「一人の人間、ニール・アームストロング」ファースト・マン ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
一人の人間、ニール・アームストロング
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」と言ったニール・アームストロングを「一人の人間」としてのみ描いた、「人類」がどうとか一切の興味がない、チャゼルイズムがまざまざと刻印された作品。ファンとしては傑作としか言いようがない
カメラはしばしば寄り(時に意地悪く、素っ気なく引き)、揺れ(震え)、ドキュメンタリーのようにリアルに演出された1969年の「宇宙の旅」は硬質で死の匂いが付き纏う。神秘的かつ無機質でありながら生命を感じた『2001年宇宙の旅』(1968年公開)のそれとは決定的に違う
事実に基づく作品でありながら、エンドロール前に『フレンチ・コネクション』風の字幕がなかったのは意外だった。しかし、それをしないのもチャゼルイズム、すると「人類」にとってどうというニュアンスが入ってしまう
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