ファースト・マンのレビュー・感想・評価
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月面着陸を違った角度から描いた作品
月面着陸を華々しく描いた作品と思いきや、主人公や家族の苦悩にも焦点を当てていて、これまでのこのテーマの作品とは違う感動を味わえた。
とは言え飛行シーンは、やはり常にハラハラで、アゴが疲れた…(汗)
無言のラストシーンは、この映画の全てを物語っている感じがした。
英雄譚ではありません
人類史上の快挙を扱っていますが、船長の私生活を中心とした家族・人間ドラマの趣で、よく言えば落ち着いて淡々とした、悪く言えば暗くて地味な作品です。 「よくぞやった!」というより「なんとか上手くいきましたね」という描き方ですが、当事者たちは結構こっち派かもしれません。 船長好演。冒険譚を期待するとハズレますが、佳作です。
怒りに満ちた中に生まれた成功、驚きの映像体験
フライヤーから選んで自宅鑑賞するパターンで選んだ今作。ポスターやタイトルから連想したイメージと違い、思ったより怒りの映画だった。偉業の裏の苦悩…凄い1歩。 アームストロングが月に降り立ったことで、人類が初めてその一歩を踏んだ。それは習わずとも知っている話。それまでの苦悩や困難を描きつつ、大きな一歩を描いていく。 たぶん、タブレット鑑賞じゃ勿体ないんだろうな…と思うくらい序盤から画質と奥行きが凄く綺麗。意味のある画質の透過をしている。ソ連との宇宙開発競争に焦るアメリカが打ち出した月への到達。それまでの過程は想像に足らない程の困難の連続。単純な犠牲だけでは片付けられない程の想いが重なっていく。 故に怒りが多いと感じたのはそこだ。途中、NASAにお金を使うくせに貧困層は見捨てるのか!みたいなデモも描写で描かれていたり、決して単純な賛美だけで終わらないのがまたリアル。ただ、やはり英雄記としての引き立てに機能したのが少し気になる。没入感が少ない状況下で観たからこそ感じる部分でもあるだろう。 凄く印象的だったのが、やはり家族の描き方。背負っている者としての勇ましさを感じる一方、なんとなく残された側に対しての置き去り感が否めず。ただ、それは今作が凄く広い視点を持った作品だからこそ感じたことではある。 民間人が月に行ける時代。そこまでして月に行く理由は、正直自分には分からない。だが、そこにロマンを感じる人がいるからこそ、多大な犠牲を払ってでも行きたい場所なのだ。家族という犠牲もいとわない、男たちの戦いに少し胸を焦がし、何度も驚きに満ちた映画体験だった。
偉業
月面着陸を成功した、ニール・アームストロングの伝記です。 宇宙に興味のある人、アポロ計画に興味のある人は見ておくべき映画なのではないでしょうか。 私自身は、名言と月面着陸位しか知識がなかったので、どんな人だったのかはこの映画で初めて知りました。 ラストの月面で無音になる演出は、効果を引き立てていた感じがしました。 一番最後の面会のシーンは、見る人により解釈が違うと思うので、これもまた良い演出かと感じ増した。
引っ越し第②弾 少々期待外れ、というか私のチョイスミス
王道エンターテイメント系を期待して観に行ったのですが、その意味では少々期待外れでした。 ですが4DX(2D)で観ましたので迫力は文句なく素晴らしかったです。
喪失からの再生
おかえりなさい、はやぶさ2!
