ファースト・マンのレビュー・感想・評価
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人間アームストロング
冒頭から緊迫感のある映像で引きつけられましたが、圧巻だったのは言うまでもなくクライマックスの月面着陸・月面散歩のシーンです。IMAXで鑑賞したのですが、視界いっぱいのスクリーン、ロケット発射の爆音と月面の静寂の対比など、文字どおり疑似体験をした気分を味わえて大満足でした。
ストーリーとしては、宇宙飛行士アームストロングが月面着陸に至るまでの経緯を、家族や同僚やスタッフたちとの関係を絡めながら描いています。ただ、序盤から登場人物が多く、誰がどういう役割なのかもよく理解できないまま淡々と進み、これらが以降の布石になっているとはいえ、前半はやや退屈な印象を受けました。
しかし、中盤のジェミニ計画の失敗あたりからは、映像的にも内容的にも再び緊張感が高まり、以降はずっとスクリーンにくぎ付けでした。国家間の技術競争の裏で、尊い命が失われているという現実を知ってはいましたが、こうして改めて映像で見せられると、やっていることは、プロジェクトやミッションという名を借りた、ただの人体実験ではないかとさえ思えます。本当にやりきれない思いになりました。
そんな中、月面着陸計画に挑み続けるアームストロングにも、言葉にできないような複雑な思いがあったのだろうと推察します。そういう意味では、ヒーローとしてではなく、一人の人間としてのアームストロングを知ることができる、貴重な作品でした。
50年前
普通に凄くなってます。チャゼル。
前作までのキャッチーでユーモラスでエキサイティングなものを期待するとズレちゃうかも。
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セッション、ララランドのチャゼル新作。
それぞれニーマンとフレッチャー、セブとミアなど、マンツーマンの世界観が印象的.
今回は、"アームストロングと月".
今回の月にはかなり死の匂いがつきまとう。娘の死、仲間の死、月に向かうミッションに対するアームストロングの狂気的な面にスポットを当てている.
実際50年も前、1960年代.
スマホより劣るコンピュータで、月に向かう、どころか、宇宙遊泳ですらソ連に先を越されて、大慌てで宇宙事業のピッチを上げる.
"税金を無意味に使うな"と批判も多い.
犠牲者多い、金かかる、人の役に立たない、こんなミッションですから、狂気だわなww.
"サイエンスと競争は切り離せない".
とNHKのノーベル賞特集でみた。アメリカ、ソ連どちらが先に山を登るのか、、人間の好奇心というか、、カルマというか。
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チャゼルの大好きな所は、1カット1カットがめっちゃ気持ちいい構図だなって、全然飽きないな!!って毎回思ってます。今回もアナログ8ミリ16ミリ、そしてIMAXカメラと最高のカット作ってますwwとにかくリアリティを出す為にほとんどアームストロングの目線なんだよね。だから、自分が月に行った感じ、打ち上げの緊張感味わった、自分月行けたよw
音の表情も良かった、音楽はもちろんジャスティンハーウィッツ!!アポロ、アームストロングの叫びのような音が印象的.
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映画のテンポも良くて2時間20分くらいか?あっという間だったなー。分かりやすいカタルシスはないし、楽しくはないからつまらん人も多いだろうけど、打ち上げの美しさたるや.
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制作総指揮スピルバーグに、脚本ジョシュシンガーって、、、チャゼルの要素は若干薄まって、普通に大作じゃね!?すごくね!?っていう感想。
面白かったけど、前情報詰め込んで行けたからかな…?
アポロ計画を、「月に到着!バンザーイ!」って映画にしない所が良かったです。
デイミアンチャゼルにくいねー。
映像はCGなし?
当時の雰囲気を出すべく16ミリで、宇宙のシーンは70ミリ、ミニュチュアや現物に宛らのセットを組んで撮影とか特撮映画?
音楽も、テルミン、ems VCSシンセサイザー、テープエコーマシーン、モーグa.k.a タンス(復刻をわざわざ手に入たとか)、レスリースピーカー…などなどのレトロ電子音楽機材で作られた人類が月に行く前の「宇宙音楽」感が良かったです。
しかし!
