ファースト・マンのレビュー・感想・評価
全365件中、141~160件目を表示
凄まじい臨場感と人間ドラマ
16ミリのザラザラした質感とクローズアップで描く狭いコックピットの臨場感は凄まじい。今から見るとあまりにローテクな計器類。轟音と振動、そして呼吸音。大気圏を抜けると、一転して無音。音響効果が素晴らしい。 ドラマ部分も節度をもって的確に描いている。長男との握手シーンにはぐっときた。 これだけの技術と構成力で人間を描けるチャゼル監督は、クリント・イーストウッドの後継者と言える。これからの作品が楽しみ。
月に行く ということ
冒頭シーンから手に汗握る緊張感で映像に引き込まれた いくつもの不幸な出来事がありアームストロングの不安や葛藤が映像を通して感じられ、そしてロケットで宇宙に打ち上げられ遂に月面着陸を果たすわけだがそれも見事に体験させられた 今や当たり前のように宇宙に行く時代、民間人でさえも宇宙旅行が現実味を帯びてきている時代 誰もが初めて月面着陸した男のことは知っている 多大なる犠牲があったことも知っているかもしれない しかし、本当にその偉大なる業績の裏にあった出来事に想いを馳せたことがあるだろうか? 現実に起こりその時に感じたことのどれほどを体感できたかは分からない しかし、宇宙に行く、月に降り立つということがどういうことかを垣間見れたことは僥倖であった。
チャゼルの作品で一番好きかも
国家的プロジェクトであるアポロ計画。人類で初めて月に降り立ったアームストロングというアメリカの英雄。そうした物語を大上段に振り下ろさず、カメラは被写体との距離を詰め、限定的な視点に留まり続けることで、個人/家族の普遍的な物語として"着地"させる。これがいい。 ミニチュア撮影やスクリープロセス、プロダクションデザイン、16mmと70mmフィルムの併用、当時の音声や音楽などなど、相当に作り込まれており、限られた予算で大作の風格と質感を導き出せている。被写体とのコンパクトな距離感ゆえにそれらを十全に"見せない"という…ある意味贅沢な作品だ。 これ系の作品は様々あるが、コックピット内の窮屈で息苦しい描写は群を抜いて素晴らしい。なんというか「人間が乗り込む為の座席」というより「飛ぶために必要な諸々の機械類の間にできた僅かな空間」に押し込められる感じがモロに出ている。IMAXの大画面で鑑賞してるのにめっちゃ息苦しいわ!ていう。 真実か否かは誰にも分からないからこそ、あの月での行為は受け手によって感想が違うだろうな。月面到着までの長い長い訓練・試練の旅路は、そのまま(個人的な、あまりに個人的な)喪の旅路と二重写しになる。『プラネテス』のユーリのエピソードを自然と思い出して心のダムが決壊しそうだった…。 ライアン・ゴズリングは男前だけど、どこかボーッとしていて何考えてるかわかんない感じあるので、冷静沈着で虚無を抱え込んだアームストロングを演じるのに適していたと思う。何より妻を演じたクレア・フォイが素晴らしかった。大きな瞳と繊細な表情でより感情がダイレクトに伝わってくる。
宣伝が良くない —- 合う人には名作、是非お勧め
宣伝戦略で損してませんか?? 「ラ・ラ・ランド監督最新作」「心踊るミュージカルから、舞台は壮大な宇宙へ!」 チラシのトップはそんな宣伝文句ですが ララランド的な映画を期待して観に行った人は騙された気分になるでしょう 逆に私は、アポロ計画をミュージカル仕立てにしたのか? と思って観に行くのを躊躇してました。観てても途中まではいきなり歌い出すのかとしばらく身構えてましたよ 歌や踊りは一切ありません いわゆるラブロマンスものでもありません 今から50年前、人類で初めて月面に降り立った宇宙飛行士ニールアームストロングの実話にもとづく物語です まず超音速機や宇宙船というものが物凄く狭くて、まるでブリキの繋ぎ合わせで空中分解するのではと思うくらい計器も読めないくらい終始ギシギシガタガタ振動しまくり(大気圏外に出るまでは)、また制御不能に陥ったりする。そういう描写がすごいです そしてそういう絶望的な状況のなかでのニールの操縦 しかし下界に生還して、そういうことを声高に自慢したり騒ぎ立てて訴えたりする人ではありません そういう人間としてのニールを描いた映画です ジェミニ計画の選抜面接でニールは「我々はなぜ宇宙に行くのか?」という主催の質問をされます。それに対する彼の返答がこの映画の大きなテーマだと思います 実話ベースですからフィクションのような派手な物語の展開はありません。なのでそういうものを期待する人には向かないと思いますが 通常のSFなどとは異なるリアルな宇宙への挑戦 そしてある意味非アメリカ的とでもいうような男の姿 彼が月面で見たもの そういう映画として、映像・カメラワーク、音響、脚本演出、どれも非の打ち所のない、間違いなく名作だと思います 興味があるかたは是非映画館でご覧になることをお勧めします。家では100インチの防音シアタールームでもお持ちでなければこの体験は難しいと思います 自分は一度見て、翌日もう一度見に行きました。こんなことをしたのは初めてですが。二度目で分かっていても最後にはグッときてしまいました 原作は、それまでほとんどの取材を断り続けたニールとの単独インタビューを何十時間も行なって書かれた伝記だそうです。読んでみたいと思いました
チャゼル、ライアン、ジャスティンというゴールドメンバー
ラ・ラ・ランド感は否めませんが、それが上手くアームストロングのドキュメンタリーに溶け込んでいます。ちょっと長いですが、ドキュメンタリー番組を観てると思えば楽しめる映画です。
2019年ベストムービー!