カプセルの中から何が出てくるのか楽しみですね。
世界中が宇宙の神秘に思いを馳せているところで
今日はデイミアン・チャゼル監督による『ファースト・マン』のお話を。
人類で初めて月に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を映画化した伝記ドラマです。
ニール・アームストロングを演じるのは『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング。
ジャズピアニストからいきなり宇宙飛行士とは、彼も幅広い。
いや、てっきり音楽系の映画を撮りまくると思っていたデイミアン・チャズル監督のふり幅こそ驚きに値する。
時代背景が60年代とあって、ロケットなんか今どきの近未来SFに出てくるそれとは桁違いのアナログ感。息苦しいほどに狭い船内はがらくた級に古めかしく、壊れんばかりに軋むさまには否が応でも緊張させられる。
こんなので宇宙に行こうとは正気の沙汰じゃない。
当時のミッションがいかに無謀だったかと驚愕するが、この迫力と臨場感を映像にしたことにも拍手。
一方月面着陸シーンは思いのほか穏やかなのが印象に残る。
アームストロングの偉業を称える伝記とするなら、もっとエキサイティングかつエモーショナルに盛り上げてしかるべきだが、デイミアン・チャズルの演出はひたすら静かだ。それは本作が主人公の喪失と家族との再生を辿るというパーソナルな側面を持っているからだろう。
娘を亡くしたとき、ニールは妻の前で泣くこともしなかった。
ジェミニ計画に関わったのは、「そこに問題があるなら解決したい」と願うニールのエンジニアとしての性(さが)であると同時に、喪失からの逃避でもある。
ジェイソン・クラーク演じる仲間のパイロットがカレンのことを話そうとするのを即座に遮るシーンにも、ニールが数年たってもまだ娘の死を受容していないことがうかがえる。
夫婦で悲しみを共有できなかったことは、妻ジャネットとの間に溝を生じさせることにもなったに違いない。
月面着陸は、ニールにとって家族の絆を取り戻すためのミッションでもあったのだろう。
月面でカレンの小さなブレスレットを捨てる瞬間は、『タイタニック』で年老いたローズが海原にダイヤを捨てるシーンを思い出す。あの瞬間、ニールは喪失を乗り越えたのではないかな。
ラストシーン、ガラス越しに対面する二人にはまだ溝を感じたけれど、ようやく重ねた夫婦の指先にかすかな希望が宿ったようにも見えた。
小さな一歩。家族の再生はこれから・・と。
公開後も作品の評価は分かれていたと記憶してるが、私はこれ好きだな。
音楽がやっぱり『ラ・ラ・ランド』なところが特に好き。
予備知識があれば、最高の映画になる可能性もある
凄くリアルに作られている映画でした。
宇宙飛行士の人間性や家族とのエピソードも凄くリアルに表現されており、どんな凄い偉業をなした人間も、普通の人で本人は勿論その家族には多くの困難や試練が待ち受けてことが表現されていました。
冒頭のX-15を飛行禁止処分になるシーンまでを見たら映画好きの方は分かると思いますが、この映画は人によって見方を選ばなければいけません。
宇宙のことなんてなんにも知らない人は、映画を見終わるまで、宇宙の「う」の字も考えないほうがいいです。大事な事を見逃してしまいます。
例を上げるならX-15のシーンは難しい事に一生懸命挑戦したけど、報われない結果だったね。くらいで十分だと思います。
次にマーキュリー計画やジェミニ計画、アポロ計画は勿論当時のロケットや(アメリカの)宇宙船の構造など宇宙に関する知識が豊富な人は、通常の映画のように、細部まで舐めるように鑑賞しましょう。
凄く楽しめると思います。
私はX-15再突入のシーンで、完全に鷲掴みにされました。
宇宙飛行士のライアンゴズリング♡
スポーツ刈りのライアンゴズリング… 頭の形が後ろデカすぎなのか 顔が小さすぎなのか、とにかく バランスが宇宙飛行士というより宇宙人ww ま、いっか… 奥さんは、あら「ザ・クラウン」のエリザベス 毎度、内容より俳優を見たいだけなんだけど 子供の頃アポロ11号の中継を学校で見た あんなガタガタいうロケットでよく行けたねーーー 先日見た『ドライヴ』と同じように 運転中の無言で目だけで演技するシーンが多い ライアンゴズリングさま…声も好きなんだけどね
月に行くことで亡くなった娘に会え、大きな喪失感を彼女の形見と共に葬れた
