劇場公開日 2019年2月8日

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「偉業の陰に埋もれていた人間アームストロングを活写」ファースト・マン ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0偉業の陰に埋もれていた人間アームストロングを活写

2019年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人類初の月面着陸を成し遂げたアームストロング船長の半生記を描いた作品。今から50年前、私もテレビの前に齧りついて、彼が月面に降り立つところを目撃した一人ですが、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが」で始まるあの有名なフレーズの他は、彼について殆ど知るところがありませんでした。しかしこの作品を通じて、彼が人並み外れた自制心と判断力を持った努力の人であること、そしてそれに加えて、彼が市井の人と変わらない人間の魅力を湛えていたことを知りました。月面着陸という偉業を達成した際にも、病気で夭折したお嬢さんのことに思いを馳せる彼は本当に家族愛に満ちた人でした。そしてその彼の奥さんも同様。おそらく彼女の献身無くしては、彼の偉業も無かったのかも知れません。本当に心に沁みわたる作品でした。それにしても、近代工学の粋を結集して作られた筈のロケットの中で、あのように鉄骨が軋むような凄い音がしていたとは、言われてみればそんなものかと納得も出来ますが、本当に驚きでした。

ホワイトベア