ファースト・マンのレビュー・感想・評価
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無音の効果
一言「人類初めの一歩には、長い助走があったのね」
「アポロ13」等宇宙物に外れはないよなあ、と見始めました。
◎よかった点◎
・宇宙進出で、ソ連に負け続けているアメリカ。
負けてはいられないと進む「ジェミニ計画」→「アポロ計画」。
そこまでには沢山の失敗・犠牲があったのを知って。
人の命を犠牲にしてまでも、進めなきゃいけなかったのか?。
考えさせられました。
・アームストロングの悩める人間像が、ゴズリングの哀しい表情に出ていたのが。
キャスティングぴったり。
「帰って来れない時の心づもりを、子供たちに話して。私はもう嫌」。
妻の言葉もなるほど、そうだよな。
・音の使い方が素晴らしい。
宇宙を漂う「ランデブー」風、初期実験での船酔いしそうなくらいの揺れの音(と映像)。
結果が見えない「悲壮」な音楽。
以上を踏まえての「無音」のシーンも結構あって。効果バツグン。
・月に降り立つ時に、アームストロングが見つめた月のクレーター。
悲しみを背負ってきた彼自身の心のクレーターだったのかもしれない。
△いまいちな点△
・地味です正直。なかなかアポロ11号飛び立たないし。ここが意見分かれそう。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「我々は月へ行く。簡単だからではない、困難だからだ」byケネディ大統領
スーパーヒーローの偉業を称える映画じゃない
映画が始まって直ぐに、
テスト飛行のミスと、カレンの放射線治療〜嘔吐するシーンが連続する
もうこの時点で本作が普通のヒーロー物語じゃないってことは分かった
歴史的偉業を成し遂げたヒーローに対して、
You,made it !! Yeah!!!!!って騒いでカタルシスを得る類の映画じゃなかった
これは最愛の娘を喪失した家族の物語
2歳か3歳くらいの本当にかわいい盛りの女の子、ただただ不憫で仕方がなかった
子を持つ親なら 身につまされるし、その想像が胸を締め付けた
ついに月に降り立った時に、
とても小さなカレンのブレスレットを宇宙へリリースしたニール、
あの瞬間に、閉じ込めていた感情が涙と一緒に溢れてきて、
やっと カレンの死を受け入れたと思う
もしかしたらカレンの死を境に、ニールはPTSDをずっと患っていたのかもしれない
月への到着で その病からやっと治癒へと向かい、
ジャネットと心から相対できるようになったと感じた
もうちょっと濃く、
みんなが知ってる、月に最初に降りた宇宙飛行士の話。
その個人のこと、時代背景、打ち上げまでの過程などしっかり描かれているも、どうも物足りなさも個人的には感じた。
そして残念ながら、宇宙に出て月に向かう途中もあっけないかんじ、着陸して月面での時間もそこまで割くわけでもなく、また、帰り道の帰路を描くでもなく、あっけなく終わってしまった感はある。
こんだけいい話、歴史的なストーリーなんだから、もうちょっと内容や描き方が濃くてもよかったんではないか、と思う。
前半のほうが好み
1950年代末になるんでしょうかね、冒頭のシーンは。とにかくこのころの宇宙飛行士ってのは正気の沙汰ではつとまらん商売だなーと思うわけで。まあスカイツリーの外壁掃除も自分にすればある意味極限状態での業務だけど。でも命綱すらなく先人もほとんどおらずまったく安全も保障されていない失敗したらゴメン(家族への手厚い支援とかはあるんでしょうが)で終わるのがこの時代の宇宙飛行士ですよね。戦争で修羅場くぐった経験と胆力がないとなあ。
とにかく徹底的に宇宙飛行士目線で、安全でもなく快適でもない油くさそうな無粋なメカがガタピシいう中、Gにあらがって宙にあがっていく重圧感。
小窓の光の変化からうかがいしれる成層圏到達の孤独感。
圧巻の臨場感で私ならこんな仕事絶対いやですと思わせてくれました。
家族の不幸にもかかわらず、いやだからこそ主人公はジェミニ計画に邁進するのだが正直言って妻も小さい子もいるのにこんな危ない仕事を続けることには感情移入はできなかった。あまり多くを語らない主人公でもありモチベーションが自分にはよく汲み取れなかったが結局のところこの危険な仕事が主人公にとっては生きることと同義であるくらいのウエイトを占めていたとしか思えない。
終盤は割と順調にアポロで例の月面へ。映画館だったらもっと感慨があったのだろうか。やはり家テレビで月面を味わうのは無理があったか。しかし家テレビでも宇宙ロケットの乗り心地の悪さは十二分に伝わったのだった。
やはりこの映画の醍醐味は前半のいつ空中分解するともしれないポンコツロケットだろう。
宇宙本来の怖さが伝わってくる!!!
