「言葉に支配されない情景を捉える」君の名前で僕を呼んで Ms. Parnassusさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉に支配されない情景を捉える
フランス語、英語、イタリア語をなんなく操る。
それでも、大事なところは言葉にしない。
想いを書き殴ってみても陳腐にしかならず、
一生友達、と握手してハグしてもその重みはない。
大自然を背にして、ふとした仕草や視線で、
2人だけの世界を作り上げていく様が、
映像作家としてのプライドだと感じた。
ただし、最後の父の台詞は真意。(泣いた)
前段の描写がより対比される。
ホットな題材であるLGBTQだけど、
この作品は必ずしも同性でなくて良かった。
だからこそ、LGBTQへの造詣が深い、愛の形の表し方。
誰が言った言葉に傷付いた、とかネガティブなことも、
感動させるようなテクニックとしての言葉の力も、
言葉は1つの表現方法でしかない。
言葉に支配されていない情景や本質に立ち返って、
映像として捉え直す感覚に気付かされた。
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