劇場公開日 2019年2月8日

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「幾多の失敗と犠牲があったからこその月面着陸なんですね…」ファースト・マン 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0幾多の失敗と犠牲があったからこその月面着陸なんですね…

2019年3月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

どんなシーンから始まるのかなぁ? きっと回想シーンからさと思っていた自分の予想を裏切って、かなり緊迫した飛行シーンから始まって、すぐに物語の世界に引き込まれた。ニールは冷静で技術もあり、優れた飛行士だった。幼い娘のカレンの死を抱えながら、懸命に仕事に励んでいた。だが、その死について、他人やまして妻にさえも語ることができず、一人月を見ることで慰めていたように思う。私は、内に秘めずにもっと語り合えばよかったのにと思った。ニールももちろんすてきだったが、私は奥さんのジャネットがすばらしい人だと思った。特にいいなぁと思ったシーンは3つ。1つ目は、ジェミニ計画の時、ミッションが危うくなって自宅で聞いていた通信を切られた時。基地に怒鳴り込んで、再開するよう迫ったシーン。家族の不安を理解してもらおうと必死だった。2つ目は、同僚の奥さんと本当はもっと普通の生活を送りたかったと自分の本心を話したシーン。マスコミが詰めかけたりしない静かな生活を送りたかっただろうなぁと思った。3つ目は、アポロ11号の出発前に子どもたちに、失敗の可能性もあることを説明するよう懇願したシーン。同僚の中には亡くなった人もいて、自分たちもそうなるかもしれない。それを夫の口から話してもらいたいという気持ちは痛いほど伝わってきた。毅然とした人だけど、それらのシーンにさまざまな気持ちが含まれていて、すばらしかった。はやぶさ2号のリュウグウ到達で沸く日本で、こんなに力強くて感動的な作品が話題にならなかったのは残念だ。

瑞