「これは狂気の沙汰」ファースト・マン N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
これは狂気の沙汰
NASAが舞台の映画はこれまでに幾つもあれど、ここまで定番である「ミッションの成功」と「栄光」からハズレたものはないだろう。
そしてその視点はあくまでも見守る第三者のものであり、第三者にとってそうあってほしい姿だと気づかされもする。
この作品は徹底的に当事者視点を貫いた作品だ。
なら見えてくるのは無茶ブリに体当たりで応える人体実験の数々で、そこにあるのは緊張と恐怖の連続でしかなく、「好奇心」や「栄光」だけで乗り越えることの難しさを見せつけられる。しかしながら偉業を成し遂げた主人公を支えていたものは、何だったのか。
無茶なミッションに挑むには、相応の激しい動機がある。
手放しで喜び終われない本作の切り口に、脱帽する。
それにしても冒頭から怖かった。閉所恐怖症になりそうだった。
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