この映画は、ニール・ヤングの人物像を掘り下げて描いた映画の為、SFムービーと思って観に行くと、ちょっとしんどいかな…。
ライアン・ゴズリング&デイミアンチャゼル・コンビだけど、ララランドみたいなんではないので。(当たり前か)
フィルムのサイズや音楽機材ネタを前情報で先に仕入れていたからこそ、楽しめた…かな。(笑)
でも、音楽が良いので映画館で観ないと思います。
私はレイトショーだったのですが、5人ぐらいしかいなかった…。
あまりロングランは期待できなさそうなので、早めに観に行く事をオススメします…。
一人の人間、ニール・アームストロング
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」と言ったニール・アームストロングを「一人の人間」としてのみ描いた、「人類」がどうとか一切の興味がない、チャゼルイズムがまざまざと刻印された作品。ファンとしては傑作としか言いようがない
カメラはしばしば寄り(時に意地悪く、素っ気なく引き)、揺れ(震え)、ドキュメンタリーのようにリアルに演出された1969年の「宇宙の旅」は硬質で死の匂いが付き纏う。神秘的かつ無機質でありながら生命を感じた『2001年宇宙の旅』(1968年公開)のそれとは決定的に違う
事実に基づく作品でありながら、エンドロール前に『フレンチ・コネクション』風の字幕がなかったのは意外だった。しかし、それをしないのもチャゼルイズム、すると「人類」にとってどうというニュアンスが入ってしまう
重い…
何度も襲ってくる恐怖とストレス
普通の人間ができる事ではあり得ない
娘や友の死
自分が死ぬのが怖いんじゃなくて、自分が死んで家族や友に、同じく悲しい思いをさせるのが耐えられない
旅立つ前夜の妻の言い分
涙が出る
そして月に置いてきた遺品
娘への敬意と共に歩んだ証
鳥肌全開で泣けた!
良い映画だと思う
冷戦抱えてる時の空気感とか、飛行士の心理みたいなのが、物静かに描かれていて、飛行シーンや事故のシーンもノンフィクションらしく、丁寧に作られた映画という感じで、好印象。
なのだけど、やはり長い。途中睡魔との格闘は避けられなかった。個人的には、ジェミニ時代とアポロ時代に分けて、1.5hづつの2部構成でもよかったんじゃないか、とか思った。
究極の疑似体験
人類初の月面着陸に至るまでを描いた実録映画。
寡黙なニール・アームストロングを演じるのはライアン・ゴズリング。
彼の演技、特に繊細な表情芝居がとにかく素晴らしい。
人前では決して感情的にならないニールの、誰も知らない辛さや恐怖、葛藤が痛いほど伝わってきて、ドラマにグッと引き込まれた。
彼を英雄として描くのではなく、等身大の男として最後まで描ききっているのも好感が持てた。
ロケット発射シーンはもはや恐怖映画。
これは一種のVR体験に近く、大気圏離脱までの緊張感がとにかくリアル。
60年代アナログシャトルの頼りなさ、風防から見る死と隣り合わせの宇宙の冷たさ。
これらは間違いなくスクリーンでしか味わえまい。
過酷な訓練の日々、家族との別れ、友の死。全てを乗り越えた先にたどり着いた月の大地。東西冷戦の代償を個人が背負うにはあまりに重すぎる。
これがノンフィクションだというから改めてその偉業に驚かされる。
ぜひスクリーンで体感してほしい。
偉大な偉業を改めて学ぶことができる貴重な映画
1969年(昭和44年)7月、『一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。』という名言を残したこれまであまり明らかにされなかった無骨で無口な英雄の物語。この映画を観る前には60年代アメリカの歴史的背景を把握していたほうが心に迫る。米ソ冷戦が最も過激化するな中、宇宙開発競争でもソ連の後塵を拝し続けて焦る国家、一方で泥沼化、歴史的敗戦を喫するベトナム戦争で疲弊する国民。偉大な偉業を改めて学ぶことができる貴重な映画。
一体、何のために…
なんとも閉所恐怖症になりそうな、余りにも過酷で、息苦しくて怖い映画だった
人類が始めて月に行く映画なのに、解放されるどころか息苦しいなんて
