「こういう映画を観て泣ける感性がほしい」君の名前で僕を呼んで 映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
こういう映画を観て泣ける感性がほしい
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アカデミー賞のなんとなくの評判と評価を見てピンときて、たいしてあらすじも知らないまま観てしまった。
少年と青年がお互い探り合いながら距離を縮め、気持ちを告白したシーンでああこういう(ゲイの)映画だったんだと気づく。内容的には苦手な部類だし、日常を描くどちらかというと単調な展開だったが、最後まで飽きずに観入っていた。
その理由は、ティモシー・シャラメの演技に尽きる。決して前面に出る演技ではないが、複雑な感情や心情変化を見事に表現し、そして極めつけは最後の暖炉を眺めながら泣くシーンだ。あれだけの固定アップであの微妙な表情を演じきる技術と度胸に大物さを感じた。
間違いなくまたアカデミー賞に戻ってくる、これからの成長に注目したい役者のひとりだ。
作品のメッセージとしては、昨今敏感に扱われるLGBTをテーマとし、父親が息子を慰めるシーンの言葉にすべて詰め込まれているような気がする。
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