素晴らしい物語だった。 アポロ計画の苦悩と、アームストロングの家族や仲間たちの苦悩が上手く対比されて描かれており、2時間以上を飽きさせなかった。 ただ、アポロ計画そのものが是であったのかは疑問に思った…莫大な税金が注ぎ込まれた事はよくわかった(笑) 今年を代表する1本に間違いない。
心と身体がブルブル震えた!
オープニングからブルブル震えて何度も椅子からずり落ちそうになった!
久し振りに4DXで観たからなんですが…
芝居のシーンで余計な椅子のブルブルが無く、メリハリが効いてて良かった!
ストーリーものめり込んだ!
娘の形見をクレーターへ…
これから娘さんがずっと月から見守ってくれるね♪
思ってたのと違ったー
ララランド大好き!これはみるっしょ!!
宇宙モノといえば、アポロとかなんかもう打ち上がるだけで涙でちゃう〜!
とおもたら、葛藤系だった…。
偉業なんだけど、孤独との戦い。家族、仲間の死。こちらを描いてる映画。
こんなに手動で動かしていることに驚いた。
レイトショーで観たからちゃんと静と動。しっかり感じる静かさだったけど、長いんじゃー。とにかく長いし抑揚がない。実話だからしょうがないんだけど、正直帰ろうかとおもた。仕事後には不向き。
敢然とした態度は哀しみを知る故なのか…
失敗は訓練の中でより多くする。 この映画が語りたかったことの全てのような気がする。 しかし、誰も知らない場所へ行く勇気などは 世捨て人にでもならない限り、湧いては来ないだろうに。あとは無神経な英雄願望者か? でも、アームストロングには名誉欲のカケラは見出せない。残るはケネディのあの演説なのか? そんな事を思い浮かべては否定して、分からない。 ただ、アレから半世紀近く時は流れて、月には誰も住んではいない。
月までの苦難の疑似体験型映画。
イオンシネマ草津にて、父親と一緒に2D字幕版で鑑賞。 「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」との有名な言葉を残した、人類で初めて月に降り立った、アポロ11号の宇宙飛行士ニール・アームストロング船長を、「一人の人間として」彼の半生を描き映画化した作品でした。 ただ、これまでの『セッション』や『ラ・ラ・ランド』といったデイミアン・チャゼル監督の過去の2作品から、エンタメ性や映画的なカタルシスを求めて鑑賞に出向くと、淡々としたドキュメンタリータッチなお話しの起伏の少なさから、やや退屈な作品に感じられたり、眠たくなってしまう観客もお有りの様ですが、この作品は、エンタメ性よりも、宇宙飛行士を主観に捉えた独特なカメラワークによって、死と隣り合わせの恐怖感やコックピット内での圧迫感まで感じ得るかの如く、すごくリアルに再現されていて、彼と共に月面着陸までの過程を追体験するかのような、終始抑えめながらも緊張感が続いていくといった、まさに疑似体験映画にもなっていました。 疑似体験型映画と言えば、あのクリストファー・ノーラン監督の戦争映画『ダンケルク』(2017年)を想起しますが、あちらの方はハンス・ジマー作曲による激しい劇伴と効果音を響き渡せることで、死と隣り合わせの恐怖感を継続的に演出していましたが、こちらの『ファースト・マン』の方は、全くその真逆で、申し訳なさそうなくらいにジャスティン・ハーウィッツ作曲の旋律が静かに流れていき、これはこれで緊張の糸が張り詰めるような静寂感により、徐々に真綿で首を絞めるかの如く、死に対する恐怖感・緊張感を見事に演出していました。 ニール・アームストロング船長による月面への第一歩も、例えば、もしも、あのロン・ハワード監督が撮っていたとするならば、もっと映画的なカタルシスを得られるような劇的なエンタメ性に富んだ描き方をしたのかも知れないでしょうけれど(苦笑)。 今回のデイミアン・チャゼル監督の場合には、淡々とした描き方ながらも、ニール・アームストロングが参加した、このジェミニ計画からアポロ計画の幾多の試練の間に、亡くなっていった同僚たち、また幼くして亡くなったニール・アームストロングの娘の命も悼みながら、この<生命の宿る星・地球>と対極にある、既に死んでいる惑星でもある月を<死後の世界>と、ある種の隠喩を持たせていると、監督もインタビューでも答えられてる様ですが、単なる半世紀前の彼らの偉業を追体験する作品にとどまらず、人生を変えてしまうほどの喪失感や数え切れないほどの悲しみを抱えた男が、<月=死後の世界>に行ってまで愛する我が子、そして共に歩んだ仲間達の想いを遂げようとする姿を描いた誠実で壮大な人間ドラマとして演出し撮っている点にも好感が持てる作品でした。 親しくして頂いている、映画ブロガーのemiさんの「いつ星屑になってしまうかも分からない男とその妻と子供たちが、どうやってリアルライフを継続させていくのか。