夢と希望にあふれているはずの人類初の月旅行の現実は、恐怖に満ち溢れたものだった
この映画を観る前の私はワクワクしていた
アームストロング船長が「人類の偉大な一歩」を踏み出すまでに、どんな冒険をしたんだろうかと、「感動待ち」の状態だったからだった
しかし、現実は、私の思いとは180度違うものだった
人類で初めて月に降り立ったアームストロング船長は、感情を押し殺し、実験のような任務をひたすら遂行することを求められていた
常に、死の危険と隣り合わせで、いつしか笑うことさえも忘れてしまう
任務の後、無事に家に帰れるかさえもわからない毎日
そんなアームストロング船長の姿を観て、まるで、戦地に向かう兵士のようだなと思った
ただソ連に勝つために、危険な訓練を重ね「月面着陸」というゴールだけを目指す
そのために、平気で人命を犠牲にしていた当時の冷戦は、確かに「戦争状態」だったのだろう
そして、最後まで見終わった後「この月面着陸ミッションは本当に必要だったのか」と考えてしまった
現在では、月の利用価値がないことが分かり、人間が月へ行くことをやめてしまったけれど、本当はこの当時から、利用価値がないと分かっていたのではないだろうか
ただソ連に、共産主義に勝ちたかっただけではないのか
みんなが、ただJFKの夢を叶えるためだけに、彼の演説は正しかったと証明するために、命を犠牲にしても必死になって、ソ連と競っていただけではないのか
この当時の人たちの苦労や犠牲があって、今では宇宙旅行に行けるようになったのかもしれないが、人命を犠牲にしてまで、宇宙旅行というのは、必要なことなのだろうか
私はそこまでして、宇宙旅行が必要だとは思わない
なんだかやりきれない気分になってしまった作品だった
重苦しい一作
華やかなイメージのアストロノートだけど、とても暗く重苦しいアームストロング家。娘の一件が大きいがニールは既にあんな感じになっていた。しかし、選ばれし者だが、明日をも知れない命。それにしてもあのラストシーン耐えられない重さだった。
演出も、演技も素晴らしかった。
圧倒的臨場感
冒頭から、強烈なGを感じさせる臨場感。
打ち上げ等のシーンでは、同様に手に汗を握った。
閉所恐怖症に私にとっては、少々気分が悪くなるほどだった。
私は、アポロ世代。
ドッキングのシーンや月面着陸はテレビに噛り付いて観ていた。
リアルな映像に心躍ると同時に、成功の陰には数々の犠牲があったことを認識させられた。
勿論当時は子供だったが、大人目線で観ると疑問も感じざるを得ない。
あの頃は私が大人になる頃には火星に行けるのでは?と思ったが、
火星どころか月にさえ行けなくなった現状はそういうことなのだろう。
ストーリーとしては、ファーストマンの足取りを丹念に描いている。
そこに家族、特に幼くして亡くなった娘への想いを絡めている。
娘の遺品と共に月に行き、月面に葬るシーンは心に沁みた。
娘を持つ親としてそこには感情移入して涙してしまったが、
いささか盛りだくさん、欲張り過ぎで冗長、散漫になった観は否めない。
また、娘への思いに比して他の家族、特に妻への配慮は置き去りになっていて心が痛んだ。
個人的には、もっと家族にフォーカスを当ててほしかった。
アポロ11号打ち上げ以降はほとんど家族は描かれず、残念だった。
やや冗長だったところを除けば、おおむね満足。堪能した。
事前学習が必要かと
ドキュメンタリーぽくするために、ほとんどのカットをハンディカメラで撮影しているので、画面が常に手振れ状態!これは正直疲れた。船酔いする人は見ないほうが良いかも。また、登場人物が皆、ファーストネームで呼ばれるので、そこも分りずらい。ガス=グリソム、エド=ホワイトなど。歴代の宇宙飛行士の活躍を描いたライトスタッフや、ドリーム、さらにはアポロ13のようなワクワクするような高揚感がまったく無い映画。私が小5の時に体験した人類の月着陸!アームストロング船長はウルトラマンと同じくらいのヒーローでした。当時は、小学生の自分でも何冊もの本や雑誌、さらにはTVでもう専門家のような知識を詰め込んだものです。マーキュリー計画、ジェミニ計画、そしてアポロ計画と、ソ連との冷戦の最中の宇宙開発競争。先に上げた3つの作品のうちどれかをご覧になられて本編を鑑賞された方が良いと思います。期待が大きかっただけに少々がっかりした作品でした。
