「さり気ないのに、しっかり響く」レディ・バード 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
さり気ないのに、しっかり響く
家庭の経済力が教育の格差を生み、教育の格差が将来の方向性をかなりの確率で決定していく。あの頃でもかなり顕在化していたのですね。富裕層を一層富裕にしたレーガン政権、IS ISを生んだイラク戦争(池上彰さんや町山智浩さんの著作から教わりました)などのネタをさり気なくしっかりと挿入してあるので、大人(両親)たちの環境や思想が、一少女の思春期の葛藤や将来の選択にも実は大きく関わっていることが伝わってきます。
若い人にとって共感性が高いだけでなく、思春期は遥か昔のこととなったオトナにとっても、どういう世の中を子供達に残せるのか、という社会的責任を痛感させられる意外とイタイ作品でした。
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