劇場公開日 2019年2月8日

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「冒険主義と家族愛」ファースト・マン xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0冒険主義と家族愛

2019年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

La・La・Landの監督、主演男優が次に選んだのがこの作品。
実際は、La・La ・Land制作前には2人はこれをやろうと決めていたらしい。華やかなパステルカラーの世界から、モノトーンで寡黙の世界へ。
その幅の広さ、揺れ動きの大きさには感心してしまう。
彼らの頭の中はどうなっているんだろうと感じてしまう。

この映画、ポイントは2つ。
①男子の冒険主義について
②それに対する妻の家族の思い

①簡単に冒険主義と言ってはなんだろうけど、あのアポロの中の衝撃に耐える。それは冒険主義、ヒロイズムがなければ絶対にできないと思う。
記者会見でもアームストロング船長は冷静さを失わない。
いつでも彼はそうだ。そう見える。何か、ポーズのようでもあるのだが。
莫大な国家予算を使って、こんな無駄なことをしなくてもいいのでは?
そんな時も、俺は俺、与えられた使命を果たすだけだ。
ただ、一緒に訓練した仲間が何人も命を失くしたときに、心が動いた。
黙っていてくれ!一人にしてくれと!
気持ち悪くなるほどの衝撃は、それが強ければ強いほど、アームストロングの快感につながっているのではないかとも思える。

②不動とも見える男のカウンターカルチャーとしての家族。
ただ、そんな男のヒロイズムも全然受け入れられないと妻が言う。
「ダメだわとそんなの、一人だけで悦に入っているのは許されないのよ!」
60年当時、今とは全く違う価値観が存在した。一緒に彼の英雄的な姿を賞賛するのが現代的なのかもしれない。でも、当時は違ったと言うべきだろう。
「子供たちにちゃんと説明して!どうなるか、わからない行動のことを」と迫る。そして、子供達の前で説明する一人の英雄がいた。これが本当なのだと思う。

妻を演じたクレア・フォイという女優。生活感があって、とても強いキャレクターを見事に演じているのが小憎らしくもあり、素晴らしくもあった。
衝撃的な映像だけでなく、それを受け取る家族の愛。
それであって、この映画の価値は何倍も上がるのだろう。

xtc4241