淡々と重厚
ドキュメンタリー好きの私としてはとても当たりの作品です。
結論だけは知っているストーリーに対して、観賞者とは言え完全受け身で観るつもりはない。
当時の英雄たちのことを勝手に想像を巡らせて、宇宙に、月に、その壮大だったプロジェクトに、心を踊らせて入り込んでいくのです。
そして良くも悪くも想像と異なる事実や心情を目の当たりにして心をかき乱され「映画」の世界を堪能します。
今回は主人公は多くを語りません。
想像の余地がたっぷりです。
カッコつけて言うなら行間を読む作品です。
役者の一挙一動に引き込まれるとても相性がいい作品になることもあれば、まったくシンクロできずに眠気を耐えるだけのこともあります。
今回は前者でした。
各俳優陣が本当に良い演技をしていたと思います。
ストーリーは数年の出来事が淡々と進みますが、要所での息がつまるような葛藤が重く重くのしかかってきて心地よい疲れを感じました。
ドキュメンタリーがお好きなら観て損はないと思います。
派手さは一切無し
史実(伝記)ベースのため、無駄な誇張無しで淡々と描かれている感じ。
BGMを無くし静寂で宇宙の冷たさが際立つシーンが印象的。
宇宙シーンは主観が多いからか、何が何やらとなる映像が多いように感じた。
実際にその場にいたらあんな感じなのかもしれないが、見易くはない。
何気にスピルバーグの名をエンドロールにて気付く。
今では当たり前のような宇宙でのミッション。アポロ11は半世紀も前の...
今では当たり前のような宇宙でのミッション。アポロ11は半世紀も前の、月面着陸という生還率が高くない人類初ミッション。その当時の主人公、家族や周りの人たちの緊張感、葛藤、複雑な社会環境の様子が伝わってくる
今までのアポロ映画とは違う視点で描かれている。
クレア・フォイが凄い!
ドンピシャの世代なのだ。僕は小学4年生でアメリカが国際中継したNHKのテレビを見ていた。アームストロングがタラップから月面に降り立つシーンは誰が撮っているの?とまず疑問に思ったものだ。そして翌年の大阪万博で何時間も並んでアメリカ館で「月の石」を鑑賞したのだ。ケネディは60年代中に必ず月に人類を送るとぶち上げ、タイムリミットの69年にそれを成し遂げたとされている。ソ連への対抗上もう時間が無かったのだ。映画はほぼ全編ハンディカメラで撮影されていてブレ続ける。狭いロケットに閉じ込められ、発射から大気圏を脱するまで視野の狭いコックピットで暗く揺れ続ける映像とニールの上目遣いのクローズアップがガタガタと延々続く。これが月に最初に降り立った英雄を描くアメリカ映画なんだろうか! アポロ計画の最初にいきなり焼死する3人の宇宙飛行士。その後の国内での反アポロ運動。俺たち黒人は飯を食う金も無いのに白人は国の金で月に行きやがると歌う「whity on the moon」が流れ、それでもアポロ11号は発射されるのだ。デイミアン・チャゼル監督は素晴らしい。主演のライアン・ゴズリングも素晴らしいが、何よりニールの奥さんを演じたクレア・フォイの演技に圧倒される。
アームストロングを追体験
美術チームすごい。
一気にあの当時にタイムスリップ
粗い画面が一層雰囲気を盛り上げる。
その時分に作成された
ドキュメンタリー映画の風合い。
生あるうちには
おそらく経験できないことを
追体験させてくれる映画。
月面が思いの外ショボかった。
父の映画
16ミリで撮られたシーンの手触りが示すとおり、徹頭徹尾ニール・アームストロングという男を描いた、彼の家族を描いた映画であり、彼が父になる瞬間(妻に迫られてではあるけども)を描いた映画でした。
そして、ジェミニ計画やアポロ計画はその背景としてあり、彼が見た風景として描かれる。だからこの映画の画角は正しいのである。
あるが…
いやもっと見せてよ!寄りすぎだよ、デイミアン・チャゼル!!せっかくIMAXなのに!!!
ということで、「ライトスタッフ」が観たくなりました…
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