高揚を抑え偉業を淡々と冷静に描く演出、及びニール・アームストロングを演ずるゴスリングの感情表現を減じた演技には好感を覚えた。
デイミアン・チャゼル監督による2018年公開の米国映画。脚本はペンタゴン・ペーパーズで知られるジョシュ・シンガー。原作はジェームズ・R・ハンセンによるニール・アームス
トロングの伝記。撮影と音楽がラ・ラ・ランドのリヌス・サンドグレンとジャスティン・ハーウイッツ。製作総指揮がスティーブン・スピルバーグら。配給はユニバーサル。
出演は、ライアン・ゴスリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、コリー・ストールら。
テスト飛行時の異常高度到達で映画は始まる様に、ニール・アームストロングの個人史に忠実な様だ。緊急事態が発生しても決して動ぜず、幼い娘が脳腫瘍で亡くなっても人前では涙見せないゴスリングによるアームストロング像に、リアリティを感じた。特に、アポロ計画でのランデブーの軌道と速度に関する理論的講義に面白さを感じる感性の描写で、後に大学教授となる彼の資質を上手く表現していた。
加えて、多軸制御訓練での気絶後の再度チャレンジや死亡事故に関する憶測的発言の強い否定が、ファーストマンになり得た優秀性をさりげなく示し、良い脚本と思った。
メインテーマは米国映画らしく家族への愛、中でも亡くなった娘に対する大きな愛と喪失感。葬儀の日に月のアップ映像が挿入されるが、どうやら月に行くことの意味は娘に会え喪失感を葬れるという解釈らしい。娘の形見をクレーターに投げるゴスリングの姿が、映画のクライマックスの様であった。映画全編に散りばめられる家族のシーンでのハーウイッツによる甘く美しい音楽に、情感を揺さぶられた。
宇宙飛行士の妻の、命懸けの仕事を見守る苦しさも丁寧に描かれていた。映画の中でも5名の宇宙飛行士が死亡し、ニールも月面着陸訓練機操縦で死亡寸前ギリギリの脱出。明日は我が夫かと思う妻の苦悩はもっともで、それを演じたクレア・フォイによる演技のリアリティはお見事。特に月に向かう前に、息子達への説明を強く要求するクレア・フォイの姿は、母として健気でもあり、妻としては重要な仕事前の夫には嫌なところでもある。そういえば、葬式の時に手伝う妻1人置き去りにして、さっさと自分一人で帰宅する妻に配慮をしないニールの姿も描かれていた。
そして最後、マスコミの前では笑顔見せていたクレア・フォイは、ゴスリングとのガラス越し再会で笑顔一つ見せない。今一つ自分にはしっかりと理解出来ないが、たとえ英雄として帰ろうと、蓄積した事故への恐怖は彼女の許容量の限界を超えてしまったのだろうか?二人は実際、離婚するらしいし。ただ彼女の青い眼球のアップ映像の意味するところや指の重ね合いは、ゴスリングの地球に及び家族の元に帰ってきた安心感を象徴している様にも見えるのだが。
カレン
宇宙に思い入れもない自分にとって難しい用語を並べられてもちんぷんかんぷん。きっと大変な条件なのねー。家族も大変なのねー。長男が壊れそうで見ていて可哀想。 ドリームでもあったけど、ソ連に先行する為にかなり無茶苦茶に進められていくさま、人々の犠牲によって作り上げられたのは分かるが、映画の中にもあった民衆がそんなものにお金を掛けるより、という意見に激しく同意。宇宙に目を向けず、地球を守る研究にお金かけたらと思うのは私だけ?
色んな意味で、「あなたは一人ではない」
他のレビューにある通り、とにかく、淡々とした映画。 悪い言い方をしたら、退屈。エンターテイメントではない。 ドキュメントに近い。 ただ逆に言うと、それだけ真実に迫っている、と言えるかもしれない。 確かに、月に行く、行ける本人はいいかもしれない。覚悟もあるやろうし。それに命を懸ける事も出来るやろう。 でも、見送る方、待つ身の方は.... そら、気が狂うほどしんどいやろうし、イラつくやろうし、怒るやろう。 その点でもリアル。 成功は犠牲の上に成り立つ、を地で行った映画やけど。 まぁ~、再度テレビで上映してても観ないやろうね。退屈すぎて。
よく言えば小劇場向け、悪く言えば
正直ハリウッド映画らしからぬ地味で暗い映画だった。 クリストファーノーランとかが監督だったらもう少し華やかさがあったのかもしれないが、ノーランは撮らんだろうしね。 結局は宇宙開発そのものが茶番の一つで、偉大なる国家アメリカと如何わしい国家ソ連の冷戦が生み出した狂気の一部だったと言うことだろう。 本作を観て、コロナ禍以降が本格的な宇宙進出の時代になるのならば、日本流宇宙進出があって欲しいものだと思った次第(^^) 所詮アメリカは下請け頼みの国家でしかない。 裸の王様的国家だw
