「淡々としたドラマ映画」ファースト・マン サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
淡々としたドラマ映画
題にはドラマと書いたが、ドキュメンタリーのような気もするし芸術系の映画のような気もする。わざとらしい心情解説や芝居もなく、淡々と事実のみで話が進行し、宇宙の描写も2001年レベル。とにかく歴史のあるがままを、ただ一人の男に注目してただただ写実的に紹介していくというもの。その一人の男というのが、宇宙飛行士アームストロング。
ということで、この映画はアームストロングが月へ降り立つ過程を描くものである。
全編すべてに注目すべき作品であり、ゆえに見どころはないとも言えるしすべてが見どころとも言える。何を言いたいかよくわからなくなってきた。ただなんというか、悲劇や望みの成就があっても、それらはあくまで時間の流れの中のひとつの出来事でしかなく、つまり映画として過剰に感情を入れ込むことを良しとせず、ただただ写実にこだわっていたように見えた。
この手の、派手な演出をしない映画は久しぶりに観た。だから映画が終わった時はかなり困惑した。もしかしたら初めてだったかもしれない。ゆえに面白かったかと聞かれると返答に困るが、観てよかったとは思っている。映画館で観るべき作品だとも思う。
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