ファースト・マンのレビュー・感想・評価
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クレア・フォイが凄い!
ドンピシャの世代なのだ。僕は小学4年生でアメリカが国際中継したNHKのテレビを見ていた。アームストロングがタラップから月面に降り立つシーンは誰が撮っているの?とまず疑問に思ったものだ。そして翌年の大阪万博で何時間も並んでアメリカ館で「月の石」を鑑賞したのだ。ケネディは60年代中に必ず月に人類を送るとぶち上げ、タイムリミットの69年にそれを成し遂げたとされている。ソ連への対抗上もう時間が無かったのだ。映画はほぼ全編ハンディカメラで撮影されていてブレ続ける。狭いロケットに閉じ込められ、発射から大気圏を脱するまで視野の狭いコックピットで暗く揺れ続ける映像とニールの上目遣いのクローズアップがガタガタと延々続く。これが月に最初に降り立った英雄を描くアメリカ映画なんだろうか! アポロ計画の最初にいきなり焼死する3人の宇宙飛行士。その後の国内での反アポロ運動。俺たち黒人は飯を食う金も無いのに白人は国の金で月に行きやがると歌う「whity on the moon」が流れ、それでもアポロ11号は発射されるのだ。デイミアン・チャゼル監督は素晴らしい。主演のライアン・ゴズリングも素晴らしいが、何よりニールの奥さんを演じたクレア・フォイの演技に圧倒される。
アームストロングを追体験
父の映画
うーん、これは…
発射時の船内のギイギイ音がすごい。
やはり、映画らしい映画というべき作品です。
最初のミッションから、ちゃちい機体、設備、
だがしかし、命がけ!まちがえば、即、死が。
毎回命をかけて、アメリカの、いや、人類の期待を背負ってロケットに乗るアームストロング。犠牲にしてきたものは?え、何?犠牲にしてきたものだらけで、今更改めて聞かれてもということでしょうね。何の為に?ロマン?夢?希望?そんなキラキラした明るい何かは、もうはるか昔に忘れてしまい、いったい何をしているのか?自分が今どういう状況にいるのか?
辞めてしまおうか?なんて、考えるスキもなければ、時間もない。失敗、少し成功、また、失敗を繰り返しついに月に到着しますね。
あー、どうでしょう。真っ白?いや、灰色の
色のない世界で、彼は、どう思ったのか??
とにかく、発射時のギシギシガツガツ
ガーガツ!ガツ!ドーンというロケットが
軋む音があまりにリアルで、いいすねー。
大丈夫かあ?分解しない?バラバラにならない?リアルな船内。いやあ、面白い。
息子と最後に握手するシーンが
かなりよかったよかったです。
快作です。セリフも少なく見やすい作品です。
あれから50年
IMAXならではの臨場感
「感じる」映画
冒険主義と家族愛
La・La・Landの監督、主演男優が次に選んだのがこの作品。
実際は、La・La ・Land制作前には2人はこれをやろうと決めていたらしい。華やかなパステルカラーの世界から、モノトーンで寡黙の世界へ。
その幅の広さ、揺れ動きの大きさには感心してしまう。
彼らの頭の中はどうなっているんだろうと感じてしまう。
この映画、ポイントは2つ。
①男子の冒険主義について
②それに対する妻の家族の思い
①簡単に冒険主義と言ってはなんだろうけど、あのアポロの中の衝撃に耐える。それは冒険主義、ヒロイズムがなければ絶対にできないと思う。
記者会見でもアームストロング船長は冷静さを失わない。
いつでも彼はそうだ。そう見える。何か、ポーズのようでもあるのだが。
莫大な国家予算を使って、こんな無駄なことをしなくてもいいのでは?
そんな時も、俺は俺、与えられた使命を果たすだけだ。
ただ、一緒に訓練した仲間が何人も命を失くしたときに、心が動いた。
黙っていてくれ!一人にしてくれと!
気持ち悪くなるほどの衝撃は、それが強ければ強いほど、アームストロングの快感につながっているのではないかとも思える。
②不動とも見える男のカウンターカルチャーとしての家族。
ただ、そんな男のヒロイズムも全然受け入れられないと妻が言う。
「ダメだわとそんなの、一人だけで悦に入っているのは許されないのよ!」
60年当時、今とは全く違う価値観が存在した。一緒に彼の英雄的な姿を賞賛するのが現代的なのかもしれない。でも、当時は違ったと言うべきだろう。
「子供たちにちゃんと説明して!どうなるか、わからない行動のことを」と迫る。そして、子供達の前で説明する一人の英雄がいた。これが本当なのだと思う。
妻を演じたクレア・フォイという女優。生活感があって、とても強いキャレクターを見事に演じているのが小憎らしくもあり、素晴らしくもあった。
衝撃的な映像だけでなく、それを受け取る家族の愛。
それであって、この映画の価値は何倍も上がるのだろう。
宇宙飛行士列伝
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