ファースト・マンのレビュー・感想・評価
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月面着陸の人間ドラマ
ダラスで狙撃によって暗殺されたジョン・フィッツジェラルド・ケネディは、今でも人気のある大統領で、空港や原子力航空母艦にもJFKとして名前を残している。アメリカ人は日本人以上にミーハーなところがあると見えて、若くスラッとしてハンサムな大統領がカッコいいと思っているのだろう。
しかし彼の有名な演説の一節「国が国民に何ができるかではなく、国民が国のために何ができるかを考えてほしい」という言葉から、実はそれほど頭のよくない全体主義者であり、楽観主義者であったことがわかる。もともと戦争の英雄で、政治に長けているわけではなく、マリリン・モンローと浮き名を流すだけが精一杯だったのだ。
そしてそのケネディが強力に推し進めたのがアポロ計画である。彼は演説で、登山家が山に登るのと同じように、そこに月があるから行くのだという、情緒的なことを言っている。たしかに、見たことのないものを見てみたい、行ったことのない場所に行ってみたいという気持ちは多くの人にあるから、その点は納得できるが、国民の税金の使い道を決める政治家としては、行ってみたいから行くのだという演説は、国民の理解を得るにはあまりにも子供じみていた。
大統領が国民を十分に納得させることができなかったおかげで、アポロ計画に関わる人々は、肩身の狭い思いをせざるを得なかったが、実際に従事している人々は自宅とNASAの行き来だけだから、それほど悩まされることはなかっただろう。むしろ大変だったのは家族の方である。近隣や学校との関わり合いの中で、世間の批判に曝されていたはずだ。
映画はその辺りの様子も上手に描いている。ニール・アームストロング船長の妻を演じたクレア・フォイの演技は実に見事で、いろいろな葛藤を抱えながらも夫を支え、子どもたちをちゃんと教育するヒロインの姿がとても立派に見えた。
ライアン・ゴズリングはラ・ラ・ランドとブレード・ランナー2049を観たが、ずいぶん器用な俳優である。数々の過酷な訓練や事故、同僚の死など、とにかく様々なことを乗り越えるアームストロング船長を完璧に演じきった。映像と音響も臨場感に満ちた迫力のあるもので、観客の誰もが主人公に感情移入し、まるで自分が月に行ったような気になる。映画が終わった途端に大きく息を吐く音が客席のあちこちから聞こえた。
月に行くことにどんな意味があったのかはひとまず置いておいて、不安と恐怖を克服して人類として初めて月に行ってそして帰ってきた彼らは、確かに英雄であった。月面着陸という誰もが結末を知っている歴史をもとに、繊細な人間ドラマに仕立て上げた傑作だと思う。
宇宙計画の過酷さ
ただの月面着陸万歳ではない
無事に帰れる保証は100%ではない、死と隣り合わせの危険なミッション。
過酷な訓練、事故による仲間の死。
それでも月を目指すのは何故なのか。
無事を祈るしかない、ただ見守る事しか出来ない家族。
主演のライアン・ゴズリングは、冷静沈着、真面目で慎ましやかなニール・アームストロングを上手いこと演じ切った。
顔のアップのシーンが多用されていたが、少ない台詞ながら、その表情から感情がじゅうぶんに伝わってくる。
そして、アームストロングの妻、ジャネットを演じたクレア・フォイは、『蜘蛛の巣を払う女』では物足りなさを感じだが、この作品での演技はとても印象的だった。
劇中の音楽は一つひとつは良いのだが、それぞれのシーンに必ずしも合っているとは言えない。
派手さを抑えた映像がいい雰囲気を出しているだけに残念だ。
月面着陸の偉業だけが讃えられるが、多くの犠牲や悲しみの上に成り立っていることを忘れてはいけない。
そんな作品でした。
痛みに耐えてよく頑張った!感動した!
今年のファーストIMAXは…
50年前に初めて🚀🌕月に降り立った人物
🇺🇸ニール・アームストロングの実話
🎬"ファースト・マン"
前人未踏のミッションは、簡単に成し遂げられず、
様々な犠牲を払いながらも前に進まなければならず、
重圧に押し潰されず達成する姿は、尊敬に値します!
俯瞰で見せるシーンを極力減らし、まるで一緒に宇宙体験した感覚に!
寡黙な主人公を演じさせたら右に出るものなし!
のライアン・ゴズリングの演技はもちろん、
妻役のクレア・フォイが素晴らしい!
MYアカデミー賞受賞です。
これまでに実話を映像化したそれぞれの作品
🎬"ライト・スタッフ"での飛行士や家族との絆!
🎬”アポロ13”でのハラハラドキドキ!
🎬”ドリーム”での大・感・涙!
全て入ってます!
デイミアン・チャゼル監督は、まだ34歳にも関わらず、
いろんな作風が撮れる監督で次回作も楽しみです。
MY"ポスト"スピルバーグ確定!
淡々と話が進む・・・
うーん、普通。
魂を震わす本物の作品
恐らく賛否分かれる作品であろう。
すでにレビューであるように、人類の挑戦に心打たれる人あり。
または、あまりの単調な流れの作品に退屈してしまう人あり。
様々であろう。
しかし、この作品は私にとって、魂を打ち震わす最高の内容であった。
結論は当然知らぬものがいないのに、誰だって分かりきっている答えがあるのに、でも、こんなにも心を奪われてしまうとは思わなかった。
内容は本当にシンプルだし、SF映画の様な派手さも、ひねりも、劇的な逆転劇だってありはしない。
ただ、人類の進歩のために、命をかけて夢を追い続けた人たちがいたんだ。
そのただ真剣な生き様に、ただただ心が震えてしまっていた。
私は、アクションだって好きだし、SFももちろん、宇宙映画ではスターウォーズにスタートレック、宇宙戦艦ヤマト、アルマゲドン、そうした作品だって大好きだ。
単調に流れていく映画だけを愛しているという訳ではない、いやむしろ私は内容よりも、派手さやひねり、ストーリー展開のエキサイティングさに心踊るタイプだ。
けれども今回は違った。
命をかけるとか、夢を追うとか、努力するとか、そんな言葉の重みをこの映画を観るまで分かってなかったかもしれない。
人類史に奇跡を起こしてくれた、命をかけたアメリカ人に敬意を払いたい。
人類は、明日も未来に向けて永遠の挑戦を続けてゆくのだろう。
静かぁ〜に淡々と
新たなデイミアンチャゼル節
アポロ計画とは
静かな作品でした
船長、面白くないです
演出、音響、映像全て最高の映画。特に月面の表現は息を飲む美しさ。
ただし以下の欠点を除けば…。
実在の国家的英雄を描く以上、下手な脚色が出来ないのはそりゃ仕方ないですけどね。
ハッキリ言ってつまらない。特に、アームストロング船長のキャラがつまらないのが最高にイタい。
アポロが旅立ってからは流石に面白いけど、少なくとも旅立つまでの1時間半は、とにかく 退 屈 だ。
そもそも実際のアームストロングも、クソ真面目であんまり面白い人じゃなかったらしいですね。
結局、アームストロングが無条件で尊敬される国あるいは世代でのみ有効なドキュメンタリーなんですよ。事実って退屈だよね。
ところで船長、アポロの25年後に離婚したらしいですね。事実って面白いよね。
宇宙…それは人類に残された最後のフロンティア
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