「あたたかさに包まれた作品」ワンダー 君は太陽 むっしゅさんの映画レビュー(感想・評価)
あたたかさに包まれた作品
想像以上に良い作品でした。というのも、ハンデを持つ主人公にスポットを当てるにとどまらず、周囲のすべての登場人物を驚くほど丁寧に描き込んでいて、それぞれの抱える悩みや心情の移り変わりなど、巧妙にストーリーの中に紡ぎこんでいる点に感動しました。
人々のセリフの一つ一つが大事に扱われ、表情の一つ一つが繊細に表現され、全体を優しく包み込む。
見た目の悪い面は隠すことができ、露わにすれば一目でわかるものだけど、心の中は隠すことはできても容易にくみ取ってもらえない。
そんな多くの悩みもすべてひとつの太陽に照らし出されることで少しずつ影響を受けはじめてゆく。大地から芽が出てゆっくりと伸びていくように。その微妙な描写がとにかく素晴らしい。
お姉さん、お姉さんの友人、主人公を取り巻く多くの子供たち。みんなが少しずつ変化してゆく。それがとにかく心地よい。
子供たちだけじゃない。お父さんとお母さん、先生と校長も、セリフの一つ一つに優しさが詰まっていて胸を打つ。心の底まで暖かくなる素晴らしい作品。とても良い涙を流せました。
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