。
特殊メイクで日本のなんとかさんがオスカーとりました。
お陰でゲイリーオールドマンに全然見えなくて、チャーチルさんとしてみました。
演技に映像に引き込まれた。ヒトラーと戦うチャーチルのお話
とても素晴らしい映画でした。飽きの来ない映像に見応えある役者の演技。そして音楽。どれもすばらしかった。観る前は閣議を行うシーンが多めで飽きそうかな、とか思ってたのですがそんな事はなく、俯瞰して見たようなアングル、タイプライターの軽快な音、カッコイイ字幕、構図、作り込まれたイギリス王室の背景など絵的な面白さ満載。飽きずに最後まで見れました。
戦場の描写はすべて俯瞰で描かれていたのも印象的でした。地図や情報を元に作戦を決めていく政治家達のような視点ということなのでしょうか?その辺も色々と考えさせられました。
絶望的な状況に追い込まれたイギリス。
最悪のタイミングで首相になってしまったチャーチルが葛藤と苦悩をしながらドイツに降伏しようとしていたイギリスを如何に救ったかというのが全体的な流れです。ただ結局チャーチルはどのような策でドイツを追い込んだか?というのが分からなかったのでちょっと残念だったなぁと思いました。
言葉の力
ノーベル文学賞も受賞した雄弁家、作中で言う言葉の魔術師であるウィンストン・チャーチル。
多少の歴史知識を入れておこうと調べたものの、まぁ色々とありすぎて入りきりません。
他の方のレビューにもありますが、これはチャーチルの政治人生のほんの一幕でしかない。
迷いの無い、時には汚めの言葉で相手を罵ったり、自分の考えでねじ伏せていた頃から、追い詰められ、悩み苦しみ涙するところまで。恐らく歴史を大いに変えたであろう決断を出すまでを人間くさく描いていて、非常に見応えのある、後半部分でした。
前半部分はちょっと入り込みづらいかな、、
政治という、未来永劫あらゆる人間に影響する問題に対して、真摯に向き合うリーダーに出会いたいものです。
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