ファースト・マンのレビュー・感想・評価
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視点
世界が目にしているもの(或いは見せられているもの)と、見えないもののギャップは大きい。それが時代を超えて語られるほどの偉業であればなおさらだ。
結果的にこのプロジェクトが成功することを知っている「映画の鑑賞者」が想像している(或いは見たがっている)ような作品ではないかもしれない。はっきり言って地味な映画である。
訓練中に起こる数々の苦難、宇宙船という狭くて逃げ場のない空間、また地球とは別世界である宇宙空間と月面、そして人の生と死。ただ、映画の肝はそこではなく、ニールとジャネット、そして子供たちというアームストロング一家の苦悩と愛の映画であり、見えないことにもドラマはあるのである。
ライアンの演技もさることながら、ジャネット(アームストロング夫人)役のクレア・フォイの表情豊かな演技が素晴らしい。
想像以上に重かった!
IMAX2D字幕。映像より音の迫力
全編IMAXフルスクリーンではない事にびっくり。最後の月面着陸7分ちょっとだけフルサイズになったらしいが気付かへんかった。
ただ音の迫力(無音も含めて)はIMAXでみて良かったと思える。前半ウトウトしたけど。
ニールアームストロングのことをウィキペディアで下調べしとくんやった。
カメラが被写体に近いとすごく不安を感じる
ニールアームストロングの気持ちを疑似体験する映画。彼は寡黙で言葉では全然説明してくれへんけど。
相方のバズオルドリンは陽気、嫁の私物も持っていくーに釣られてニールが月面に投げたブレスレットの名前を嫁と勘違い。死んだ娘のやった。
宇宙に出発前夜に夫を追い込む妻の迫力。
それでも帰ってきたらキスを送るんやからニールアームストロングは真面目というかなんちゅうか
ララランドで売る必要はないと思うけど。
紛れも無い"デイミアン・チャゼル監督作品"
物語や演出のリアリティや楽曲の素晴らしさはあらゆるところで語られているので、私はチャゼル監督作品という切り口で感想を語りたいと思う。
デイミアン・チャゼル監督は「セッション」や「ラ・ラ・ランド」でもひたすら主人公二人の"二人だけの世界"というものを描いてきたように思っている。
それは"二人にしかわからない世界"と言い換えてもいいと思う。二人以外の人間ドラマなど知ったことかというくらい、誰も介在できないその世界観が私はとても好きだった。
だって「ラ・ラ・ランド」はその世界がすごくロマンチックで切なくて好きだし、「セッション」ては嫌味、妬みという厨二病感全開(笑)の攻撃的な世界が若々しく(痛々しく)て好きだった。
本作はどうかというと、ニール・アームストロングとその娘カレンとの二人の世界があった。やはりここにもあった。
しかし、序盤でカレンの死により、主人公は一人ぼっちになってしまう。作中、ニールが感情を爆発させるのは、娘の死に対しての涙のみ。ライアン・ゴズリングの演技も素晴らしかった。そしてこの瞬間から、彼には家族や友人の言葉も届かない。親しい友人の死にも涙を見せない。そして事あるごとに、どこかにカレンの影を追ってしまう主人公。
しかし、ラストではやはり二人の世界だったんだということがわかる。月面でのニール・アームストロングの行動は監督のインタビューによると、史実ではなく、映画演出上の飛躍だとのこと。
フラッシュバックで娘カレンと見つめる先にあった月。彼はもしかしたらこの死の淵のような無の世界である月にも娘の影を追い求めていたのかもしれない。しかし、娘はどこにもいないのだ。地球に戻ったラストのラストで妻の差し伸べる手はガラスに阻まれて彼には触れることはできない。彼と娘の二人の世界には誰も介在できない。
ニール・アームストロングが月面で何をしていたのかは全くの謎である。
不安定な画
リアル!
