「月旅行は命がけ」ファースト・マン やぶうちへびさんの映画レビュー(感想・評価)
月旅行は命がけ
人類で初めて月へ行ったアームストロング船長を基礎とした映画。
だが、偉人伝でもドキュメンタリーでもなく、ニールという名前の一人のパイロットが直面する、死と隣り合わせの宇宙飛行が描かれている。
制限された視界と、ほとんどBGMを使わず、風圧や機械の軋む大きな音、無音などで構成された映画のため、序盤は面食らってしまうだろう。
これによって、安全の保証がない飛行をしているという緊張感が伝わってくる。
実際に自分が機内に同行しているかのような、アトラクション性を感じた。
(ただし、楽しいアトラクションではなく、危険を伴ったもの)
月でのシーンも実際にそこに行っているかのような、感動でもあり恐れでもあるような、不思議な感覚を得た。
こういう疑似体験ができる、ちょっと変わった映画だ。
このような特殊性の他、ニールの感情表現があまりなく何を考えているかわからないところ、家族を描写したシーンは日常の切り取り方はうまいがシーンとして多くないところなど、一般受けしにくい部分は大きいかも。
危険を伴う宇宙飛行へ向かう、それを疑似体験する、というところに興味を持つなら気にいるかもしれない。
音が重要な映画なので、他の観客のマナーによっても評価が左右される。
あのおじさんおばさんがいなければ、星4くらいつけたのかもしれないが。