「何もない田舎が嫌いで、干渉しすぎの親が嫌で。」レディ・バード 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
何もない田舎が嫌いで、干渉しすぎの親が嫌で。
だから、田舎で育った少年少女は、都会に出ようとする。
自分の周りにいる大人たちがどれだけ気にかけても、それは型にはめようとするお節介としか感じていない。
しかし。「愛情」と「気を配る」とは同じこと、そうシスターは言う(字幕では「気を配る」とでていたが、「口出しをする」のほうが近い)。その意味を、レディ・バードはNYに行ってから痛いほど味わうのだ。親の愛と、それまで嫌いだった故郷への親しみを。そして彼女は、それまで仮の姿だった”レディ・バード”の殻を軽やかに脱ぎ捨てる。なんと、清々しい変身だろう。
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