一般受けはしないかもしれないが…
宇宙飛行士アームストロングの素直なアンソロジー
IMAXで鑑賞
ライト・スタッフとアポロ13の間
結構な衝撃作
We choose the going to the moon. 月面着陸への追体験
デイミアン・チャゼル監督ってやっぱりスゴい。「セッション」の時も「うぅっ」ってなりましたが、本作も息が詰まりそうでした。あのスペースシャトルの中でのキシミ音。わざわざビスをアップで見せたりして、もうホント意地が悪い。でも、そんな演出のおかげで当時どんだけ大変だったか追体験できたような気になりましたが。チャゼル監督の今までの作品とは全く違う雰囲気ですが、訴えかけて来るものがある作品作りは今までと同じですね。
しかし、アポロ計画ってスゴかったんですね。何となく名前だけは知っていたジェミニ計画も宇宙船の仕組みも観てて「あ、そういう事か~」っと色々発見がありました。丁度今から50年前に、384,400kmも離れた月に人類が降り立ったって改めて凄い話だなっと思います。映画観た後でアポロ計画を検索をしてると面白くって止まらなくなります。あ、映画観てて、そんな昔からホントに検疫とかしたの?なんて思っちゃったんですけど、実際にちゃんとやってたみたいですね。
ニール・アームストロングを演じたライアン・ゴズリング、抑えた演技が見事でした。悲しみを抱えつつも強い意思を持ったニール船長を上手い事演じてましたね。で、単に偉業をなしえたヒーローっぽくするのではなくって出発前に子供と向き合えない等、人としての弱さも上手く表現してたと思います。奥さんを演じてたクレア・フォイも印象的な良い演技でした。作品としてアップの表情が多いので、繊細な表情が求められ大変だったのではないでしょうか?尚、あの出発の前日に子供と話をするようにやりあったのは事実のようです。
月面に着陸した後、音が全くなくなるのもインパクトありました。あの静寂な空間。実際の月でもあんな感じなんでしょう。んで、ラストにニールとジャネットが向かい合ってるシーンも音がなくなるのですが、映画館の隣の隣ぐらいに座ってたおっちゃんが、よりによってそのタイミングで「ブッ」っと・・・雰囲気台無しでした。せめて後1分、いや30秒屁ぐらい我慢できんかったんかーい!色々と耐えて頑張って月に行ったニールを見習えぇ!!
寝不足で観ると寝ちゃいます。
月面でロケしたようなリアル
人類が月に降り立ってから50年。当時小学生だった私は、10年後、20年後には月に町ができ月旅行に行けるものだと思っていた。それが叶わなかった理由の一端がこの映画にある。
英雄として考えていたアームストロングの、実に人間的な面、それが痛いほど伝わってくる。さらにはその奥さんの心情。この映画を見ると英雄は簡単になれるものではない、いや決して「英雄」なんてひとことで語るものではない、ということがわかる。
現代から見ると、こんなにもアナログさを感じさせる、いまにも壊れそうな箱で宇宙に飛び出るなんてこと、恐ろしくて想像できない。それでも、政治による犠牲の上に様々なことが成し遂げられてゆく。
アームストロングをはじめとする宇宙飛行士たちの勇気、もちろんその家族やスタッフたちの思いも含め、驚くほどに重厚に描いている本作に感服する。
従前の飛んだ、降り立った、すごい!の成功物語では決してない、真に迫る人間ドラマとして描ききっている。
壮大なテーマにありながら全編通してのミニシアター映画のようなカメラワーク、ショットの数々も印象的。ドキュメンタリー映画のようでもある。臨場感たっぷりの着陸シーンはハラハラドキドキが止まらない。それを見届けたあとの物言わぬラストシーンがすべてを語る。非常に印象的で涙を禁じ得ない。
月の偉大なる美しさ
宇宙飛行までの実験・訓練をかなり過酷な状況として描いている。当時の資金の問題か、技術的な問題か、まだまだ発展途上の宇宙船。船外を映すことは少なく、ほとんど船内の狭くて暗くて窮屈な空間。発射後の激しい揺れや音。あえて16mmフィルムで撮影されたシーンもあり余計に古臭さを感じました。
実験中の墜落事故をあまりにもあっさりと描いており、ミッションに対する不安と恐怖がひしひしと伝わってきました。アポロ1号の一件はあまりに悲惨すぎて、私は怒りすら感じました。人に対する尊厳が無さすぎる。
終盤、アポロ11号の歴史的な月面着陸。ここでは、船内の映像と対比してます。IMAXカメラ。無音。透き通った月。そこにはっきりと残る足跡。
私は狭い船内から広大な宇宙へ出た時の開放感、地に足が着いたときの安心感、を感じ涙が溢れました。
現実という重力の縛りから解放された世界。月にはそんな美しさがあると思いました。
ここまで追体験させてくる映画はなかなかないと思います。ぜひIMAXでご鑑賞を!
フライミートゥザムーン
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