帰宅しても家族とギクシャクするニールは、現実社会に馴染めない帰還兵とちょっと似ている。」という意見も目にしましたが、(この作品の劇中には、生憎と詳しい説明がないですが)、ニール・アームストロングが、朝鮮戦争で実戦経験がある優秀なパイロットでもあった、その彼の精神力を以てしても、米ソの間の宇宙開発競争の中、次々と多大な犠牲者を出し、その上、世論はNASAの開発費は税金の無駄遣いとデモや集会が実施されるなどしていれば、PTSD障碍までに至らなくても、かなり精神状態もおかしくなり、家族ともギクシャクするのも分からないでもないと思われました。 また、我慢していた妻のジャネット役のクレア・フォイが、逃げてばかりの夫のニール・アームストロング役のライアン・ゴズリングにビシッと言うところが良かったでしたね。 夫婦だけならばそんな夫をそっとしておいてあげるのもいいのかも知れないですが、子供がいて、またそれ相応の年齢に達しているのならば、帰還できないかも知れないという事の説明義務は親として当然あるべきでしょうからね。 ライアン・ゴズリングの演技と相まって、あたかも『ブレードランナー2049』のレプリカント(?)と言った様にも受け取れるくらいに、最後まで感情をあらわにすることなく非常に感情表現が不器用なニール・アームストロング像でしたが、この静かな演技により、細やかな心情を表現してくれていたかと思いましたし、最後のガラス越しに妻のジャネット役のクレア・フォイと遣り取りするラストシーンも個人的にも好きですね。 宇宙空間もの映画では、やはりIMAXも良さげですが、4DXやMX4Dならばジェミニ8号のトラブルの際の臨場感も半端なさそうですね。 ロケット発射時の<轟音>と、荒涼とした月面の<無音>の静寂感が、死との恐怖感、そして、実に、この世とは隔絶した感覚にさせられました。 ですので、ドルビーアトモス若しくはIMAXなどの出来る限り、音響効果の優れた設備の劇場でご覧になられる事をオススメします。 ただ、ちょっと欲を申せば、お話しの起伏が少ない分、141分という上映時間が長尺に感じてしまったので、編集上、もう少し短くなれば良かったかなとは思いました。 私的な評価と致しましては、 「この主人公ニール・アームストロング像に共感出来ない。」と言った意見も一部に散見しているようですが、私個人的には、この抑えめながらも持続し続ける死と隣り合わせの緊張感・恐怖感を映像から疑似体験していて感じることは、主人公のニール・アームストロングの置かれている状況を鑑みると、あの様な現実社会に馴染めない様な不器用な性格であっても然るべきでしょうし、当時のアポロ計画のコンピュータは初代の任天堂のファミリーコンピュータの性能よりも劣るくらいの物だったことからすれば、死をも覚悟して、人類初の偉業を成し遂げに行った<一人の人間として>の誠実で壮大な人間ドラマとして実に秀逸だったと感じました。 賛否両論が大きく分かれているみたいですが、歴史的偉業でありながら、劇的で映画的なカタルシスを得られないような演出が見事過ぎるぐらいに淡々としている点が素晴らしかったですね。 あくまでも<一人の人間として>のニール・アームストロングを描いていたのでしょうね。 ですので、五つ星評価的には四つ星半評価のほぼ満点の★★★★☆(90点)の高評価も相応しい映画かと思いました次第です。
映画館で月に行ける
映画館で見た方はきっとわかると思う。 月に降りた瞬間の気持ち。映画館にいるはずなのに一瞬呼吸すらしていいものかと思うほどの空間に変わる。 一度でも宇宙や月に興味を持ったことのある人ならば充実した気持ちにしてくれる映画であることは間違いない。月に行く過酷さそれを支える家族の気持ちがストレートに伝わってくる映画です。
ロケットの轟音と宇宙の静寂
すごく良かった。いいポイントは沢山あるけど観る人に解釈を委ねる映画だと思う。一つだけ言えるのは出来るだけ良い環境の映画館で観て欲しいということ。ロケット発射の轟音と振動、映画館にいるのに目を開けてるのかわからなくなる漆黒の闇と静寂は家じゃ味わえない。
映像に圧倒された!
まず映像に圧倒されました。映画館のスクリーンで観ると、まるで自分がロケット乗って体験してるかのようなリアルさ。ストーリーも実話を元に淡々と描かれていきます。クレア・フォイの妻として母としての演技がとても引き込まれました。
アポロ十一号
初めての月面着陸に至るまでの長い長い10年間。 「祝 到着!」って浮かれる訳ではなく、そこにたどり着くまでの家族や友人達の犠牲が重い。 狭い船内と、耐久性が心配で血圧があがりそうでした。 閉所恐怖症の人には辛いかも(笑)
全365件中、141~160件目を表示