何故いまさらアポロ?
宇宙飛行士にも苦悩はある!
リアリティはあった
人間が宇宙に行くまでに多くの犠牲があった
とても良かった
ああこれは、映画館で観たかった・・・
娘さんの死は、どのくらいニールさんが月へ向かう動機になっていたんだろう、実際のところは分からないけど、この映画の中ではそれは強く結び付いていて、娘さんの影がちらつくのは死の匂いのする場面であり、オカルト的な物語にもなっている・・というようなことを、町山智浩さんが映画その他無駄話の中で言っていて、実在する人物をモデルにして創作する時に、どうやって物語るのかというのは、難しいけれど面白い、人の内面は本人すら把握出来てない部分もあるくらいに、深くて広い、宇宙のようなものだなぁ。
アポロ1号の事故の場面が恐ろしい。これは実際にあったことなんだなと、知らなくても思わされて恐ろしい。
最後の場面、触れ合うけれど、観ていて伝わってくるのは温もりではなくてガラスの冷ややかさ。冷ややかさの中の温もりかな?どちらともとれるけど、私は冷ややかさの方を感じて悲しい気持ちがするラストだった。とても良かった。
自分と他者との距離は、月ほど遠い。
アポロ11号の船長として、人類史上初の月面着陸を成し遂げた宇宙飛行士ニール・アームストロングの物語を描く、伝記を基にしたヒューマンドラマ。
監督/製作は『セッション』『ラ・ラ・ランド』の、オスカー監督デイミアン・チャゼル。
製作総指揮は『インディ・ジョーンズ』シリーズや『ジュラシック・パーク』シリーズの、言わずと知れた巨匠サー・スティーヴン・スピルバーグ。
主人公ニール・アームストロングを演じるのは、『ラ・ラ・ランド』に続き、チャゼル監督作に2度目の出演となるライアン・ゴズリング。
第91回 アカデミー賞において、視覚効果賞を受賞!
第76回 ゴールデングローブ賞において、作曲賞を受賞!
個人的に宇宙について興味がないため、アポロ計画などの知識はほとんどゼロ。そんな人間でも楽しめるのか不安でしたが、取り敢えず鑑賞。
結論からいえば、ストーリーに関しては正直つまらなかった。
専門用語も多く入り込みづらかったし、敢えてこのような作りにしたのだとは思うが、脇役のキャラクターが書き割り的で魅力に乏しく物語に入り込めなかった。
しかし、この映画においてストーリーはあまり重要ではないのだと思う。
アームストロング船長が月面着陸に成功したという歴史的事実は誰もが知っていることであり、監督はその物語を描くことに興味がなかったのだろう。
月面着陸に至るまでの物語を深掘りするのではなく、ニール・アームストロングという人物の抱える心の闇とミッション成功への執着に焦点を当てることによって、コンパクトで綺麗な纏まりを持った映画になっている。
ニール・アームストロングを演じるライアン・ゴズリングの演技には流石の一言。
数多の死を経験したことにより、闇をみつめるように月へのミッションへ没入していくようになるニールを演じ切っています。
あのトロンとした、何を考えているのかわからない目が良いです。
彼を月へと突き動かす契機となった娘の死も、語りすぎることなく、映画の冒頭でサラッと扱うのが良い。
彼女が入れられた棺桶は宇宙飛行士たちが乗り込む宇宙船を連想させる。
それにより宇宙船が死と隣り合わせの閉ざされた空間であることを比喩的に表現しているところなど、流石デイミアン・チャゼル、上手い!と感じました。
ジェミニ8号やアポロ11号の描写も、あくまでニールの乗り込んでいるコックピットに焦点を当てて撮られており、この映画が彼のミニマムな物語を描くものであることを確認させているのと同時に、観客に宇宙という未知の空間に放り出されたクルーの恐怖を体験させる効果も生んでおり、実にスマートでクールだと感じました。
ジェミニ8号の場面は映画館で観たかった!