勇気を体感する映画
4DXで入ったが、自分以外に誰もいなくて貸切状態の中鑑賞した。その状況もあってか、より緊張感が際立つように感じた。 この映画はアポロ計画の話。人類が初めて月へ行くために、多くの犠牲を伴い、失敗続きのプロジェクトで国民も批判的だった事をここで初めて知る。 そんな人類史上危険なミッションの見せ方が斬新だった。パイロットの目線(一人称視点)のシーンが多かったからだ。 宇宙船の小窓から僅かに見える空の色が青から黒に変わってくる様や、まき散る火花や炎による不安。 結果だけ、良い所だけが世間でよく語られる中、この壮絶な過程の話はとても貴重に思う。 この映画を観た後は月を見上げる度に、ニールアームストロングという勇気ある人物を思い出す事だろう。
Fly Me to the moonなんて軽々しく言えない
Netflix で配信されたのを機会に鑑賞。まず驚いたのは、宇宙船の狭さと窓の小ささ。この狭い空間で月に行くなんて尋常でない。強靭なメンタルを持っていないと一日もたたないうちに精神が崩壊してしまう。 ニール ・アームストロングが冷静沈着で宇宙飛行士として必要な資質を十分すぎるくらい持っていると知っていたがここまでとは思わなかった。自分が事故死する可能性に対しても他人事のように客観的にとらえていて、奥さんの怒りが爆発するのがよくわかる。 全体を通して抑制の効いた演出がリアリティを増している。入念な準備と極限状態の訓練が行われていて、メンタル強人のアームストロングであれば、月着陸が実際に成功したのは間違いないと思わせる。捏造説を信じていたて自分が恥ずかしくなった。 アクシデントで独楽のように回転してしまった機体の様子とか、大気圏を抜けるまでの激しい揺れが主観ショットと近接ショットで見事に再現されている。これは命懸けだね。Fly MeTo the moonなんて軽々しい言葉は絶対言えない。 ここまで映像はIMAXで見たかったな。
死を覚悟したミッション。
同僚達が事故で命を落としていく中での任務。 彼をそこまで突き動かしたのは、何だったのか? 偉業の影で、色々な葛藤があったのが分かった感じがします。 お話としては有名だけど、フォーカスしている所が他の作品と違うかな…。
巧い。
重厚長大な爆音と対置される心地好い静謐を評す。 人類史級の偉業も全ては個人的なサイズで起こるという当り前を撮るのに初めて成功か。 あの有名な台詞こそを大味で心籠らぬと聞かせるとは。 騒々しいだけの二本を撮ったデミアン・チャゼル 、巧いではないか。
誰が人間が月に行くなんて考えたのだろう…
事実のため、派手さは無く、感情移入する暇もなく、物語は淡々と進むので、前半は特に映画的なエンタメ要素はない。それだけに人類が月に行くのに、どれだけの時間と命の犠牲があったのか、ライトスタッフ同様に描いている。娘を亡くし、心に傷を負う主人公ニールはロケット試作途中に仲間を次々と亡くし、葬儀を終え、逃げるように出ていく。親友をも亡くした彼の胸中はどうだったのだろう。誰も行ったことのない未知なる宇宙に命懸けで行く彼を奮い立たせるものは何だったのだろう。夫を送り出す妻も然り。妻も戦っている。当たり前になった現代でも、こんなに事故が起きていたら、行きたくない。。宇宙開発にソ連が先行していた為、アメリカの焦りがあったり、国民、特に貧困層は失敗ばかりする宇宙開発に莫大な税金が投入されることをよく思わなかったり、かなりのプレッシャーがあったこともよく描かれている。自分が他の宇宙飛行士よりも先に行きたいなどの争いなどはなく、チームとして団結力を感じる。飛行前記者会見時、過去の飛行のお陰で今日があるというニールの言葉は本当だと思う。後半は結果は分かっているが、期待感というより、これから死にに行くような物凄い悲壮感、緊張感が漂う。帰還後、妻と隔離室のガラス越しで、泣くわけでも笑い合うわけでもなく、帰って来れて良かったというひたすら安堵、疲労感すら漂う終わり方はリアリティあった。コリー・ストールは嫌な奴の役がよく似合うw
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