宇宙船の爆音と宇宙空間の無音を対比的に描くという撮り方も効果的。
何より、全編にわたり暗い影が映画を覆っている感じが、世間的な名声とは対比的なニールの闇を表している様で、哀愁を誘います。
ニールがミッションに没頭するにつれ、妻との心の距離はどんどん離れていく。
月面着陸という偉業を成し遂げた後の彼と、その面会に来た妻がガラス越しで向かい合う場面では、ニールと妻の心の距離が決定的に離れてしまったのだということを、両者が確認した様に見えます。
ガラス一枚で、地球と月を思わせるほどの遠い距離を表している、非常に上手いとしかいえないクライマックスが切ないです。
とにかくかっこいい映像を撮ることとと、常人とはかけ離れた天才を描くことに長けたデイミアン・チャゼルらしい映画でした。
ストーリーはつまらないとは思いましたが、映像と演出、そして丁寧な主人公の心理描写に惹かれる、非常にクオリティの高い作品。
デイミアン・チャゼルの次回作にも期待!
デイミアンチャゼル新境地
1960年代を舞台に、実在した最も有名な宇宙飛行士の1人、ニールアームストロングらによる人類初の月面着陸を描いた作品。
「セッション」「ララランド」などの傑作音楽作品を生み出した若き天才デイミアンチャゼルによる伝記作品。
ディミアンチャゼル監督の過去作品とは打って変わって最愛の娘の死や度重なる飛行実験の失敗とそれに伴う友人たちの死などの暗く重い演出でニールアームストロング個人の葛藤や苦悩を描く内容だった。
大学時代からのパートナーだという作曲家のジャスティンハーウィッツの劇伴も作品の雰囲気に合わせ、目立ちすぎず、より一層の重苦しい演出に抜群の組み合わせだった。
ただ静かな作品もあってか、やはり寝てしまった笑。
ララランドの次作ともあって、そういった方向性を期待してしすぎてしまった感もあるが、デイミアンチャゼルの新境地として見れば、今後も期待できると思う。
まーまー。
命を懸ける仕事って
淡々と、偉業に挑む男の姿を見せてくれた。
娘の死から話が始まり、恐らくそれが動機になっている、本人も作中で影響はあると言っている。
個人的な動機はそれだが、国家としては国の威信。
対ソ連の勝たなきゃいけないという。
○
初めは同じ目標に向かう仲間とどちらかというと明るい希望に満ちたお話が続く。
そのうちに一人また一人と仲間が命を落としていくなかで心に微妙な変化が生まれてくる。
家族ともしっくりいかなくなっていく。
結局は奥さんの説得で家族とも絆を確かめ、偉業に挑んでいく。
結果、ファースト・マンにはアームストロングがなるが、そこに至る人々も丁寧に描かれていた。
最初からギクシャクしていたオルドリンとチームを組んで最後のミッションに臨むのはなんとも皮肉な巡り合わせ。
とても丁寧に作られていたと思う。
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